Vol.253 びっくり、オドロキ、あんぐり!『 スタートレック / STAR TREK / STAR TREK XI 』 [韓国と関係ない話]
<驚異的に面白いと評判>
携帯電話帯に送られてきた映画配給会社のメルマガにはそう書いてある。
映画の宣伝なんて、昔からハッタリ商法だから、こういったコピーは頭をスルーしてしまうんだけど、今回の『 STAR TREK / STAR TREK XI 』は、<案外…>という気がしないでもない。
なにせ、監督があのJ・J・エイブラムス。
予想がつかない展開を用意してくれるクリエイターだが、反面、絢爛豪華な風呂敷を広げるだけ広げて、中身はスッカラカン、という可能性もある。
だって『 ミッションインポッシブル3 』や、『 クローバーフィールド 』がそうだったから。
一時大評判だった『 LOST 』だって、シリーズが進むにつれて、ハッタリ感は免れない。
そういう意味では、このJ.Jエイブラハム、ジェームズ・T・カークみたいだなぁ、と考えてしまう。
映画の予告編はどえらく面白そうに見える反面、スタートレックとは思えない派手なシーンの連続、<支離滅裂、詰め込みすぎて空中分解?>の不安が頭をよぎる。
というわけで、いてもたってもいられないので、早速、『 STAR TREK / STAR TREK XI 』を観にいった。
結論。
<どえらく面白い!!>
予想とは200%くらい違う出来映えの作品になっていて、おそらくは大抵の人の想像を超えるスタートレック、と断言してもいい。
最初から最後まで見せ場のてんこ盛りだが、ドラマはおろそかになっておらず、決して見せ物大会で終わっていない。
最大のサプライズは、この『 STAR TREK / STAR TREK XI 』が、今までのスタートレックの完全リメイクになっていることだろう。
いや、流行りの言葉でいえば、リ・イマジネーション版スタートレック、『 宇宙空母ギャラクティカ 』と『 バトルスター・ギャラクティカ 』、『 機動戦士ガンダム 』と『 機動戦士ガンダムSEED 』の関係くらい、異なったスタートレックになっている。
一応、カークやスポック以下、お馴染のクルーたちの若い時代を描く、ということになっているが、アッと驚く設定が各所に付け加えられ、どのキャラも深く掘り下げられている。
カークはハッタリとスケコマシ度が一層ひどくなり、スポックはより複雑な内面を抱えた人物へと再構成、そして、スールーやチェコフといった脇キャラにも、大活躍する場が与えられていたのには驚いた。
が、なんといっても本当の主人公は、スポックだろう。
カークは一種のダメキャラ、どちらかといえば、引き立て役、ボケ役だ。
そこに風貌がライカーっぽい、兄貴野郎のマッコイが加わって、TVシリーズお決まりのマンネリ・トリオ漫才とは全然違う、見応えのある人間ドラマになっている。
サイモン・ペッグ演じるスコッティも、出番は少ないが、尖ったキャラが笑わせる。
映像も美術もすべてが一新、TVイメージとは全く異なるものになっており、特にVFXは独特の映像美を湛えた、たいへん優れたものになっている。
USSエンタープライズを含め、メカデザインが全体的にヘンテコリンなのがちょっと残念だが、リアリズム重視の仕上がりになっていて、どことなく優雅ですらあったTVシリーズの世界観とは対照的だ(でも、ブリッジやエンジンルームはあんまりよくない…)。
TVシリーズでいえば、どちらかというと『 ディープスペースナイン 』に近い性格の作品だ。
スタートレックの映画版、といえばトレッキーの間でも<しょぼい>という意見が一般的、かろうじて最初のロバート・ワイズ版だけが映画として評価されているが、これだって公開当時は決して、いい評判ではなかったのである。
でも、今回の『 STAR TREK / STAR TREK XI 』 は、映画であることの意味が、もっともあった映画版スタートレックといってもいいかもしれない。
このまま映画シリーズで行くのか、TVシリーズとして展開するのか、今は全くわからないが、スタートレック・シリーズの過去と栄光を肯定しつつも、全く別の作品へ転換することに今回は十分以上に成功した、といえるだろう。
携帯電話帯に送られてきた映画配給会社のメルマガにはそう書いてある。
映画の宣伝なんて、昔からハッタリ商法だから、こういったコピーは頭をスルーしてしまうんだけど、今回の『 STAR TREK / STAR TREK XI 』は、<案外…>という気がしないでもない。
なにせ、監督があのJ・J・エイブラムス。
予想がつかない展開を用意してくれるクリエイターだが、反面、絢爛豪華な風呂敷を広げるだけ広げて、中身はスッカラカン、という可能性もある。
だって『 ミッションインポッシブル3 』や、『 クローバーフィールド 』がそうだったから。
一時大評判だった『 LOST 』だって、シリーズが進むにつれて、ハッタリ感は免れない。
そういう意味では、このJ.Jエイブラハム、ジェームズ・T・カークみたいだなぁ、と考えてしまう。
映画の予告編はどえらく面白そうに見える反面、スタートレックとは思えない派手なシーンの連続、<支離滅裂、詰め込みすぎて空中分解?>の不安が頭をよぎる。
というわけで、いてもたってもいられないので、早速、『 STAR TREK / STAR TREK XI 』を観にいった。
結論。
<どえらく面白い!!>
予想とは200%くらい違う出来映えの作品になっていて、おそらくは大抵の人の想像を超えるスタートレック、と断言してもいい。
最初から最後まで見せ場のてんこ盛りだが、ドラマはおろそかになっておらず、決して見せ物大会で終わっていない。
最大のサプライズは、この『 STAR TREK / STAR TREK XI 』が、今までのスタートレックの完全リメイクになっていることだろう。
いや、流行りの言葉でいえば、リ・イマジネーション版スタートレック、『 宇宙空母ギャラクティカ 』と『 バトルスター・ギャラクティカ 』、『 機動戦士ガンダム 』と『 機動戦士ガンダムSEED 』の関係くらい、異なったスタートレックになっている。
一応、カークやスポック以下、お馴染のクルーたちの若い時代を描く、ということになっているが、アッと驚く設定が各所に付け加えられ、どのキャラも深く掘り下げられている。
カークはハッタリとスケコマシ度が一層ひどくなり、スポックはより複雑な内面を抱えた人物へと再構成、そして、スールーやチェコフといった脇キャラにも、大活躍する場が与えられていたのには驚いた。
が、なんといっても本当の主人公は、スポックだろう。
カークは一種のダメキャラ、どちらかといえば、引き立て役、ボケ役だ。
そこに風貌がライカーっぽい、兄貴野郎のマッコイが加わって、TVシリーズお決まりのマンネリ・トリオ漫才とは全然違う、見応えのある人間ドラマになっている。
サイモン・ペッグ演じるスコッティも、出番は少ないが、尖ったキャラが笑わせる。
映像も美術もすべてが一新、TVイメージとは全く異なるものになっており、特にVFXは独特の映像美を湛えた、たいへん優れたものになっている。
USSエンタープライズを含め、メカデザインが全体的にヘンテコリンなのがちょっと残念だが、リアリズム重視の仕上がりになっていて、どことなく優雅ですらあったTVシリーズの世界観とは対照的だ(でも、ブリッジやエンジンルームはあんまりよくない…)。
TVシリーズでいえば、どちらかというと『 ディープスペースナイン 』に近い性格の作品だ。
スタートレックの映画版、といえばトレッキーの間でも<しょぼい>という意見が一般的、かろうじて最初のロバート・ワイズ版だけが映画として評価されているが、これだって公開当時は決して、いい評判ではなかったのである。
でも、今回の『 STAR TREK / STAR TREK XI 』 は、映画であることの意味が、もっともあった映画版スタートレックといってもいいかもしれない。
このまま映画シリーズで行くのか、TVシリーズとして展開するのか、今は全くわからないが、スタートレック・シリーズの過去と栄光を肯定しつつも、全く別の作品へ転換することに今回は十分以上に成功した、といえるだろう。
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