Vol.322 ムン・グニョン、彼女は王道を歩いているのかも/『Closer(클로져)』 [韓国俳優]
2010年8月6日から10月10日まで、大学路はマロニエ公園の裏側にある劇場「아트원시어터」で舞台『클로져/Closer』が封切られた。
オリジナルはイギリスのパトリック・マーバーの戯曲『Closer』。
2004年には映画化された作品なので観た人も多いと思う。
今回の韓国における舞台がなぜ話題かと言えば、女優ムン・グニョンの本格的な初舞台だったことだが、彼女がきわどいストリッパー役を演じていたことも大きかったのではないだろうか。
ムン・グニョンといえばまず思い出すのが『恋愛小説/永遠の片思い』であり、『薔花、紅蓮/箪笥』の幼い女の子然とした面影だが、公称では1987年生まれなので、もう二十三歳/二十四歳(2010年現在)。
月日が過ぎるのは本当に早い。
考えてみれば、今回の劇場がある場所と彼女が通っているらしい成均館大学文系キャンパスは目と鼻の先だったりする。
彼女は二十歳を過ぎたあたりから、それまでのイメージを変える努力をしていたけど、元があまりにも個性的な顔立ちなので、ちょっと損をしていた感は否めない。
なによりも「おさない」とか「かわいい」といったイメージがどうしても先だってしまい、俳優としての志向性、可能性がイマイチ伝わりにくかった。
初舞台『Closer』自体は、残念ながらノレない作品だった。
話が話なので『아트원시어터』のような規模の劇場には合わないし、演劇的な面白さもあまり感じなかった。
でも、こういった題材を映画や舞台で魅力的かつ面白く観せることができれば、それは大変な技量が必要ということでもある。
ムン・グニョン演じるアリスはのっけからミニスカートで脚を組んでの登場、それ以外にも半裸の幕が多く、挙動不審の男性客が結構目立つ。
でも、舞台上での彼女の演技はまさに基本に忠実。
余計なことはやらないし、かといって不足もなく、セリフは舌滑よく、挙動や立ち位置も的確でミスがない。
その分、アドリブやアドリブに見える芝居を求められた時、ちょっと危ないかな、という気はしたが全体的にきわめてセルフ・コントロールが一貫した演技ぶりだった。
その如才なさは演技に個性がない、という見方もできるけど、元々彼女は個性派ではないし、演出側が求めるものに柔軟に合わせることができる素養の証明かもしれない。
ただし、TVや映画だと、そういった器用さが没個性につながってしまうので、プラスに活かしにくい、というきらいはあるだろう。
現実の彼女は意外にガタイがでかくて、ヒョロヒョロしている。
顔が小さいのでわかりにくいが、共演している男優たちと、あまり背丈の差がない。
それまでは、小さくてコロン、としているイメージしかなかったけれど、現実のムン・グニョンはアメンボみたいだ。
そしてハタと思ったことは、彼女は今後、舞台をこなすことで、正統派女優としての道を着実に堂々と進むのではないか?ということである。
ムン・グニョンの本格的な映画デビュー作でもあった『恋愛小説/永遠の片思い』は、ソン・イェジンの本格的な映画出演作でもあったけど、ソン・イェジンが有名になればなるほど、俳優として劣化してしまったことに比べ、ムン・グニョンは全く逆の、明るく素晴らしい未来が開けつつあるのではないか、と今回の舞台を観て、しみじみ考えてしまったのであった。
おそらく彼女が女優として正念場を迎える次の時期は三十歳前後だと思うが、テレビや映画の仕事なんて思い切ってやめちゃって、活動の中心を演劇に据えてしまうというのもアリなのではないだろうか?
オリジナルはイギリスのパトリック・マーバーの戯曲『Closer』。
2004年には映画化された作品なので観た人も多いと思う。
今回の韓国における舞台がなぜ話題かと言えば、女優ムン・グニョンの本格的な初舞台だったことだが、彼女がきわどいストリッパー役を演じていたことも大きかったのではないだろうか。
ムン・グニョンといえばまず思い出すのが『恋愛小説/永遠の片思い』であり、『薔花、紅蓮/箪笥』の幼い女の子然とした面影だが、公称では1987年生まれなので、もう二十三歳/二十四歳(2010年現在)。
月日が過ぎるのは本当に早い。
考えてみれば、今回の劇場がある場所と彼女が通っているらしい成均館大学文系キャンパスは目と鼻の先だったりする。
彼女は二十歳を過ぎたあたりから、それまでのイメージを変える努力をしていたけど、元があまりにも個性的な顔立ちなので、ちょっと損をしていた感は否めない。
なによりも「おさない」とか「かわいい」といったイメージがどうしても先だってしまい、俳優としての志向性、可能性がイマイチ伝わりにくかった。
初舞台『Closer』自体は、残念ながらノレない作品だった。
話が話なので『아트원시어터』のような規模の劇場には合わないし、演劇的な面白さもあまり感じなかった。
でも、こういった題材を映画や舞台で魅力的かつ面白く観せることができれば、それは大変な技量が必要ということでもある。
ムン・グニョン演じるアリスはのっけからミニスカートで脚を組んでの登場、それ以外にも半裸の幕が多く、挙動不審の男性客が結構目立つ。
でも、舞台上での彼女の演技はまさに基本に忠実。
余計なことはやらないし、かといって不足もなく、セリフは舌滑よく、挙動や立ち位置も的確でミスがない。
その分、アドリブやアドリブに見える芝居を求められた時、ちょっと危ないかな、という気はしたが全体的にきわめてセルフ・コントロールが一貫した演技ぶりだった。
その如才なさは演技に個性がない、という見方もできるけど、元々彼女は個性派ではないし、演出側が求めるものに柔軟に合わせることができる素養の証明かもしれない。
ただし、TVや映画だと、そういった器用さが没個性につながってしまうので、プラスに活かしにくい、というきらいはあるだろう。
現実の彼女は意外にガタイがでかくて、ヒョロヒョロしている。
顔が小さいのでわかりにくいが、共演している男優たちと、あまり背丈の差がない。
それまでは、小さくてコロン、としているイメージしかなかったけれど、現実のムン・グニョンはアメンボみたいだ。
そしてハタと思ったことは、彼女は今後、舞台をこなすことで、正統派女優としての道を着実に堂々と進むのではないか?ということである。
ムン・グニョンの本格的な映画デビュー作でもあった『恋愛小説/永遠の片思い』は、ソン・イェジンの本格的な映画出演作でもあったけど、ソン・イェジンが有名になればなるほど、俳優として劣化してしまったことに比べ、ムン・グニョンは全く逆の、明るく素晴らしい未来が開けつつあるのではないか、と今回の舞台を観て、しみじみ考えてしまったのであった。
おそらく彼女が女優として正念場を迎える次の時期は三十歳前後だと思うが、テレビや映画の仕事なんて思い切ってやめちゃって、活動の中心を演劇に据えてしまうというのもアリなのではないだろうか?
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