Vol.376 「老けたけど、それもまた良し」 / 고수 [韓国俳優]
どういう風の吹き回しか、『초능력자/超能力者』が日本で公開されたので観に行く。
このキッチュな映画の感想は他の方々にお任せするとして、つくづく思ったのは、「고수がやっぱり老けたな」ということだった。
この作品の後に公開された『고지전/高地戦』では、もっと老けていたりする。
고수を初めて知ったのはTVドラマではなく、映画初主演作『サム/썸』が2004年に韓国で公開された時だったが、関心は彼よりも、장윤현監督の久かたの作品である、ということの方だった。
当時、「고수」と言われても全くピンと来ず、知り合いの韓国人女性に尋ねたところ、当時TVドラマで人気が出ている若手、ということではあった。
キャリアを調べてみるとかなり浅いので、ちょっと意地悪く「人気があるって、ホントですか?」とシツコク追求してみると、バツが悪そうに「よく分からない」と本音が返って来る。
でも、一般の認識はそんなもんであり、それが韓国における【普通の生活】というものだろう。
この時期の고수はいろんな意味で非常に若く、映画ではヘンな髪型だったこともあってか、ちょっと特異な印象を受けた。
演技に深さや骨太さに欠けるが、筋の良さは感じさせたので、「今後、チャンスに恵まれれば伸びるんじゃないのかな~」などと思いながら映画を観ていたのだった。
しかし、何よりも一番特徴的だったのは、韓国の若者間で顕著になり始めた「草食系男子」を体現するような若いスターが登場した、ということである。
この表現が適切か否かは分からないが、いい意味で「ナヨナヨ」、ヘンにマッチョさを誇らない繊細さに、ちょっと好感を持ったのであった。
残念ながら、この『サム/썸』はあまりヒットしたとも、評判になったとも言えなかった。
だからという訳ではないだろうが、しばらく고수の姿は韓国のスクリーンから消えることになる。
それから時を経て、彼を久しぶりに観たのは、2009年の『白夜行/백야행』だったが、愕然とした。
なぜなら、彼の風貌があまりにも老けていたからである。
そのお陰で私の知人によく似ていることにも気がついた(どうでもいいけど)。
고수が兵役、というか公益勤務につき、シャバに復帰後、演劇(東崇劇場恒例のやつ)に出ていたことは聞いていたので、チャラい流行りもの芸能人から脱出する計画を実行し始めたんだろう、とは想像していたが、やっぱり、その変わり様には驚いた。
勤め先が芸能関係者が近所でひしめく某区役所、毎日家に帰れる「公益勤務」といっても、何をやっていたのか知らないので、彼の変貌ぶりがそこに影響されたのか否かはわからないけど、ぜんぜん違う人にしか見えなかったのである。
でも、よーく考えてみれば、彼が巷で最初に注目された時期は、本人の志向よりも、業界の偉い人達の意向に沿った芸能界デビューだったろうから、実は「激老け」の고수とは、本来の「地」に近いのかもしれない、とも思うのだった。
その後、コンスタントに映画俳優としてのキャリアを積み始め、日本で2012年秋公開予定の戦争大作『고지전/高地戦』に至るワケだが、この作品では「激老け」ぶりに拍車がかかり、ホント、「韓国の街角によくいる、おっさん」である(役柄上、まあ正しいワケだが)。
共演の신하균や류승수の方が、若く見えるくらいだが、歳をあらためて調べてみると、고수の方がやっぱり若かったりする。
しかし、これはこれでいいと思う。
芸能人がデビュー当時、本人の望まないイメージで売りさだれてしまい、成功しても、後々まで苦しむ、ということはよくあることだ。
それは、意欲ある人ほど苦痛な事だろう。
고수の場合、「おっさん化」したことで、役の可能性は拡がっただろうから、戦略として正しいような気もする。
これからも「とっつあん」キャラで邁進し、さらなるキャリアを目指すのも、ありなんじゃないのかな?
このキッチュな映画の感想は他の方々にお任せするとして、つくづく思ったのは、「고수がやっぱり老けたな」ということだった。
この作品の後に公開された『고지전/高地戦』では、もっと老けていたりする。
고수を初めて知ったのはTVドラマではなく、映画初主演作『サム/썸』が2004年に韓国で公開された時だったが、関心は彼よりも、장윤현監督の久かたの作品である、ということの方だった。
当時、「고수」と言われても全くピンと来ず、知り合いの韓国人女性に尋ねたところ、当時TVドラマで人気が出ている若手、ということではあった。
キャリアを調べてみるとかなり浅いので、ちょっと意地悪く「人気があるって、ホントですか?」とシツコク追求してみると、バツが悪そうに「よく分からない」と本音が返って来る。
でも、一般の認識はそんなもんであり、それが韓国における【普通の生活】というものだろう。
この時期の고수はいろんな意味で非常に若く、映画ではヘンな髪型だったこともあってか、ちょっと特異な印象を受けた。
演技に深さや骨太さに欠けるが、筋の良さは感じさせたので、「今後、チャンスに恵まれれば伸びるんじゃないのかな~」などと思いながら映画を観ていたのだった。
しかし、何よりも一番特徴的だったのは、韓国の若者間で顕著になり始めた「草食系男子」を体現するような若いスターが登場した、ということである。
この表現が適切か否かは分からないが、いい意味で「ナヨナヨ」、ヘンにマッチョさを誇らない繊細さに、ちょっと好感を持ったのであった。
残念ながら、この『サム/썸』はあまりヒットしたとも、評判になったとも言えなかった。
だからという訳ではないだろうが、しばらく고수の姿は韓国のスクリーンから消えることになる。
それから時を経て、彼を久しぶりに観たのは、2009年の『白夜行/백야행』だったが、愕然とした。
なぜなら、彼の風貌があまりにも老けていたからである。
そのお陰で私の知人によく似ていることにも気がついた(どうでもいいけど)。
고수が兵役、というか公益勤務につき、シャバに復帰後、演劇(東崇劇場恒例のやつ)に出ていたことは聞いていたので、チャラい流行りもの芸能人から脱出する計画を実行し始めたんだろう、とは想像していたが、やっぱり、その変わり様には驚いた。
勤め先が芸能関係者が近所でひしめく某区役所、毎日家に帰れる「公益勤務」といっても、何をやっていたのか知らないので、彼の変貌ぶりがそこに影響されたのか否かはわからないけど、ぜんぜん違う人にしか見えなかったのである。
でも、よーく考えてみれば、彼が巷で最初に注目された時期は、本人の志向よりも、業界の偉い人達の意向に沿った芸能界デビューだったろうから、実は「激老け」の고수とは、本来の「地」に近いのかもしれない、とも思うのだった。
その後、コンスタントに映画俳優としてのキャリアを積み始め、日本で2012年秋公開予定の戦争大作『고지전/高地戦』に至るワケだが、この作品では「激老け」ぶりに拍車がかかり、ホント、「韓国の街角によくいる、おっさん」である(役柄上、まあ正しいワケだが)。
共演の신하균や류승수の方が、若く見えるくらいだが、歳をあらためて調べてみると、고수の方がやっぱり若かったりする。
しかし、これはこれでいいと思う。
芸能人がデビュー当時、本人の望まないイメージで売りさだれてしまい、成功しても、後々まで苦しむ、ということはよくあることだ。
それは、意欲ある人ほど苦痛な事だろう。
고수の場合、「おっさん化」したことで、役の可能性は拡がっただろうから、戦略として正しいような気もする。
これからも「とっつあん」キャラで邁進し、さらなるキャリアを目指すのも、ありなんじゃないのかな?
「日本では誰が観るの?」な、超ドメステック朝鮮戦争モノ。
レプリカですが、北朝鮮軍のT34/85が遂に登場します!
レプリカですが、北朝鮮軍のT34/85が遂に登場します!
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