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Vol.484 恐怖の地下道 [韓国カルチャー]

 今では過剰な宣伝が控え目になった韓国の美容整形だが、かつては「整形前、整形後」の写真広告が、それこそ壁一面に貼られていた場所があった。
 地下鉄三号線「新沙駅」の出入口に繋がる地下道だ。

 元々、この駅周辺には美容関係の病院が集まっていたことから、その手の広告が多めだったが、行政が医療観光に力を注ぎ始めてからは、歯止めが効かないくらいエスカレートし、凄まじい光景が広がっていた。
 あまりにも醜悪なので、私は密かに「おばけ屋敷」と呼んでいた。

 だが、モデルになった女性たちがよくここまで自分を晒すことが出来たな、と実は感心もしていた。
 広告塔になることで、なんらかの見返りがあったとは思うのだが、こうも生々しい「整形前、整形後」を堂々とさらす様子には圧倒されるものがあって、壮快さすら、漂っていたのである。

 どの顔も「整形前、整形後」両方に同じような特徴があって、似通った顔立ちが多く、総じて顎と目、鼻に手を入れていた。

 顎の周辺を手術している場合、顔の輪郭が変わっているので、かなりの大手術だったことは想像に難くなく、これでは死亡者が出ても不思議ではないし、後遺症に苦しんで薬の依存症になるのもうなずける。

 目の形状には流行りみたいなものがあるらしく、綺麗に可愛く整形したのはいいものの、皆同じような形になっていて、整形モロばれ、みたいな顔。
 これでは化粧や髪型で大きくカバーしないと誰が誰だか分からなくなりそうだ。

 これらの広告は一種の「美容整形カタログ」も兼ねていて、韓国の女優やタレントには不自然な整形が多いことがよく分かったりもしてしまうのだが、個性を活かしたブサイク系やカワイイ系の台頭が目立つようになってきているのは、整形に対する批判を回避する意味があるのかもしれない。

 ただ、芸能人がある程度、美容整形に依存するのは、やもをえないことだろう。
 男優も例外ではなく、プチ整形や美顔、ハゲ隠しは普通のことだが、これは仕方ない。

 一般論として美容整形は、手術したのが分からないことに価値があると思うのだが、韓国はとにかくアピールすることと、プロセスよりも結果が第一なので、バレたとしても開き直って言い訳すれば、それでオシマイだし、成功のチャンスを得られるのなら、それもまた方法論の一つである。

 私の周辺には、露骨な美容整形を感じさせる美人も美男子もいないので、施術を受ける人たちの本音はよく分からないのだけど、韓国における美容整形とは、韓国の「見栄文化」が行き着いた一つの形とも言えるかもしれない。

shinsa2.JPG
いまは以前の面影なし。


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