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Vol.530 またこいや [韓国の食]

 ソウル・乙支路某所にある『又来屋(우래옥)』は昔から冷麺の名店として知られている。

 現在ある店舗は何年か前に新築、移転した建物で、昔はもっと建物群に埋もれた裏路地にあった(場所が分かりにくいには今も同じだが)。

 筆者が初めてここを訪れたのはもう、20年も前のことだ。

 当然、この店が掲げる冷麺屋としてのステイタスなど知るはずもなく、同行した知人のアドバイスに従ってビビン冷麺を食べたが、年配の日本人団体客が居て、ひたすら下品に「骨付きカルビ!、骨付きカルビ!」と騒いでいたことばかりが印象に残っている。

 ここ数年、冷麺食べ歩きが楽しみの一つになった筆者は、どんな味だったか思い出そうと、在韓日本人の知人を誘って、久しぶりに又来屋を訪れた。

 当然のことながら、以前とは全く違う装いになっている。
 だが、よくあるへなちょこな韓国現代建築ではなく、昔の雰囲気が漂う懐かしい様式の低層ビルだ。

 中はまるでホテルのロビー、コーヒーカウンターがあったりして、座席が空くのを待っている家族連れが大勢いる。
 皆、それなりに裕福そうだ。
 多分、中流以上の人たちが多いのかもしれない。

 内装は豪華で、ちょっと独特だ。
 昔の韓国でよく見かけたようなインテリア・デザインになっていて、日本でいえば40年以上前に都市部で見かけたような懐かしさが漂う。

 係の案内に従って席につく。
 従業員教育は徹底しているようで、これまた、お高いホテルの如く。
 料理の値段は当然高く、どちらかといえば特別な日に来るような店であり、観光客が酔ってくだ巻くような大衆店ではない。
 だが、その韓国的というか、「朝鮮的ツンデレさ」が逆によかったりする。
 ソウル市庁近くにある平壌式冷麺を出す某有名店が、デレデレに外国人観光客向けの店として特化していることと対称的だ。
 『又来屋』の「朝鮮的ツンデレさ」とは、創始者&経営者側のこだわりなんだろう。

 高級店にかかわらず、前払い制なのは意表を突かれるが、客の回転を考えた上でのことかもしれない。
 周りを見渡すと日曜ということもあるのだろうけど、プルコギを注文している客が目立つ。
 筆者はプルコギ嫌いなので進んで食べることはまずないけど、ここだったら一度食べてもいいかな、などと考える。

 注文後しばらくして、冷麺(ムルネンミョン)が運ばれてきた。
 量が結構あるから値段相応かな?

 麺はおとなしい感じで特に際立った感じはないが、日本人には馴染みやすい味、スープも上品でくどくない。
 ただ、温麺で食べた方が、ここの麺玉は旨味が活きそうな気もする。

 日本で韓国の温麺はポピュラーではないが、上品な「とんこつラーメン」といった気がしないでもなく、個人的にはおすすめだ。

 今回、気になったのは冷麺に載った白菜の漬物である。
 おそらくキムチの一種なのかもしれないが、これが非常に不味い。
 千切りになっているので食感が悪くなっていることもあるが、麺とスープに全然あっていない。

 この「又来屋」に来ることは当分ないとは思うけど、ソウルで平壤式冷麺食べるなら、筆者はやっぱり「乙支路麺屋」の方かな?

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これも写真を忘れました…

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