Vol.534 2016年 謹賀新年 [韓国と関係ない話]
2016年 明けましておめでとうございます。
最近滞り気味の本ブログですが、実は、約15年に渡って続いてきた韓国絡みの問題が一つ解決したため、2014年度を以って、とりあえず韓国との関係はお休みとしました。
奇しくも、韓流ブームの反動から来たかのような「嫌韓・反韓ブーム」が時期的に重なったのは全くの偶然ですが、これもまた、「神の見えざる手」なのかもしれません。
不定期ではありますが、時々更新する予定ですので、今年度もよろしくお願い申し上げます。
2016年吉日
さるすべり拝
Vol.416 アブサントの味 『Absinthe Hamlet Hardcore Green』 [韓国と関係ない話]
趣味の悪いドクロのボトル、ギラギラした怪しい緑色の液体、これみよがしなラベル。
今回紹介するオーストリアの“Absinthe Hamlet Hardcore Green”は、現在におけるアブサントを巡るマーケティングを一つの形に集約したような製品だ。
アブサントが解禁された途端、色々な国で多くの製品が作られ販売が始まったが、一パターンとして存在するのが「アブサント=キワモノ」という路線である。
過度なアルコール度数に、奇天烈な製品名、そして異常な色合いと、「危なさ」で売っているのが特徴だ。
だが、結局そういうパターンはすぐに飽きられるし、大体この手のキワモノ路線はお酒として大したことがない、というのが私の印象である。
“Absinthe Hamlet Hardcore Green”もその法則から残念ながら外れていない。
この製品は緑バージョンの他に、黒、赤、青のボトル(お酒の色が異なる)があるから、バーカウンターにおけるアクセサリとしての見栄えを考慮して開発された製品かもしれない。
味の方も色によって違うはずなので、興味ある方は集めて見るのも悪くないが、そこまでやる気も起きない、というのが正直な感想である。
今回紹介するオーストリアの“Absinthe Hamlet Hardcore Green”は、現在におけるアブサントを巡るマーケティングを一つの形に集約したような製品だ。
アブサントが解禁された途端、色々な国で多くの製品が作られ販売が始まったが、一パターンとして存在するのが「アブサント=キワモノ」という路線である。
過度なアルコール度数に、奇天烈な製品名、そして異常な色合いと、「危なさ」で売っているのが特徴だ。
だが、結局そういうパターンはすぐに飽きられるし、大体この手のキワモノ路線はお酒として大したことがない、というのが私の印象である。
“Absinthe Hamlet Hardcore Green”もその法則から残念ながら外れていない。
この製品は緑バージョンの他に、黒、赤、青のボトル(お酒の色が異なる)があるから、バーカウンターにおけるアクセサリとしての見栄えを考慮して開発された製品かもしれない。
味の方も色によって違うはずなので、興味ある方は集めて見るのも悪くないが、そこまでやる気も起きない、というのが正直な感想である。
(味)
香りはよくあるアブサントだが、少しニッキ臭い。
口に含むとどことなく浅田飴のよう、ピリピリして尖った味だ。
フィニッシュの伸びはなく、ガムを噛みすぎた時のような変な苦味が残る。
「度数80%」と表記してありますが軽い口当たりです。
ストレートでも飲めるが、味のバランスが悪いので常温二倍弱程度に薄めた方が率直に楽しめそう。
苦味は増すがそれほど不味くはない。
ちなみに加水すると少し白濁する。
ロックで飲んでもいいかもしれない。瓶のデザインはコケおどし…
Vol.400 アブサントの味 “Absinthe Deva 70” [韓国と関係ない話]
初めてスペインの“Deva Absinthe”や“Absinthe Serpis 65”を飲んだ時、その謙虚な美味しさに感動した私は、「実はスペイン製が一番美味しいのでは?」と、勝手に思い込んでいた。
スペイン製アブサントは基本的に日本へ輸入されていないので、口にする機会が少なく、飲み比べも難しいという事情もあるが、定番のフランス、スイス、チェコのアブサントと明らかに異なる個性を持ったスペイン製アブサントには、いつも期待させられる。
そういう訳で胸をときめかせつつ、取り寄せた“Absinthe Deva 70”の封を切ったわけなのだが、一口目(お酒はこれが重要です)の印象は「…?あんまり美味しくない~」であった。
いやいや、決して不味くはないのだが、他の製品に比べると某ハーブ臭(スペインだからキャラウェイ?)がかなり感じられ、巷で売られている安いアニス酒みたいで、ちょっとガッカリ。
でも、日本で南仏料理が「おっしゃれ~」と持て囃された時代、フランス製安物アニス酒にハマった人には悪くないかも?
スペイン製アブサントは基本的に日本へ輸入されていないので、口にする機会が少なく、飲み比べも難しいという事情もあるが、定番のフランス、スイス、チェコのアブサントと明らかに異なる個性を持ったスペイン製アブサントには、いつも期待させられる。
そういう訳で胸をときめかせつつ、取り寄せた“Absinthe Deva 70”の封を切ったわけなのだが、一口目(お酒はこれが重要です)の印象は「…?あんまり美味しくない~」であった。
いやいや、決して不味くはないのだが、他の製品に比べると某ハーブ臭(スペインだからキャラウェイ?)がかなり感じられ、巷で売られている安いアニス酒みたいで、ちょっとガッカリ。
でも、日本で南仏料理が「おっしゃれ~」と持て囃された時代、フランス製安物アニス酒にハマった人には悪くないかも?
(味)
アブサント独特の香りが濃厚で、上品な淡いグリーン、見た目は美しい。
後味は濃く、砂糖のような甘さもあるが、粘ついた感じはない。
アルコール度数が高いので、風味にキツイ部分があり、こなれた味とは言い難い(若いモルト・ウィスキーに似ている)。
この手のお酒を飲み慣れた人はストレートでいけるが、ミネラルウォーターと交互に飲んだほうがいい。
水割りは配分が難しく、薄めすぎると安っぽいアニス酒風になってしまうし、濃すぎると、どうも飲みにくい。
ちょっと、じゃじゃ馬かも…
Vol.386 アブサントの味/La maison fontaine [韓国と関係ない話]
このアブサントは、フランスのアブサント酒である。
まず、瓶が美しい。
無駄な装飾を省いた透明なボトルに、シンプルなアブサントをかたどったイラストが描かれているだけだ。
私が購入した一番の理由は、そのシンプルな美しさにあった。
グラスに注いでみれば、これまた見事なくらいの透明さだが、やや粘り気も感じる。
香り高いが、特に際立ったものはない。
口に含めば、これもよくある透明系アブサント酒の味だが、非常に上品な甘さが漂い、ストレートでも十分行けそうだ。
だが、独特な風味がある。
分かりやすく例えれば、ゴボウみたいな味である。
そして、どちらかといえば、スイス系アブサント酒の味だ。
フランスのどこで作っているのか、はっきり分からないが、醸造所はジュラ山脈の麓にあるらしい。
そういえば「ジュラ山脈」って、フランスとスイスの国境に位置していたような…
ある銘酒を思い出す。
そう、日本でも有名なKublerのアブサント酒だ。
あそこまで個性的ではないけれど、このゴボウ臭さこそ、地域独特の味わいなのだろうか?
まず、瓶が美しい。
無駄な装飾を省いた透明なボトルに、シンプルなアブサントをかたどったイラストが描かれているだけだ。
私が購入した一番の理由は、そのシンプルな美しさにあった。
グラスに注いでみれば、これまた見事なくらいの透明さだが、やや粘り気も感じる。
香り高いが、特に際立ったものはない。
口に含めば、これもよくある透明系アブサント酒の味だが、非常に上品な甘さが漂い、ストレートでも十分行けそうだ。
だが、独特な風味がある。
分かりやすく例えれば、ゴボウみたいな味である。
そして、どちらかといえば、スイス系アブサント酒の味だ。
フランスのどこで作っているのか、はっきり分からないが、醸造所はジュラ山脈の麓にあるらしい。
そういえば「ジュラ山脈」って、フランスとスイスの国境に位置していたような…
ある銘酒を思い出す。
そう、日本でも有名なKublerのアブサント酒だ。
あそこまで個性的ではないけれど、このゴボウ臭さこそ、地域独特の味わいなのだろうか?
-さるすべり流“La maison fontaine”飲み方-
まずはストレート。
水で割ると白濁するが、そこまで行かない程度に留めておく方がいいと思う。
上品な甘さとゴボウ風味が特徴なので、ロックや砂糖を混ぜることは薦めない。
ちなみに「胡瓜」を入れると美味しいとのことだが、やってみても、単なるアブサントの胡瓜割りである。
日本の胡瓜じゃ、だめなのかな??
Vol.384 アブサントの味/Absinthe Bairnsfather Bitter [韓国と関係ない話]
「Bitter」な味わいと言えば、ゴッホ印ゴールド・ラベルの悪夢を思い出す。
だから、この「Absinthe Bairnsfather Bitter」も、「もしや」と、やや覚悟してグラス注ぎ、飲んでみる。
「あれ…」
それは予想を覆す、オーソドックスで「普通の味」だった。
香りも風味も大人しく、枯れ草色の液体は、「ナチュラル」という形容がよく似合う。
奇態な個性は全くないが、若草を感じさせる香りが心地よく、味わいも奥深くで、絵に描いたような、飲みやすいアブサント酒なのであった。
ミントやアニスの風味がないところもいい。
そして、紅茶や緑茶の香りを連想させ、心地良い苦味が口の中に拡がる。
そうだ、これは「Czech Absinth Strong」(※)の、かつての味わいではないか。
「Czech Absinth Strong」は数年くらい前から、大雑把な味になってしまった、という印象が否めないのだが、「Absinthe Bairnsfather Bitter」には、「Czech Absinth Strong」を初めて飲んだ時の感動があったのだ。
その普通過ぎる味わいこそ、本格的なアブサント酒の入門にぴったり、リッター瓶で入手できる、という点でも、お薦めの一品かもしれない。
(※)「Czech Absinth Strong」は「Sebor Strong」のパチもんということで、芳しくない評判もありますが、以前は、それなりにいいお酒だったことは、主張しておきたいです。
だから、この「Absinthe Bairnsfather Bitter」も、「もしや」と、やや覚悟してグラス注ぎ、飲んでみる。
「あれ…」
それは予想を覆す、オーソドックスで「普通の味」だった。
香りも風味も大人しく、枯れ草色の液体は、「ナチュラル」という形容がよく似合う。
奇態な個性は全くないが、若草を感じさせる香りが心地よく、味わいも奥深くで、絵に描いたような、飲みやすいアブサント酒なのであった。
ミントやアニスの風味がないところもいい。
そして、紅茶や緑茶の香りを連想させ、心地良い苦味が口の中に拡がる。
そうだ、これは「Czech Absinth Strong」(※)の、かつての味わいではないか。
「Czech Absinth Strong」は数年くらい前から、大雑把な味になってしまった、という印象が否めないのだが、「Absinthe Bairnsfather Bitter」には、「Czech Absinth Strong」を初めて飲んだ時の感動があったのだ。
その普通過ぎる味わいこそ、本格的なアブサント酒の入門にぴったり、リッター瓶で入手できる、という点でも、お薦めの一品かもしれない。
-さるすべり流“Absinthe Bairnsfather Bitter”の飲み方-
ワンショットグラスで、まずはストレート。
後は風味を損ねない程度に、軟水を常温でちょっとだけ入れて、チビリとやる。
なお、加水しても白濁せず、二倍程度に薄めても味を損ねないので、やや薄めで攻めるのもよし。
砂糖は入れず、素材の苦味を率直に楽しみたい。
(※)「Czech Absinth Strong」は「Sebor Strong」のパチもんということで、芳しくない評判もありますが、以前は、それなりにいいお酒だったことは、主張しておきたいです。
Vol.381 アブサントの味/Serpis Absinth [韓国と関係ない話]
最近、どこのアブサント酒が美味しいか考える時、実はスペイン産が一番美味しいかも?とちょっと考えている。
スペインはチェコと並んで、一律のアブサント禁令に従わなかった国として有名だが、ほとんど日本には輸入されておらず、口にする機会はあまりない。
でも、好きな人達は個人輸入で仕入れて飲んでいる。
今回の「Serpis Absinth」は、そんなアブサント好きから、高評価を得ているお酒である。
といっても、決して高級なわけではなく、リッター瓶でも安いので、現地では普通のお酒なんだろうと思う。
ややオレンジがかった、真っ赤なアルコール度数65%の液体は、一見ヤバそうにも思えるが、ドギツい色合いはアブサンとのお約束。
飲んでみると、表向きの印象とは全く別で、穏やかで軽やか、非常に上品な味だ。
そして、微かにベリー系の香りがする。
ストレートで飲んでも、キツさは全くなく、デロッとした甘さもなくで、バランスがいい。
アニス成分の保有率も高くはないようで、少し水で割ったくらいでは白濁しない。
同じ系統にアニスを含まない兄弟分も存在する。
うーん、これは美味しいね。
遅ればせながら、なにやら新定番になりそうなアブサント酒なのであった…
スペインはチェコと並んで、一律のアブサント禁令に従わなかった国として有名だが、ほとんど日本には輸入されておらず、口にする機会はあまりない。
でも、好きな人達は個人輸入で仕入れて飲んでいる。
今回の「Serpis Absinth」は、そんなアブサント好きから、高評価を得ているお酒である。
といっても、決して高級なわけではなく、リッター瓶でも安いので、現地では普通のお酒なんだろうと思う。
ややオレンジがかった、真っ赤なアルコール度数65%の液体は、一見ヤバそうにも思えるが、ドギツい色合いはアブサンとのお約束。
飲んでみると、表向きの印象とは全く別で、穏やかで軽やか、非常に上品な味だ。
そして、微かにベリー系の香りがする。
ストレートで飲んでも、キツさは全くなく、デロッとした甘さもなくで、バランスがいい。
アニス成分の保有率も高くはないようで、少し水で割ったくらいでは白濁しない。
同じ系統にアニスを含まない兄弟分も存在する。
うーん、これは美味しいね。
遅ればせながら、なにやら新定番になりそうなアブサント酒なのであった…
-さるすべり流飲み方-
ストレートあるのみ。
水で割る場合は、常温の軟水を、心持ち入れるだけにした方がよい。
白濁するまで入れてしまうと、下品でお安い味になってしまう。
Vol.362 アブサントの味/La FEE - XS Absinthe Francaisee [韓国と関係ない話]
今回紹介する「La FEE - XS Absinthe Francaise」は、その名の通り、フランスの東側、スイス国境に近い街Pontarlierで作られている地酒的なアブサントらしい。
だが意外と素朴で、奇をてらった感じは薄い。
個人的にフランスのアブサントは変に凝りすぎていて、歪な印象があるのだけど、これは逆におとなしすぎるかもしれない。
見た目はほのかに枯れ草色をしているが、ほとんど無色だ。
香りには穏やかで、アルコール臭はあまり感じられず、二段階くらいの変化がある。
原酒を口に含むと、ピリピリ感あるが、これはアルコール度数(68%)によるものだろう。
それを考えると、ソフトで大人しい。
だが腰は強い。
その代わり、風味は弱く、刺激は少なく、やや物足りなくもある。
熟成させたお酒に共通するまろやかさがある反面、個性は弱めで、あくまでもお上品であり、フィニッシュも物足りない気がする。
そして、スイスのキューブラと共通する独特の風味がある。
アニスが入っていないためか、水で割っても白濁しない。
それよりも、薄めると、ベースになっているスピリッツの辛さだけが一層、表に出てくる感じだ。
そしてフィニッシュに妙な苦味が感じられるようになるが、アブサントの苦味と言うより、ミント系の苦味に似ている。
玄人好みの微妙なアブサントといった趣である。
だが意外と素朴で、奇をてらった感じは薄い。
個人的にフランスのアブサントは変に凝りすぎていて、歪な印象があるのだけど、これは逆におとなしすぎるかもしれない。
見た目はほのかに枯れ草色をしているが、ほとんど無色だ。
香りには穏やかで、アルコール臭はあまり感じられず、二段階くらいの変化がある。
原酒を口に含むと、ピリピリ感あるが、これはアルコール度数(68%)によるものだろう。
それを考えると、ソフトで大人しい。
だが腰は強い。
その代わり、風味は弱く、刺激は少なく、やや物足りなくもある。
熟成させたお酒に共通するまろやかさがある反面、個性は弱めで、あくまでもお上品であり、フィニッシュも物足りない気がする。
そして、スイスのキューブラと共通する独特の風味がある。
アニスが入っていないためか、水で割っても白濁しない。
それよりも、薄めると、ベースになっているスピリッツの辛さだけが一層、表に出てくる感じだ。
そしてフィニッシュに妙な苦味が感じられるようになるが、アブサントの苦味と言うより、ミント系の苦味に似ている。
玄人好みの微妙なアブサントといった趣である。
‐さるすべり流飲み方‐
原酒7に対して軟水3程度。
でもストレートの方が、ぴりぴり感が低いような気がする。
砂糖(三温糖など)を一かけら加えるといいかもしれないが、間違ってもスプーンの上で火を付けてかき混ぜないように。
あれは邪道な飲み方だと思う。
Vol.351 アブサントの味/La FEE - XS Absinthe Suisse [韓国と関係ない話]
目玉ラベルに真っ青な怪しい瓶。
だが、高級な雰囲気も漂わす。
スイス・スタイルのアブサントは、辛くアニスの香りが強い、という印象が私にはあるけれど、このお酒はそのイメージをそのまま絵に描いたようなアブサント酒かもしれない。
封を切ると強いアニス臭が漂い、口に含むとかなりピリピリした辛味が口に広がる。
最初は、アブサント特有の苦味をあまり感じないけど、やがて舌の奥に甘みと共に苦味が甦るように残り、そのフィニッシュはかなり長い。
そして喉元を過ぎて少し経つと、口の中と唇の辺りに、あのアブサント特有の風味が残る。
水を入れるとあっという間に白濁するので、かなりアニス成分が含まれているのだろう。
ということは、その手の味が苦手な人には向かない味だ。
“Artemisia Absinthe Capricieuse”なんかと同じ系統の味だが、こっちの方がスパイシーでヒリヒリする。
おつまには、なにが合うかな、なんて考えるが、ここまで辛味が強いと、そのアクの強さをストレートに楽しんだ方が正解かもしれない。
だが、高級な雰囲気も漂わす。
スイス・スタイルのアブサントは、辛くアニスの香りが強い、という印象が私にはあるけれど、このお酒はそのイメージをそのまま絵に描いたようなアブサント酒かもしれない。
封を切ると強いアニス臭が漂い、口に含むとかなりピリピリした辛味が口に広がる。
最初は、アブサント特有の苦味をあまり感じないけど、やがて舌の奥に甘みと共に苦味が甦るように残り、そのフィニッシュはかなり長い。
そして喉元を過ぎて少し経つと、口の中と唇の辺りに、あのアブサント特有の風味が残る。
水を入れるとあっという間に白濁するので、かなりアニス成分が含まれているのだろう。
ということは、その手の味が苦手な人には向かない味だ。
“Artemisia Absinthe Capricieuse”なんかと同じ系統の味だが、こっちの方がスパイシーでヒリヒリする。
おつまには、なにが合うかな、なんて考えるが、ここまで辛味が強いと、そのアクの強さをストレートに楽しんだ方が正解かもしれない。
(さるすべり流の飲み方)
お酒1に対して常温の軟水を0.7程度。
もしくはストレートでちびちびと口に含んで、フィニッシュを楽しもう。
個性は強いが、繊細なので、飲み方は結構難しいかも。
Vol.325 謹賀新年 [韓国と関係ない話]
2010年12月30日三成洞COEXにて
2010年は厳しい状況ながら、なんとかこのブログを続けることができました。
年の暮れに深刻な病が見つかり、ちょっと気が滅入っていますが、それなりに新しい人たちとの出会いにも恵まれて、2011年もブログをなんとか続けて行ければと願っています。
私の掲載する記事は減る一方ですが、ツイッターなんかでリアルタイムに韓国映画情報を流す人たちはこれからもどんどん増えるでしょう。
そろそろ、私のやっていることは終焉を迎えつつあるのかもしれません…
(ツイッターはやらないなう)
皆様に福が訪れますように。
Vol.316 映画とは呼吸を合わせるエロスな行為なのかもしれない『ヘブンズストーリー』 [韓国と関係ない話]
去る11月3日、渋谷のユーロスペースに映画を観に行く。
目的は瀬々 敬久監督作品『ヘブンズストーリー』だ。
実は東京での公開は11月5日まで、休日最後の上映である。
なにせ上映時間4時間38分、つまり劇場には5時間越えの缶詰になるわけだから、なかなか踏ん切りがつかず、とうとう、実質的な最終日に参上とあいなってしまった。
映画というものは不思議なもので「呼吸」が合えば、疲れていようと眠たかろうと、全然睡魔に襲われたりはしない。
かつて、ベルナルド・ベルトルッチ作品『1900年』や小林 正樹作品『人間の條件』のイッキ観やったことがあるけれど、面白過ぎて、逆にハイになってしまったくらいであった。
ただし、今回は瀬々作品、観る側としてテンションが維持できるか、ちょっと自信がなかった。
当日、どうせバカ混みだろうとかなり早めにチケットを切ってもらって、近所のカフェで寝ていたが、やっぱり私のように慌てて飛び込みで来た人が多かったのか、劇場は満席だったので、ラッキー。
上映会場がスペース2の方だったのも運が良かった。
スペース1の方だったら、かなりの苦行と化していたはず。
さて、肝心の作品の方だが、過酷な約5時間ではあったものの、観終えると映画的快楽に満ちた5時間でもあった。
『ヘブンズストーリー』は、ノーテンキなエンタティメントではないし、釈然としない部分、ノレない部分もたくさんあって、決して手放しでは賞賛できない作品ではあったけど、それらのマイナス点を超えてなによりも感動的だったのは、作り手側の呼吸と観る側の呼吸が合わさって初めて生まれる静かな熱気が劇場内に満ちていたことだった。
どういう訳か途中で空調が止められてしまい、物理的に劇場が酸欠&高温状態だったこともあるけれど、文字通り、熱気がムンムン、こんなに一体感溢れた映画的経験は久しぶりだった。
韓国映画の監督インタビューでは「観客と息を合わせる」といった意味の言葉が時々出てくるけど、まさにそれを実地で行くひとときだった。
この『ヘブンズストーリー』で素晴らしいのは、まず、何気ない風景が生み出す映像美だろう。
「既在するもので美を作る」その手法には、まだまだ、大きな価値があることを気付かせてくれる。
そして、もう一つの魅力は、お茶の間で全くお馴染みではない俳優たちが醸し出す「表情」の良さだ。
この映画に確固たる主人公はいないが、サトを演じた若き女優、寉岡 萌季(つるおか もえき)が傑出して素晴らしい。
撮影当時は、おそらく16歳から17歳くらいだったこともあるだろうけど、その独特の屈折した暗さ、狂気をはらんだ不安定さは、ティーンエイジ特有の暗黒オーラ全開で、おそらく彼女にとって一世一代の壮絶演技だったのかもしれない。
寉岡 萌季は美人でもないし、可愛いわけでもないし、演技も上手いのかヘタなのか、よくわからないレベルだけど、全てがプラスのベクトルに働いて、彼女を輝かせる。
おそらく、『ヘブンズストーリー』は寉岡 萌季にとって一生の財産になるだろうし、彼女が今後、女優を続けるとしても、この作品のサト役は超えられないかもしれない。
かつての岩井 俊二作品『スワロウテイル』における伊藤 歩、ソン・イルゴン作品『羽根/깃』のイ・ソヨン(이소연)が見せた、唯一無二、今の彼女たちでは絶対無理な輝きを思い出してしまうのだった。
そして更に驚いたのが、この映画の感性、そして視点が、『密陽』以降(つまり『詩』も含んだ)のイ・チャンドン作品にうりふたつだったことだろう。
もちろん、内容は全然異なるのだけど、映画的遺伝子というものがあるとすれば、瀬々 敬久とイ・チャンドンはまるで双子のよう、前世のどこかで深い因縁があったんじゃないの?と考えてしまった。
だから、『密陽』や『詩』が好きな人にとって『ヘブンズストーリー』はまさにストライクゾーンの作品であり、逆もまた然りなのではないだろうか(でも、私は『密陽』や『詩』の否定派です、あしからず)。
緊張感を強いられる5時間を終えて、ふらふら状態で劇場ロビーに出ると、さらにサプライズが待っていた。
なんと、山崎 ハコがいて、みんなに挨拶をしている。
そしてダンディな瀬々 敬久監督の姿も。
だが、愉快なのは、観客が誰も彼らに話しかけないことだ。
でも、それもまた、ユーロスペースらしい光景であって、この劇場に相応しい観客としての仁義だったのかもしれない。
目的は瀬々 敬久監督作品『ヘブンズストーリー』だ。
実は東京での公開は11月5日まで、休日最後の上映である。
なにせ上映時間4時間38分、つまり劇場には5時間越えの缶詰になるわけだから、なかなか踏ん切りがつかず、とうとう、実質的な最終日に参上とあいなってしまった。
映画というものは不思議なもので「呼吸」が合えば、疲れていようと眠たかろうと、全然睡魔に襲われたりはしない。
かつて、ベルナルド・ベルトルッチ作品『1900年』や小林 正樹作品『人間の條件』のイッキ観やったことがあるけれど、面白過ぎて、逆にハイになってしまったくらいであった。
ただし、今回は瀬々作品、観る側としてテンションが維持できるか、ちょっと自信がなかった。
当日、どうせバカ混みだろうとかなり早めにチケットを切ってもらって、近所のカフェで寝ていたが、やっぱり私のように慌てて飛び込みで来た人が多かったのか、劇場は満席だったので、ラッキー。
上映会場がスペース2の方だったのも運が良かった。
スペース1の方だったら、かなりの苦行と化していたはず。
さて、肝心の作品の方だが、過酷な約5時間ではあったものの、観終えると映画的快楽に満ちた5時間でもあった。
『ヘブンズストーリー』は、ノーテンキなエンタティメントではないし、釈然としない部分、ノレない部分もたくさんあって、決して手放しでは賞賛できない作品ではあったけど、それらのマイナス点を超えてなによりも感動的だったのは、作り手側の呼吸と観る側の呼吸が合わさって初めて生まれる静かな熱気が劇場内に満ちていたことだった。
どういう訳か途中で空調が止められてしまい、物理的に劇場が酸欠&高温状態だったこともあるけれど、文字通り、熱気がムンムン、こんなに一体感溢れた映画的経験は久しぶりだった。
韓国映画の監督インタビューでは「観客と息を合わせる」といった意味の言葉が時々出てくるけど、まさにそれを実地で行くひとときだった。
この『ヘブンズストーリー』で素晴らしいのは、まず、何気ない風景が生み出す映像美だろう。
「既在するもので美を作る」その手法には、まだまだ、大きな価値があることを気付かせてくれる。
そして、もう一つの魅力は、お茶の間で全くお馴染みではない俳優たちが醸し出す「表情」の良さだ。
この映画に確固たる主人公はいないが、サトを演じた若き女優、寉岡 萌季(つるおか もえき)が傑出して素晴らしい。
撮影当時は、おそらく16歳から17歳くらいだったこともあるだろうけど、その独特の屈折した暗さ、狂気をはらんだ不安定さは、ティーンエイジ特有の暗黒オーラ全開で、おそらく彼女にとって一世一代の壮絶演技だったのかもしれない。
寉岡 萌季は美人でもないし、可愛いわけでもないし、演技も上手いのかヘタなのか、よくわからないレベルだけど、全てがプラスのベクトルに働いて、彼女を輝かせる。
おそらく、『ヘブンズストーリー』は寉岡 萌季にとって一生の財産になるだろうし、彼女が今後、女優を続けるとしても、この作品のサト役は超えられないかもしれない。
かつての岩井 俊二作品『スワロウテイル』における伊藤 歩、ソン・イルゴン作品『羽根/깃』のイ・ソヨン(이소연)が見せた、唯一無二、今の彼女たちでは絶対無理な輝きを思い出してしまうのだった。
そして更に驚いたのが、この映画の感性、そして視点が、『密陽』以降(つまり『詩』も含んだ)のイ・チャンドン作品にうりふたつだったことだろう。
もちろん、内容は全然異なるのだけど、映画的遺伝子というものがあるとすれば、瀬々 敬久とイ・チャンドンはまるで双子のよう、前世のどこかで深い因縁があったんじゃないの?と考えてしまった。
だから、『密陽』や『詩』が好きな人にとって『ヘブンズストーリー』はまさにストライクゾーンの作品であり、逆もまた然りなのではないだろうか(でも、私は『密陽』や『詩』の否定派です、あしからず)。
緊張感を強いられる5時間を終えて、ふらふら状態で劇場ロビーに出ると、さらにサプライズが待っていた。
なんと、山崎 ハコがいて、みんなに挨拶をしている。
そしてダンディな瀬々 敬久監督の姿も。
だが、愉快なのは、観客が誰も彼らに話しかけないことだ。
でも、それもまた、ユーロスペースらしい光景であって、この劇場に相応しい観客としての仁義だったのかもしれない。