Vol.236 2009ロスト・メモ…じゃなくて、あけましておめでとうございます [韓国と関係ない話]
このブログを読んで下さっている皆様、時々読んでくださる皆様、そして初めて読まれる皆様。
慎んで新年のご挨拶を申し上げます。
本年もどうぞ、よろしくお願い致します。
2009.1/7 さるすべり
Vol.199 アブサントの味⑥ [韓国と関係ない話]
日本に輸入されているフランス製アブサントは無難な味のものが多く、入手は容易でもあまり続けて飲みたいと思わないものが多いのだけど、この“Versinthe La Blanche Absinthe”はその中での数少ない、私の定番だ。
決していつでもどこで売っているわけではないし、値段もそれほど安くはない。
でも、日本で手にはいるアブサントの中では供給が安定している方で、ツヨン濃度が日本で入手できる商品の中で最も高いといわれており、そのせいか、口当たりはかなり辛い。
でも、その刺激は快く、ジンなどのハードリカーが好きな人にはたまらないだろう。
逆に「リキュール好き!」な人には過激すぎて敬遠されるかもしれない。
成分の問題か、日本では一般的なスピリッツの扱いをされてはいるが、味は立派なリキュール。
味はオレンジピール系の香りがやや強いが、自然な甘みで口元がべとつかない。
ニガヨモギ特有の味も、巧みに隠されていて、わかる人にははっきりわかると思う。
アニス成分も結構強いが、それをあまり感じさせないのがいいところで、安っぽくない。
加水すると濁るし、氷を入れると油成分らしきものが凝固するので、基本的にはストレートでやっつけたい酒だ。
白系アブサントとしてはより本格的な“Artemisia Absinthe”が日本に入っている今、ちょっと影が薄くなってきてしまった“Versinthe La Blanche Absinthe”ではあるが、価格と入手の容易さでは、お勧めできる一本である。
なお、姉妹商品として“Versinthe Absinthe”があり、こちらの方が味は優しく、一般的なアブサントのイメージに近いもしれず、値段も比較的お安いので、初めて飲む人には、“Versinthe Absinthe”の方がいいと思う。
Vol.189 アブサントの味⑤ [韓国と関係ない話]
『チェコ・アブサント・ライム』と表記していましたが、『チェコ・アブサント・レモン』の間違いでした(TㅆT)。ごめんなさーい。
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最近、円高ということで、日本のマスコミは大騒ぎ。
でも、せっかくの機会だと思い、以前から気になっていたチェコ・アブサント(Czech Absinth)の新製品(といってもだいぶ前に発売されたものだが)、チェコ・アブサント・レモン(Czech Absinth Limet)を注文する。
今回は特に問題も無く到着、さっそく封を切ってみる。
アルコール度数は57%と、スタンダード版チェコ・アブサント(60%)より若干低めの設定だ。
その分、レモン果汁が加味されているのかと思うのだが、味は意外にあまり変りない感じだ。
かすかにレモンの香りと味を感じるものの、それよりもアブサントの風味の方がはるかに強くて、ほんの隠し味、といったところ。
ただ、アルコール度数3%の違いか、心なしか、味は優しい感じがする。
レモンのような柑橘系果実は、お酒の材料によく使われるものだが、実はけっこう個性が強くて、扱いが難しいのではないかと思う。
ハードリカー系カクテルにはお馴染みではあるが、自分でいざやってみると、お酒の味を壊してしまうか、まったくレモンの風味が感じられないか、のどちらかで、配分が難しい気がする。
このお酒の場合も、レモンの味は、相性がいまいちな気がした。
もう少しレモン由来の味が強くてもいいのではないかとも思うが、それをやってしまうとアブサント酒としてのバランスを損なってしまうのかもしれない。
このチェコ・アブサント・レモンを飲んでいて気になったのが、スタンダード版の魅力である蜂蜜の風味が感じられないことだ。
そこら辺のレシピ配分はどうなっているのかわからないが、味自体はけっこう甘いので、レモン果汁が相殺している可能性もある。
なお、このレモンとスタンダード版、どちらをお勧めするかといえば、間違いなく後者。
残念ながら、このレモン、あえて飲むほどの個性はない、というのが正直な感想だった。
なお、両者とも価格は同じ、直接E-SHOPで購入すると49EURもしくは$69、パックで買うとさらに安くなる。
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さるすべり式チェコ・アブサント・レモンの飲み方
●水割りは原酒1に対して常温の軟水を1~2程度。こうするとレモン風味と原酒の持ち味がよく出て来る。基本的には冷やさない方がいいと思う。
ちなみに、アブサントといえば、角砂糖を燃やして混ぜる方法がメジャーだが、おそらく、酒の質が悪かった頃の名残ではないか?
Vol.183 アブサントの味④ [韓国と関係ない話]
ALC72%のカプリシューズ(CAPRICIEUSE)を購入するが、かなりお高い。
スイスは、蒸留酒が異常に高い。
輸入品であることを差し引いても、かなりの値段だ。
ま、それはいいとしてさっそく開けてみる。
店頭のPOPでは「専門家大感激!」とかで、賞賛の嵐。
でも、実際はどうだろう?
一口目の感想。
「アルコール度数の割にはスムーズで柔らかい…」
二口目の感想。
「アニスとオレンジピールの味がちょっと強い…」
三口目の感想。
「香り、味とも上品だが、なんか面白みがない味だな…」
試しに加水してみる。
みるみる白濁した。
ということは、やはりアニス成分がかなり含まれている、ということか…
この白く濁るのが好き!という人も多いのだけど、私は逆。
どうも、ラクとかウゾとか、くそまずいペルノーだとかを連想し、安っぽくて好きではない。
結論として、たまに飲んでもいいけれど、血眼になって探すほどの味ではない、と思った。
比較的入手が容易なヴェルサント・ラ・ブランシェ(Versinthe La Blanche )とあんまり格差がないような気がする。
もちろん、お酒としてはARTEMISIAの方が上であることは飲んでいてわかるのだが、極端な差、というものがどうしても感じられないし、コストパフォーマンスの点でも、ヴェルサントは約半分の価格だ。
けっして悪い酒ではないが、ちょっとガックリ、というのが正直な感想だった…
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(さるすべり流アルテミジア アブサント カプリシューズの飲み方)
カプリシューズ10に対して2~3の割合で軟水を加水。ギリギリ白濁しないようにするのが美味しく飲むコツ。
Vol.179 アブサントの味③ [韓国と関係ない話]
ラベルには「ABSINTI」としか、書かれていない、見るからに怪しげな雰囲気。
だが、艶やかで透明感溢れるガラス瓶に美しくシャープなラベル、そしてすっきりとした味わい。
日本で流通しているチェコ製アブサントとして最も入手しやすいのが、この俗にいう「チェコ・アブサント」だ。
アルコール度数は70度だが、値段はやけに安くて¥2000-程度。
いたるところで「怪しい~」と評されるお酒であるが、私はけっこう、好きだ。
味はとにかくすっきり、薬草酒らしき風味はまったく感じられず、ほのかに上品な甘みと、ベリー系の香りがたち上る。
度数の割にはまろやかでストレートで飲める。
そして酔い心地も上品だ。
色はミント系だが、そういう味ではなく、アニス成分が入っていないためか、加水しても白濁しないが、私はこういうアブサント酒の方が好きだ。
どこにもアブサントな風味は感じられないのだけど、聞いたところによるとツヨン濃度はけっこう強いという。
だから飲んでも酩酊しないのかも。
なんだか怪しくてよくわからない酒ではあるが、決して侮れない、イイ奴である。
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(さるすべり式チェコ・アブサント飲み方)
その1.)
チェコ・アブサント10に対して常温の軟水(深層水がお薦め)を3~4の割合で加水する。
薄めすぎてはダメ。
その2.)
日本製発泡酒(キリンの低カロリー系でないと不味い)10に対し、チェコ・アブサントを適当に入れる。
その3.)
ストレートで飲む。
Vol.162 元旦を行く [韓国と関係ない話]
2008年1月1日。
通称「元日」。
小遣い稼ぎの仕事を終えた夜、私は新大久保にいた。
初詣をするためだ。
高校生くらいの頃、ここは昔の下町といった面影が強く残る街だったが、バブル期くらいから外国人が大幅に増えはじめ今に至る。
新大久保駅には最近まで戦時中の傷跡が残っていたことを覚えている人は、今この街にはほとんどいないだろう。
新大久保は数年前くらいまでは、コリアン・タウンの色が濃かったが、最近はまた変わり始めている。
街を行き交う人々は中国人ばかりだ。
それは今も昔も同じだが、中国人たちの雰囲気が昔とはかなり違う気がする。
なんでかなー、と考えながら通りを歩く。
若い韓国人が大声でおしゃべりしている横を通り過ぎるが、訛りがひどい。
そういえば、山の手線渋谷駅から電車に乗り込んできた若い韓国人カップルも、女の子の方は訛りがひどすぎて、一瞬どこの国の人かよくわからなかった。
昔から、新大久保という街は中国や韓国からのニューカマーが多い場所ではあったが、もっと汎アジア的で国際色豊かな街だったような記憶がある。
でも今は韓国人と中国人ばかり。
小滝橋通りを歩いて、新宿駅に向かう。
ここら辺も中国人や韓国人が経営するお店が何軒も立ち並び、競争が激しそうだ。
そして、日本には、日本で暮らしたい中国人や韓国人が、たくさんいることを改めて感じさせられる。
逆に、中国や韓国で生きることを目指す日本人も年々増えている。
お互い皆、決してうまくいっているわけではないだろうし、憧れてかの地を訪れても、裏切られ心傷つく人も陰では多いだろう。
でも、その国でマジメに生きたいと願っているのなら、それを受け入れる選択もまた、あってもいいのではないだろうかと、東京・新大久保やSEOUL・大林の界隈を歩くたびに、ふと思うのだった。
Vol.156 アブサントの味② [韓国と関係ない話]
●価格が安い
●入手しやすい
の二点がある。
お酒は特殊な嗜好品だから、ものによっては入手難になりやすいし、変なプレミアム価格もつきやすい。
だから「高くて希少」でも、消費者側の費やしたコストに見合う商品か否か、ものすごく疑問に思うことがよくある。
最近では芋焼酎なんかがその悪しき例だろう。
アブサントというものが、日本で改めて認識されはじめたのはここ数年のことだ。
それに味や風味も、日本人お馴染みのものとは程遠く、オタクなユーザーに好かれるタイプのお酒である。
輸入される種類や量は少なく、成分に対する輸入側の自主規制もあってか、二、三年で終売になることが多く、バーの経営者はわざわざ個人輸入してお店に出していたりする。
日本で今、もっとも入手しやすいのは、フランスのメーカーが出している幾つかのものだ。
その中で私が一番のご用達にしているのが、ジャンボアイエのアブサントだ。
上品な風味でお酒の質も高く、日本で流通しているこの手のものの中では、一番好きなアブサントの一つである。
フランスのアブサント特有のアニス系成分は他より抑えられていて、ニガヨモギ特有の苦味が大変強い。以前紹介したチェコ・アブサント・ストロングに比べると豊穣さでは劣るものの、風味のよさにそれほど遜色は無く、十分代用品としても楽しめるものだ。
特有の匂い(イカリソウや胡椒のような)があるので、それを敬遠する人もいるだろうが、本来、ハーブ酒というものは臭くて苦いものであって、それを楽しむべきお酒なのである。
値段もかなり安く、流通も安定している。
私がいつも購買しているお店では、ペルノー・アブサント約半分の価格だ。
ユーロ高の今日、この手の酒はどんどん値上がりし、流通も不安定になっているが、このジャンボアイエのものは、いまのところ、その影響を受けていない。
ただ、半年後にはどうなるかわからないので、興味のある方は早めに入手して試して見た方がいいのは、いうまでもない。
風味が強いので、ジンやウオッカの風味付けにも使える。
エクストリーム・アブサントが入手出来なくなってしまった今、その代わりにも十分使える風味の強さだ。
ちなみに、このジャンボアイエのアブサントも合法品なので、いくら飲んでもラリッたりしないから、そちらの効果は期待しないように(^^)
Vol.124 秋の蝉② [韓国と関係ない話]
九月の終わり、東京の恵比寿を歩いていたら、油蝉が鳴いていた。
温暖化激しいこの頃、しかも熱気ムンムンの都心だ。
蝉の本能が狂ってしまうこともあるだろうと独り納得して通り過ぎる。
それから約二週間後。
季節は十月半ばに差しかかり、ちょっとだけ秋の気配が忍び寄っている。
やはり恵比寿にある公園の昼下がり。
ベンチに腰掛け、休んでいたら、油蝉が元気よく鳴きはじめた。
でも、季節は十月。
その歌声がペアとなる蝉に届くことはないだろう。
やはり地球は狂い始めている。
Vol.96 アブサントの味① [韓国と関係ない話]
先日、チェコのディーラーに注文していたアブサントが到着する。
早速飲んでみたが、とても素敵な味だった。
もちろん、スイスや、かつてのチェコスロバキアで密造されていたような濃いデロデロのアブサント酒を味わうことが出来た人には、色々と文句があるお酒かもしれないが、現在の日本で流通している他のアブサントと比べると、遥かに個性的で美しく、優雅な酒である。
このお酒、実は数年前までは日本に輸入されていて、酒好きの間ではかなり評判になっていたのだったのだが、二年前に終売扱いになってしまい、個人で輸入するしか手に入れられなくなっているお酒なのである。
ニガヨモギ成分の問題については色々いわれているが、日本では基本的に問題がないものであり、栽培して売っている人もいるくらいだし、日本で入手出来るアブサントを色々飲んだ限りでは、ラリッたり、幻覚が見えたり、などしたことは一度もない。
通信販売などでは積極的に外国のディーラーが販売を行っていて、筆者も何社かにメールで問い合わせたのだが、一番きちんと対応してくれたのが、今回のチェコのディーラーだった。
チェコと日本は、外交的には、観光以外あまり関係がなくて、お互いどういう国なのか、あまりよくわからないのだが、チェコをよく知る日本人からいわせると、日本と共通する部分が多いという。
確かに戦前のチェコはハイテクで売っていた国であり、民主化の面でも、かなり進んでいた社会であった。
それゆえ、ナチスの侵攻であるとかソビエトのサテライト化であるとか、政治的な部分で色々と損をしていた社会であり、ヨーロッパにあるスラブ系国家の中では、ちょっと異色のパーソナリティなのかもしれない。
世界的には模型王国のひとつであり、そういう点でも、どこか日本と近いものを感じさせる。
「チェコのお酒」といえば、ピンと来ない人の方が多いだろうが、幾つかは日本に輸入されている。
そして、他のヨーロッパ系蒸留酒と比較すると、どことなく「日本的」というイメージを喚起する商品であることが多いのが特色だ。
まず、ベースとなるスピリッツが、かなり高品質な印象を受ける。
雑味が少なくて、工業的な味ではあるが、日本のお酒が持つ「洗練さ」に非常に近いものがある。
そして瓶とラベルの精度。
特に瓶は美しい。
お酒の美味しい不味いとは別に、チェコのお酒でいつも感心するのは、その瓶の透明感なのであった。
今回取り寄せたお酒は、大半の日本人には受け入れられない味だろう。
同じアブサント系のお酒なら、仏ペルノー社製アブサント酒の方が、日本人には遥かに飲みやすいと思う。
だが、その深くダークなエメラルド・グリーンの輝きと、濃い蜂蜜の風味、独特の強い苦味は、ヨーロッパのハーブ酒に関心のある人だったら、侮れない内容だ。
このお酒、実は注文してから到着に二ヶ月くらいかかっている。
あまりに到着が遅いので、どうしたのかなぁ?と心配していたら、ディーラーから「輸送事故が起こりました」という主旨のメールが来た。
添付されたのは粉々に割れた酒瓶の写真である。
「えっ?」と思うくらいに破壊された瓶の写真を観て、「もしかしてアジア嫌いの仕業か?」と思ったりしたが、それに対するディーラー側の対応は極めてまともであり、日本人的ですらあった。
その後、再送付を依頼して、今度は二週間程度で到着する。
破損もなく、無事到着だ。
実はこのディーラー、日本のブログでも「事故が多い」と書かれていたりする会社でもあったのだが、もしかしたら、そういう噂を気にして、改善に努めているのかもしれない(筆者もそういうクレームを出した)。
ヨーロッパ、というと「日本人の理解を超える部分でだけ神経質」とか「ロジカルだけど、基本的には自分勝手でいい加減」とか、「冷酷で残酷」といったイメージが筆者にはちょっとあったのだけど、このチェコのディーラーだけは、これからも信用していいかな、と思うのだった。