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Vol.313 テジ・カルビチムの味 [韓国の食]

 韓国の肉料理に「カルビチム」という料理がある。
 そのまま訳しちゃうと「三枚肉の煮込み」なんだけど、要は「韓国式骨付き三枚肉シチュー」だ。

 私はそもそも韓国で焼き肉料理を食べることは滅多にない。
 それなりのお値段を支払わないと美味しいものが食べられないこともあるが、何よりもイヤなのは焼いた匂いが服にこびりつくことだ。
 あの臭いって死臭を連想するし、宿に戻ってから脱臭処理をやらなくてはいけない。
 だから、韓国に行くときは消臭剤と染み抜き持参は必須なんだけど、そうしてまで食べるほど美味しいとは思えないのが韓国の肉料理なんである。

 真っ昼間、どこからか、あの焼けこげた肉の匂いと薬醤の混じった匂いがプンプン漂ってくると思ったら、角を曲がると日本のオバちゃんが前夜の臭気を振りまきながら、うろついている光景に遭遇した経験があるのは私だけではないはずだ(韓国じゃ、オバちゃんであっても前夜の焼き肉臭を漂わせてウロウロしている姿を見たことがない)。

 そんな中、肉料理を味わいたい気分の時にちょうど良い料理がこの「カルビチム」、そして、カルビチムでも私が好きなのは牛じゃなくで豚の方なのだ。

 韓国人に「テジ・カルビチム」のことを尋ねると100%知っていると思う。
 でも、ソウルでいざ食べようと思うと「テジ・カルビチム」のお店を知っている人は一挙に激減、具体的なお店の名前や場所を教えてもらったとしたら、それは幸運以外のなにものでもないのである。
 おそらく家庭料理としてはそれなりにメジャーだけど外食するようなモンじゃないのだろう。

 私がその店を見つけたのはホンの偶然。
 夕食を食べようと入った身近なお店のメニューに一人前の「テジ・カルビチム」がたまたまあった、というだけの話。

 そこは江南某所のオフィス街。
 だから昼とか夕方は近所の勤め人(IT系が多いようだ)が普通に食事をするお店なんだけど、濃い味ながら結構美味しくて安いので三成方面に用事があるたびに食べている。

 でも、ご飯だとか副食がかなり付いてくるのでボリュームがありすぎて、食べ終わるといつも気分が悪くなってしまうハードで高カロリーなヤバイ料理でもある。

 豚の骨付きカルビを煮込んだ激熱ルゥをご飯にかけながら食べる幸せ。
 それなりに過酷な食事ではあるけれど、この濃い味こそ、韓国らしい素朴な味わいでもあって、今のソウルではなかなか食することが出来ない味なのではないかとも思うのだった。

カルビチム.jpg


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