Vol.365 冷麺の味 Part2/咸興式冷麺編 [韓国の食]
2011年の初冬は、日本も韓国もなにやら歯切れの悪い寒さだったが、クリスマス辺りからやっと冬らしくなってきた。
冷麺の季節である。
韓国がいくら寒い、寒いといっても、山間部では無い限り、せいぜい下がって-10度前後。
ソウルでも時には-18度くらいになる年もあるが、日本の北海道の方がはるかに厳しいくらい、実際は大したことはない。
おかしな流言には惑わされないで欲しいと思う。
韓国で冷麺といえば、どうしてもコンニャク系の咸興式冷麺が主流。
そしてソウル市内で冷麺といえば、やはり、どうしても乙支路の五壮洞が有名だ。
地下鉄『乙支路4街』駅から結構離れていて、夜行くと不気味に静まり返った街をしばらく歩くことになる。
女性独りだと、ちょっと危ない印象を受けるかもしれないが、冷麺街は賑わっている。
そこの通りだけは冷麺屋がいくつも立ち並び、相当儲けているのか、「冷麺ビル」らしき建物もちらほら。
休日は家族連れで一杯だったりする。
競争が熾烈なだけあって、基本的に外れはないし、どの店も趣向を凝らして差別化を図っているから、連日食べ歩く、というもの楽しいかもしれない。
でも、今回紹介するお店は、ここではなく、地下鉄三号線『東国大前』駅にある咸興式冷麺の話である。
ここら辺で冷麺といえば、東大門方向にある平壌式冷麺のお店が有名だが、そこではない。
そこは地下鉄駅を出てすぐのところにあった。
『東国大前』はこじんまりとして嫌いじゃない街だが、キャンパスを脇に控えている割には、商業街としてはイマイチだったりする。
あまり食指が動く店もなく、急いで夕飯を摂ろうと仕方なく入ったのが、たまたま、その冷麺屋だった。
駅前一等地にあり、目立つのだけど、評判を聞いたことがなかったので、全く期待していなかったが、お店は広く綺麗で、家族連れも多く、【韓国で美味しい食堂】の条件をちゃんと満たしている。
咸興式冷麺だったのはわかっていたけど、ワタクシ的ディフォルトで水冷麺と水餃子を注文する。
巷では【咸興式冷麺=ビビン冷麺】という公式が押し付けられているようだが、これは迷惑な偏見、好きなものを注文すればいいわけで、私の場合、店の味を知るために、必ず水冷麺を食べるようにしている。
水餃子も北式料理屋では食べるべきメニューのひとつで、韓国には昔から水餃子が美味しい店がたくさんある(でも、大きなマンジュウは大味なのでNG)。
話は外れるけど、大林亭辺りの中国人街も、この水餃子が、かなり美味しかったりする。
この『東国大前』にある冷麺屋の魅力は、【ごく普通に美味しい】ということだろう。
つまり、ここに代わる味のお店は他にいくらでもあり、個性的な味を知りたければ、五壮洞に行くのがテッパンなんだろうけど、最近の韓国は、この【ごく普通に美味しい】というお店が激減してしまっている点において、価値を感じるお店なのだ。
かつて、隠れた食の都(というか日本じゃ知られていないだけだが)、光州の食事で感動したのは、この【ごく普通に美味しい】という事に他ならない。
その感覚こそ、韓国で食べ継がれてきた味そのものであり、伝統の味を感じさせるからである。
例の平壌式冷麺有名店も、かつてはそういうお店だったのではないだろうか?
というわけで、今でも『東国大前』で食事を摂るなら、このお店、という定番になっているんだけど、こういった【ごく普通に美味しい】という味を、他のお店もまた、変な国際化なんかしないで、引き継いで欲しいと願うのだった。
(通り向かいにある、チョッパルを独りで食べるわけにもゆかないし…)
冷麺の季節である。
韓国がいくら寒い、寒いといっても、山間部では無い限り、せいぜい下がって-10度前後。
ソウルでも時には-18度くらいになる年もあるが、日本の北海道の方がはるかに厳しいくらい、実際は大したことはない。
おかしな流言には惑わされないで欲しいと思う。
韓国で冷麺といえば、どうしてもコンニャク系の咸興式冷麺が主流。
そしてソウル市内で冷麺といえば、やはり、どうしても乙支路の五壮洞が有名だ。
地下鉄『乙支路4街』駅から結構離れていて、夜行くと不気味に静まり返った街をしばらく歩くことになる。
女性独りだと、ちょっと危ない印象を受けるかもしれないが、冷麺街は賑わっている。
そこの通りだけは冷麺屋がいくつも立ち並び、相当儲けているのか、「冷麺ビル」らしき建物もちらほら。
休日は家族連れで一杯だったりする。
競争が熾烈なだけあって、基本的に外れはないし、どの店も趣向を凝らして差別化を図っているから、連日食べ歩く、というもの楽しいかもしれない。
でも、今回紹介するお店は、ここではなく、地下鉄三号線『東国大前』駅にある咸興式冷麺の話である。
ここら辺で冷麺といえば、東大門方向にある平壌式冷麺のお店が有名だが、そこではない。
そこは地下鉄駅を出てすぐのところにあった。
『東国大前』はこじんまりとして嫌いじゃない街だが、キャンパスを脇に控えている割には、商業街としてはイマイチだったりする。
あまり食指が動く店もなく、急いで夕飯を摂ろうと仕方なく入ったのが、たまたま、その冷麺屋だった。
駅前一等地にあり、目立つのだけど、評判を聞いたことがなかったので、全く期待していなかったが、お店は広く綺麗で、家族連れも多く、【韓国で美味しい食堂】の条件をちゃんと満たしている。
咸興式冷麺だったのはわかっていたけど、ワタクシ的ディフォルトで水冷麺と水餃子を注文する。
巷では【咸興式冷麺=ビビン冷麺】という公式が押し付けられているようだが、これは迷惑な偏見、好きなものを注文すればいいわけで、私の場合、店の味を知るために、必ず水冷麺を食べるようにしている。
水餃子も北式料理屋では食べるべきメニューのひとつで、韓国には昔から水餃子が美味しい店がたくさんある(でも、大きなマンジュウは大味なのでNG)。
話は外れるけど、大林亭辺りの中国人街も、この水餃子が、かなり美味しかったりする。
この『東国大前』にある冷麺屋の魅力は、【ごく普通に美味しい】ということだろう。
つまり、ここに代わる味のお店は他にいくらでもあり、個性的な味を知りたければ、五壮洞に行くのがテッパンなんだろうけど、最近の韓国は、この【ごく普通に美味しい】というお店が激減してしまっている点において、価値を感じるお店なのだ。
かつて、隠れた食の都(というか日本じゃ知られていないだけだが)、光州の食事で感動したのは、この【ごく普通に美味しい】という事に他ならない。
その感覚こそ、韓国で食べ継がれてきた味そのものであり、伝統の味を感じさせるからである。
例の平壌式冷麺有名店も、かつてはそういうお店だったのではないだろうか?
というわけで、今でも『東国大前』で食事を摂るなら、このお店、という定番になっているんだけど、こういった【ごく普通に美味しい】という味を、他のお店もまた、変な国際化なんかしないで、引き継いで欲しいと願うのだった。
(通り向かいにある、チョッパルを独りで食べるわけにもゆかないし…)
ホントにフツーの冷麺です。
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