Vol.454 名盤紹介 『버스,정류장』 [韓国映画音楽(OST)]
韓国において音楽CD市場が崩壊して久しい。
専門店はあるけれど、客の中心は外国人だったりする。
ジャズやロックの中古レコードなんかと同様、音楽CDにもコアなファンはもちろんいるけれど、多くの新譜、特にマイナー系は最初からダウンロード販売だったりするので入手が面倒くさくて仕方ない。
韓国映画のOSTはそういった被害をもろに喰らったマイナー分野の最たるものだ。
逆にダウンロード販売のおかげで「えっ!?」みたいな作品の音源入手が出来るようにはなったけど、やっぱり手にとって触ることができる方に愛着が湧く。
元々、韓国映画のOSTは販売数が少なく、一度売り切れると再販をしないものが多かった。
いかれた韓流ブームのおかげで、外国人御用達の特定スターの出ている作品やTVドラマは一部再販されたが、映画好きが求めるようなマイナー系の多くは、一度売り切れたならば、中古や店頭在庫を探すしか無い。
売れなくて長い間、店頭に転がっている場合も往々にしてあるが、これは一期一会だと思った方がいいし、街場の店舗自体がどんどん消滅しているから、これも難しくなっている。
今回紹介する名盤『버스,정류장』も、最近ではめっきり現物入手が困難になった音楽CDである。
一時期、韓国ではプレミアムが付いていたこともあったらしい。
七、八年前くらいまでは店先にゴロゴロしていた商品だったのだけど…
元になった映画『버스,정류장』(2001年 日本で公開済)自体は、ちょっと評価されたが興行的には全然で、すぐ劇場から消えた作品である。
当時は狂気に満ちた韓国映画バブルの真っ最中、凄まじい勢いで韓国映画が製作、公開されていたが、小作品に対する上映環境は整っていなかった。
今の韓国のようにブロックバスターとインディーズの興行形態が別れて確立された状況であれば、もう少し評価された作品ではなかったかと思う。
ただ、この映画は劇中曲が傑出していた。
音楽監督を手がけた“Lucid Fall”こと조윤석は、今でこそ有名だが当時はそうでもなく、高学歴ばかりが取り沙汰されていたような気がする。
だが、その音楽性は高く、当時発売されたOSTの中でも、この『버스,정류장』は屈指の名盤だった。
日本では偏ったマーケティングのおかげで、捻じ曲げられた形で韓国の音楽シーンは一般化してしまったが、この『버스,정류장』に収録されている曲たちは、それらと全く異なる、韓国ならではの「一つの形」であったと思う。
素朴な旋律に淡々としたボーカル、詩情豊かな歌詞は韓国伝統のバラードの系譜を引き継ぎつつも、当時の新しい方向性を積極的に取り込んでいた。
韓国映画のOSTは聞いている途中で「もういいや」系が多く、どうしても死蔵される割合が高いのだけど、この『버스, 정류장』は何度でも聴ける、数少ない例外の名盤であるといえる。
日本では人気が無いらしく、かなり安い価格で売っているのを今だ見かけるので、興味を持たれた方は購入してみてもいいかも。
専門店はあるけれど、客の中心は外国人だったりする。
ジャズやロックの中古レコードなんかと同様、音楽CDにもコアなファンはもちろんいるけれど、多くの新譜、特にマイナー系は最初からダウンロード販売だったりするので入手が面倒くさくて仕方ない。
韓国映画のOSTはそういった被害をもろに喰らったマイナー分野の最たるものだ。
逆にダウンロード販売のおかげで「えっ!?」みたいな作品の音源入手が出来るようにはなったけど、やっぱり手にとって触ることができる方に愛着が湧く。
元々、韓国映画のOSTは販売数が少なく、一度売り切れると再販をしないものが多かった。
いかれた韓流ブームのおかげで、外国人御用達の特定スターの出ている作品やTVドラマは一部再販されたが、映画好きが求めるようなマイナー系の多くは、一度売り切れたならば、中古や店頭在庫を探すしか無い。
売れなくて長い間、店頭に転がっている場合も往々にしてあるが、これは一期一会だと思った方がいいし、街場の店舗自体がどんどん消滅しているから、これも難しくなっている。
今回紹介する名盤『버스,정류장』も、最近ではめっきり現物入手が困難になった音楽CDである。
一時期、韓国ではプレミアムが付いていたこともあったらしい。
七、八年前くらいまでは店先にゴロゴロしていた商品だったのだけど…
元になった映画『버스,정류장』(2001年 日本で公開済)自体は、ちょっと評価されたが興行的には全然で、すぐ劇場から消えた作品である。
当時は狂気に満ちた韓国映画バブルの真っ最中、凄まじい勢いで韓国映画が製作、公開されていたが、小作品に対する上映環境は整っていなかった。
今の韓国のようにブロックバスターとインディーズの興行形態が別れて確立された状況であれば、もう少し評価された作品ではなかったかと思う。
ただ、この映画は劇中曲が傑出していた。
音楽監督を手がけた“Lucid Fall”こと조윤석は、今でこそ有名だが当時はそうでもなく、高学歴ばかりが取り沙汰されていたような気がする。
だが、その音楽性は高く、当時発売されたOSTの中でも、この『버스,정류장』は屈指の名盤だった。
日本では偏ったマーケティングのおかげで、捻じ曲げられた形で韓国の音楽シーンは一般化してしまったが、この『버스,정류장』に収録されている曲たちは、それらと全く異なる、韓国ならではの「一つの形」であったと思う。
素朴な旋律に淡々としたボーカル、詩情豊かな歌詞は韓国伝統のバラードの系譜を引き継ぎつつも、当時の新しい方向性を積極的に取り込んでいた。
韓国映画のOSTは聞いている途中で「もういいや」系が多く、どうしても死蔵される割合が高いのだけど、この『버스, 정류장』は何度でも聴ける、数少ない例外の名盤であるといえる。
日本では人気が無いらしく、かなり安い価格で売っているのを今だ見かけるので、興味を持たれた方は購入してみてもいいかも。
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