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Vol.453 貧乏飯作戦 [韓国生活]

 かつて韓国は食の面において、逆説的な意味で恵まれていた部分もあったと思う。
 料理の種類は少なく、味もワンパターン、朴訥過ぎて、すぐ食べ飽きてしまう反面、価格の割に肉も野菜も良質のものが揃っていたから、外食は概して安くて、そこそこ美味しく、コストパフォーマンスの点ではなかなか優れていたのである。

 だが、法律が改正され、流通が整備され、街の再開発が進み、社会が大量消費時代へと変わり、人々の嗜好が多様性を増した今、食に関してはかなりつまらない国になってしまったようだ。
 しかも、日本では不衛生さや食品の安全性に対する批判が、コピペで山のように出回る始末。

 外国で食事をする以上、日本と同じ安全性を求めること自体が妙な話だし、日本だって、すべからず問題ないということでもないだろう、とは思うのだが、そんなことより一番イヤなのは、個人経営の食堂が激減してチェーン店ばかりになり味が画一化されてしまった上、価格がべらぼうに高くなったことである。

 かつて韓国にいる時、食費と交通費は予算の蚊帳の外といえるくらい安かったわけだが、今ではそうも行かなくなった。
 特に外食費の高騰は、一貧乏訪問者の懐を大きく強打する。

 そんな訳で、最近私が訪韓時に実践しているのが、宿での自炊である。
 自炊といっても、泊まる場所はオフィステルやヴィラではないので、それ用の設備は無い。
 共用スペースに電子レンジ一台、廊下にお湯の出るウォーターサーバーが一台、部屋に冷蔵庫があるだけだ。

 この限られたインフラで、安く済ませるにはどうすべきか?
 そこで思いついたのが韓国における貧乏人の食事を模倣すればよい、ということである。

 やること自体は大したことがない。
 単に、
・レトルトのご飯
・パック入りチョンガクキムチ(총각김치)
・缶詰の牛肉佃煮(장조림)
 をコンビニではなくて街場のスーパーから大量に買い込んで、少しづつ食べるだけのこと。
 キムチは賞味期限切れを狙えば安くなるし、レトルトご飯は、どこのスーパーでもお買い得の定番商品だ。
 チャンチョリムは高いけど、味が濃いので減らない。
 チョンガクキムチは安くないが量が多く、質量があるので食べた気になるし、小分け時の面倒が少ない。

 これらをまとめてW30000-分くらい買い込めば、独り分なら一週間くらい保ったりする。
 そして、韓国のおかずや漬物類は酒のつまみに向いているので、パフォーマンスもいい。
 それらの貧乏食に飽きたらたまに外食、ということになるが、一点豪華主義で予算が廻せるし、それもまた楽しみになるので一石二鳥である。

 人間の成人は案外食べないもので、一日二食、韓国式貧乏メニューでも案外、お腹が空かないものだ。
 また、韓国の外食は元々、量が過剰ということもあるから、少食の方が体は楽だったりする。
 数日もすれば食欲も湧かなくなり、夜はいらない、になったりする。

 韓国に来て、異常に焼肉や参鶏湯を食べたがり、トッポギや屋台料理に病的にこだわる人には向かない節約方法だが、無駄な外食を避けたい人には、オススメなのではないだろうか?
 でも、それだけ韓国の食文化の価値が、私の中で下がって久しい、ということなのかもしれないけど…

BINBOU.JPG
見た目は不気味…


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