Vol.452 2013年はやけにおおかったけど [韓国映画]
2013年は日本において、韓国映画公開ラッシュ状態だったらしい。
上映規模の大小、作品の新旧を考えなければ、ざっと数えただけでも50本以上を超えている模様で(途中で調べるのを断念)、たくさんの作品が普通の映画館で掛かったという点では、異常な年だったと思う。
だが、私は韓国映画を基本的に日本で観ない。
なぜかと言えば、上映環境が良くないし、セレクションが偏っているからだ。
映画祭や上映会についても、裏に政治的思惑がチラつくものは、生理的に嫌いなので行く気がしない(文化交流だとか日韓友好だとか…)。
例外としてシネコンで掛かったものや、ロングランになった作品だけは観る努力をしているけど、やはり日本・海外市場を狙ったような作品はご遠慮させていただいているので、自ずと本数は限られてしまう。
上映環境について言えば、韓国における日本映画の扱いも、ひどいかもしれない。
でも、同じお金を払って観るとすれば、韓国映画の方が圧倒的に面白い作品が揃っているので、冷遇されるのは国情を別にして仕方ないだろう。
一方、公開される日本映画の本数は増えているし、古典的名作を観ている人も、金大中政権以降は明らかに多くなってきているので、勉強目的やビジネス上の参考品としての注目度はむしろ高くなっているのかもしれない。
韓国の話題作については、直接配給されることもあってか、日本で上映されることが多くなり、無理に現地で観る必要はなくなりつつあるが(日本じゃ、観る気も起きないが)、あいかわらず漏れているのが、俗に「인디(インディーズ)」と称される、地味な自主製作の低予算作品である。
日本では、ほとんどが未公開であり、運が良くてマイナーな上映会や映画祭止まり。
もっとも、これらのインディーズ作品を巡る実情は、韓国でも似たり寄ったりかもしれない。
時折、意表を突いたヒットや秀作が飛び出ることもあるけれど、上映される作品は運がいい方で、製作されても公開できない作品はそれこそ、山のようにあるらしい。
とは言っても、大半がソウルの名門大学その他を出た裕福なお坊ちゃま、お嬢ちゃまたちの独り善がりな卒業制作を金を取られて観せられているようなものなので、日本でわざわざ公開する価値はあまり無いだろうし、実際、私も現地で観て「金と時間を返せ!バカモン!」的心境になることはよくある。
だが、このインディーズ作品群には、幾つかの点でメジャーな商業ラインとは別の魅力があることも事実。
まず、無名クリエイターの発見ができること。
これは韓国映画についての動向予想にもなるから、結構重要だ。
近頃では、異業種参入者が増えているのも興味深いところだろう。
かつてのリュ・スンワンやキム・ギドクような無頼派、成り上がり系をインディーズを支えるクリエイター予備軍で見かけなくなってきたことは寂しいが、決していないわけでもない。
キャストの点でも、「明日のスター」に出会えるかもしれない、という先行投資的な面白さがある。
インディーズ系はドラマだろうとドキュメンタリーだろうと、製作費が爆安なので、打算的な有名俳優は使えないが、地味でも演劇系の実力派俳優たちが中心なので、「どういう俳優が韓国の第一線にいるのか?」ということを知るには、良い機会でもある。
人知れず上映され、忘れ去られたインディーズ作品に出ていた無名俳優が、今じゃ売れっ子、引っ張りだこ、ということは実際にあることだし、スターになる人材は無名時代から無駄に輝いていたりするものだ。
とまあ、それなりに得した気分になることもあるのが、韓国インディーズ作品群なのだけど、わざわざ時間とお金を浪費して追いかけることは、ハズレの方が圧倒的に多いから、やっぱりオススメしない。
あくまでも韓国におけるサブカルチャーの現実を、映画的視点から知りたい方限定といったところだろうか。
上映規模の大小、作品の新旧を考えなければ、ざっと数えただけでも50本以上を超えている模様で(途中で調べるのを断念)、たくさんの作品が普通の映画館で掛かったという点では、異常な年だったと思う。
だが、私は韓国映画を基本的に日本で観ない。
なぜかと言えば、上映環境が良くないし、セレクションが偏っているからだ。
映画祭や上映会についても、裏に政治的思惑がチラつくものは、生理的に嫌いなので行く気がしない(文化交流だとか日韓友好だとか…)。
例外としてシネコンで掛かったものや、ロングランになった作品だけは観る努力をしているけど、やはり日本・海外市場を狙ったような作品はご遠慮させていただいているので、自ずと本数は限られてしまう。
上映環境について言えば、韓国における日本映画の扱いも、ひどいかもしれない。
でも、同じお金を払って観るとすれば、韓国映画の方が圧倒的に面白い作品が揃っているので、冷遇されるのは国情を別にして仕方ないだろう。
一方、公開される日本映画の本数は増えているし、古典的名作を観ている人も、金大中政権以降は明らかに多くなってきているので、勉強目的やビジネス上の参考品としての注目度はむしろ高くなっているのかもしれない。
韓国の話題作については、直接配給されることもあってか、日本で上映されることが多くなり、無理に現地で観る必要はなくなりつつあるが(日本じゃ、観る気も起きないが)、あいかわらず漏れているのが、俗に「인디(インディーズ)」と称される、地味な自主製作の低予算作品である。
日本では、ほとんどが未公開であり、運が良くてマイナーな上映会や映画祭止まり。
もっとも、これらのインディーズ作品を巡る実情は、韓国でも似たり寄ったりかもしれない。
時折、意表を突いたヒットや秀作が飛び出ることもあるけれど、上映される作品は運がいい方で、製作されても公開できない作品はそれこそ、山のようにあるらしい。
とは言っても、大半がソウルの名門大学その他を出た裕福なお坊ちゃま、お嬢ちゃまたちの独り善がりな卒業制作を金を取られて観せられているようなものなので、日本でわざわざ公開する価値はあまり無いだろうし、実際、私も現地で観て「金と時間を返せ!バカモン!」的心境になることはよくある。
だが、このインディーズ作品群には、幾つかの点でメジャーな商業ラインとは別の魅力があることも事実。
まず、無名クリエイターの発見ができること。
これは韓国映画についての動向予想にもなるから、結構重要だ。
近頃では、異業種参入者が増えているのも興味深いところだろう。
かつてのリュ・スンワンやキム・ギドクような無頼派、成り上がり系をインディーズを支えるクリエイター予備軍で見かけなくなってきたことは寂しいが、決していないわけでもない。
キャストの点でも、「明日のスター」に出会えるかもしれない、という先行投資的な面白さがある。
インディーズ系はドラマだろうとドキュメンタリーだろうと、製作費が爆安なので、打算的な有名俳優は使えないが、地味でも演劇系の実力派俳優たちが中心なので、「どういう俳優が韓国の第一線にいるのか?」ということを知るには、良い機会でもある。
人知れず上映され、忘れ去られたインディーズ作品に出ていた無名俳優が、今じゃ売れっ子、引っ張りだこ、ということは実際にあることだし、スターになる人材は無名時代から無駄に輝いていたりするものだ。
とまあ、それなりに得した気分になることもあるのが、韓国インディーズ作品群なのだけど、わざわざ時間とお金を浪費して追いかけることは、ハズレの方が圧倒的に多いから、やっぱりオススメしない。
あくまでも韓国におけるサブカルチャーの現実を、映画的視点から知りたい方限定といったところだろうか。
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