Vol.456 2013年 韓国映画BEST-X(Part2) [韓国映画]
続いて、映画編です。
2012年12月~2013年11月に公開された作品中、記憶に残った作品群を基準としました。
作品性の優劣とは必ずしも比例しません。
順不同。
(総括)
俳優については、映画で活躍していた演劇畑の人たちが、再び舞台に戻りつつある流れが続いていて、非常に喜ばしいことだと思います。
監督については、相変わらず入れ替わりが激しい状態ですが、若手の女性監督に優れた人たちが出つつあるのかな?という予感がするので、彼女たちには、どんどん機会を与えて欲しいところです。
2013年年度最大の話題作はなんといっても、ポン・ジュノの『スノーピアサー(설국열차)』ですが、あまりにも想定内の出来だったので、個人的にはガックリと脱力。
この作品は暴力的にも思える劇場占有率で上映され、観客動員数約934万人という数字自体は大したものですが、同時に不自然さも免れず、本当は200万人台程度が妥当な内容だったと思いますし、全くの外国映画であったならば、おそらくそれ以下だったのでは?
作品規模の大小に関係なく、相変わらずなのが、社会格差への問題提起であり、なにげで作家性を重視した作品も同時に増えてきているように見えます。
大ヒットした『더 테러 라이브』は、その両方を持ち合わせた典型的な例かもしれません。
観客動員数は、約557万人と『スノーピアサー(설국열차)』の約6割ですが、夏休みに公開された作品で実質、本当にヒットした韓国映画はこっちのような気もします。
今後、意外と鍵を握りそうなのが、韓国で一番ダメな分野のSFやファンタジー系作品。
インディーズではそういったジャンルが増えており、これらがムーブメントになってメジャーへと繋げられるかどうか、その動向に注意したいと思います。
韓国独自のアート系アニメーション長編に、若干ながら光が差しつつあることも注目すべきことですが、飽きっぽい国民性ですから、今後どうなるやら。
自国作品でコンスタントに利益が望めるようになればなったで、「アニメ=子供向け」もしくは「アニメ=青少年向け」という建前がある以上、領土問題や歴史問題といった政治がらみの作品が今後、ゾロゾロ出てくる可能性が考えられます。
「国策に協賛した企画でないとお金は出ません」になったら、かなりヤバイでしょう。
必要以上の行政や政治意図の介入が、独創的なアニメーションの製作に悪影響をもたらさないことを望みます。
2012年の『豚の王(돼지의 왕)』で注目された연상호監督の新作『사이비』が、2013年11月に公開されましたが、前作の評価に作る側が引きづられた感があって、爆発的なエネルギーに欠け、ちょいと残念でした。
2013年12月18日に公開された『변호인』は老若男女の熱狂的な支持を得、既に観客動員1130万人を超えましたが、個人的には韓国社会の風潮が逆行し始めている予兆のような作品に思えました。
このまま行くと、同じノリで次は「巨悪日本をやっつける」作品の大ヒットが出る日も近いかもしれません(それはそれで興味深いですが…)。
さて、2014年はどういう流れになるでしょうか?
2012年12月~2013年11月に公開された作品中、記憶に残った作品群を基準としました。
作品性の優劣とは必ずしも比例しません。
順不同。
(映画編)
『명왕성』(2012年)(2013年7月11日 韓国公開)韓国の学歴社会をグロテスクに描く。
『러시안 소설』(2012年)(2013年9月19日 韓国公開)独創的で奇々怪々な作品。
『나의 PS 파트너』(2012年)(2012年12月6日 韓国公開)キワモノ的ですが、世相がよく描けていました。
『신세계』(2012年)(2013年2月21日 韓国公開)韓国ヤクザ映画の北極かも。
『파파로티』(2012年)(2013年3月14日 韓国公開)ベタのようで、そうじゃない。
『지슬 - 끝나지 않은 세월2』(2012年)(2013年3月21日 韓国公開)独特の構成で見せる、現代史の断片。
『환상속의 그대』(2013年)(2013年5月16日 韓国公開)本質は重厚な人間ドラマ。
『렛 미 아웃』(2012年)(2013年8月15日 韓国公開)ショボイけど、なんだか捨てて置けない作品。
『숨바꼭질』(2013年)(2013年8月14日 韓国公開)「Kホラー」、その現在進行形かも。
(総括)
俳優については、映画で活躍していた演劇畑の人たちが、再び舞台に戻りつつある流れが続いていて、非常に喜ばしいことだと思います。
監督については、相変わらず入れ替わりが激しい状態ですが、若手の女性監督に優れた人たちが出つつあるのかな?という予感がするので、彼女たちには、どんどん機会を与えて欲しいところです。
2013年年度最大の話題作はなんといっても、ポン・ジュノの『スノーピアサー(설국열차)』ですが、あまりにも想定内の出来だったので、個人的にはガックリと脱力。
この作品は暴力的にも思える劇場占有率で上映され、観客動員数約934万人という数字自体は大したものですが、同時に不自然さも免れず、本当は200万人台程度が妥当な内容だったと思いますし、全くの外国映画であったならば、おそらくそれ以下だったのでは?
作品規模の大小に関係なく、相変わらずなのが、社会格差への問題提起であり、なにげで作家性を重視した作品も同時に増えてきているように見えます。
大ヒットした『더 테러 라이브』は、その両方を持ち合わせた典型的な例かもしれません。
観客動員数は、約557万人と『スノーピアサー(설국열차)』の約6割ですが、夏休みに公開された作品で実質、本当にヒットした韓国映画はこっちのような気もします。
今後、意外と鍵を握りそうなのが、韓国で一番ダメな分野のSFやファンタジー系作品。
インディーズではそういったジャンルが増えており、これらがムーブメントになってメジャーへと繋げられるかどうか、その動向に注意したいと思います。
韓国独自のアート系アニメーション長編に、若干ながら光が差しつつあることも注目すべきことですが、飽きっぽい国民性ですから、今後どうなるやら。
自国作品でコンスタントに利益が望めるようになればなったで、「アニメ=子供向け」もしくは「アニメ=青少年向け」という建前がある以上、領土問題や歴史問題といった政治がらみの作品が今後、ゾロゾロ出てくる可能性が考えられます。
「国策に協賛した企画でないとお金は出ません」になったら、かなりヤバイでしょう。
必要以上の行政や政治意図の介入が、独創的なアニメーションの製作に悪影響をもたらさないことを望みます。
2012年の『豚の王(돼지의 왕)』で注目された연상호監督の新作『사이비』が、2013年11月に公開されましたが、前作の評価に作る側が引きづられた感があって、爆発的なエネルギーに欠け、ちょいと残念でした。
2013年12月18日に公開された『변호인』は老若男女の熱狂的な支持を得、既に観客動員1130万人を超えましたが、個人的には韓国社会の風潮が逆行し始めている予兆のような作品に思えました。
このまま行くと、同じノリで次は「巨悪日本をやっつける」作品の大ヒットが出る日も近いかもしれません(それはそれで興味深いですが…)。
さて、2014年はどういう流れになるでしょうか?
画像その他出典:NAVER 영화
統計資料出典:영화진흥위원회
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