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Vol.522 大学路にて [韓国生活]

 ソウルの恵化洞こと通称『大学路』近辺は、高級住宅街でもあるが、江南辺りとやや違うのは良い意味で古い土着臭がそこかしこに漂っていることだろう。

 街自体は小さいが、適度に時間を潰せるお店が揃っているし、スーパーマーケットも複数あり、その品揃えは悪くない。

 映画館は旧ファンタシウム、今のCGV大学路だけになってしまったが、かつては映画館が幾つもあって、それなりにミニシアターの街として機能していた時代もあった。
 宿泊施設がイマイチなことだけは外国人にとって欠点かもしれない。

 「大学路」は演劇の街として日本でも最近は有名だ。
 それこそ大小様々な劇場がひしめき合い、夜遅くになると飲み屋は演劇関係者ばかりになる。
 だからか、大スターになってもこの場所に愛着を抱き続け、常連として馴染みのお店に通う人達もいる。

 「スターに逢いたきゃ、夜の狎鴎亭に行け!」ではあるけれども、業界人たちにとって江南界隈はあくまでもビジネスの場であり、江北界隈はそれに比べると一部の人々にとっての原点なのではないか。
 これは恵化洞のみならず、かなり廃れてはしまったが忠武路こと筆洞辺りにも言えることだ。

 両者に共通するのは古いソウルの情景がまだ残っていることであり、そこに過去の貧乏臭さが垣間見える、ということであり、そしてこれらがソウルで失われつつある一種の安心感に繋がっていると思うのである。

 恵化洞に隣接する明倫洞には有名私立「成均館大学」があるが、その周辺はあまり学生街の香りがしない。
 もっとも、この大学の現主力であろう理系キャンパスはスポンサーたるサムスン財閥のお膝元、郊外の水原市に展開しているので仕方ないのかもしれない。

 「大学路」という名称は日本の旧帝大一翼を占めていた「京城大学」がかつてここにあったことに由来する訳だけど、光復節後、もう少し他の大学が集まっても良かったんじゃないかと思う。

 ソウルで「大学街」といえばどうしてもサブカル系な新村界隈か、ちょっと南に下がってバンカラっぽいソウル大周辺というイメージが筆者にはあるのだけど、恵化周辺にはこれらの界隈にはない、足が地に着いた趣きがあるといつも思うのである。

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