SSブログ

Vol.160 「ミッドナイトイーグル」、それは古式ゆかしき純和風映画 [映画]

 大作「ミッドナイトイーグル」に客が来ていないという。

 ネットを見ても、評判は散々だ。
 あまりに評判が悪いので、観ようかどうしようか、躊躇していたが、とりあえず観に行く(^^!)。

 でも、率直な感想は「そんなに悪くないじゃん」だった。

 たしかに、派手なアクションだとか、TVの宣伝でやっているような家族愛を売りにした映画という期待(=誤解)を持って観に行くとガッカリはするとは思う。

 でも、端正で丁寧な画作りに、ゆったりと安定したペースで進むリズムと、日本映画独特の古式ゆかしき良さが感じられる仕上がりだ。
 とても落ち着いた作風だから、年配の人にとっても、優しい映画だ。

 宣伝の方向がアクション、サスペンス、ラブロマンスの無理やりな三本立てという、どっちつかずで中途半端な売り方だから誤解されるのであって、視点を変えて、「特殊な状況下の人間像を描いた純日本映画」と思って観れば、それほど、ひどい訳ではない。

 「ミッドナイトイーグル」の特徴は、脇役の官僚や公務員たちが皆大人、紳士であることだ。
 逆に、中心になる戦場カメラマンや記者たちは、幼稚で子供っぽい。
 特に、女性雑誌記者の場違いな正義漢ぶりには、首をかしげる。
 草津温泉に行けなかったから、腹を立てていたのかな?
 国家の一大事なのに。

 映画では、核弾頭を「特殊爆弾」と呼び、某国特殊部隊が「どこの国」から来たのか一切、形容しない。
 かろうじて「半島から来たこと」を婉曲的に表現している程度。
 彼らが何者であり、なぜ自衛隊と戦っていたのか、わからなかった人もいたのではないだろうか。

 こういう映画を観るたびに、日本は、本当にまわりに気を使う国だな、と思う。

 お隣が平気で日本を敵として描くことは、私だって気分が悪い。
 けど、その言動の裏側には、日本への「信頼」もまた、逆説的に存在しているような気がする。
 かの国の人からすれば、日本批判など、お気軽な「枕詞」「お約束」のようなものかもしれない。
 
 しかしこれが日本となると逆のように思える。
 「相手と同じことをやれば、大事に発展しかねない」というマジな警戒感と不信が常に感じられる。
 もちろん、礼儀的な問題も大きいのだろうけど…
 
 映画とは関係ないことではあるが、「ミッドナイトイーグル」を観ながら、そんなことばかり考えていたのだった。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。