SSブログ

Vol.258 シリーズOST名盤紹介『銀杏の寝台(銀杏のベッド)』~祝・遂にGET!!~ [韓国映画]

 最近、韓国ネタで一番嬉しかったことといえば、『銀杏の寝台(銀杏のベッド)』のOSTを入手できたこと。

 何年も前から随分探していたのだけど、探そうにもブツがどこにあるのかさえ、てんで見当のつけようがなかった幻のCDなのだ。

 極少数、日本のWEBショップで販売されていたらしいが、その時点でプレミアム付き、そしてだいぶ前から入手不可の状態。

 韓国のネットで探しても、やっとテープ版が出ていたりする程度で、そのテープ版さえ、入手困難だった。

 韓国はOSTの再生産を基本的にはしない。
 最近、やや、事情が変ってきているとはいえ(おそらく映画周辺のマーケットが広がったこと、外国人の購入が増えたからだと思われる)、ダウンロード無法地帯と化した韓国マーケットでは、過去の名作OSTが再生産されるなんて、どんどん程遠い状況になっている(というか、元々需要があったとも思えないし)。

 今回、この『銀杏の寝台』OSTを見つけてくれたのは、韓国の若い友人だった。

 かなり昔に「もし見つけたら、教えてね!」といっていたことを覚えてくれていたのだ。
 そんな彼も、ホントにホント、偶然見つけたらしい。
 運命なんて、摩訶不思議なものである。

 この『銀杏の寝台』の音楽監督を担当したのは、今では韓国映画界巨匠様様のイ・ドンジュン。
日本では「どこかで聞いたような…」ハリウッドスタイルが濃すぎる音楽クリエイターとして有名かもしれないが、実は結構、色んな分野の音楽を取り入れるタイプのクリエイターで、『銀杏の寝台』も、かなり実験的な内容だ。

 最大の特徴は、交響曲スタイルと、韓国伝統音楽を、かなり強引に組み合わせたことにある。

 主人公が宮廷楽師であり、劇中、伽耶琴をガンガン弾きまくる事ことから、このハイブリッドなスタイルは、映画のテーマそのものでもあり、私は聞いていて、とても好きなんだけど、「オーケストラと、肝心の伽耶琴演奏がずれている」といったネガティブな意見も、もちろんある。

 演奏がずれているかどうか、私はそんな高級な耳を持ち合わせていないからよくわからないのだけど、このOSTって、実は時代劇流行りの昨今韓国ドラマにおいて、有形無形で大きな影響を与えたのではないか、とも思うのだ。

 この作品でカン・ジェギュとガッチリタッグを組んだイ・ドンジュンは、『シュリ』や『太極旗を翻し(ブラザーフッド)』などは、どこかで聞いたような旋律をさらにパワーアップさせ、ある意味、韓国映画における映画音楽のスタイルを日本に誤解させた感もあるが、その原点は、良くも悪くも、この『銀杏の寝台』なのではないかと思う。

 この作品を手がけた当時、イ・ドンジュンは他にも様々なジャンルの映画を多数手がけていた時期であり、それらの作品に関わってきたクリエイターたちが、その後の、韓国映画中興の時代の核を担うことにもなる。

 関心のない人にはどうでもいいOSTだけど、韓国映画史の中では、やっぱり記憶に留めるべき重要な盤だと思う。

銀杏の寝台B.jpg

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。