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Vol.241 シリーズOST名盤紹介 キム・ギドク作品群 [韓国映画音楽(OST)]

 キム・ギドクの作品を最初に観た時、「いいな」と、まず思ったのが、使われている劇中曲だった。

 ピアノやバイオリンを中心としたシンプルだけど力強い旋律がいつも耳に残り、一昔前の韓国映画によくある、「打ち込み系がポンチャクチャク…」とか、「キーボードがビロリロリーン」という印象ではなかったのだ。

 しかし、キム・ギドク映画のOSTが出るたびに購入してみると、どれも「ポンチャクチャク…」「ビロリロリーン」、入っている歌もヒステリックで、正直シンドイものばかり。

 つまり、自分が抱いているキム・ギドク映画の音楽は、勝手な思い込みか、OSTが発売されていない作品群のイメージ、ということなのかもしれない。

 キム・ギドク作品のOSTは、知る限りでは、今まで5枚ほど発売されている(2009年現在 / 特殊なものは除く)。
 この中で、一番最初に出たのは、たぶん『魚と寝る女(섬)』ではないかと思う。

 このOSTは、まだ韓国のCD市場が荒れる前の商品なので、大変凝った作りになっているが、内容は一般のポップス仕様といった感じで、なんだか映画とイメージが違う。

 そんなワケで、どこかが『キム・ギドク初期傑作集』とでもいうべき、アンソロジーOSTを企画してくれないかな、と思っているのだが、韓国のCD市場は状況が悪くなるばかりだし、韓国映画OSTの需要なんて、それこそ伊達や酔狂の矮小な世界だから、どこかの金持ちが趣味の自主制作でもしない限り、望めそうにもない。
 
 そんな恵まれない、そして今後も恵まれることが無さそうな状況の中で、イメージに近い曲がひとつだけ、あるOSTに収録されている。
 『コーストガード(해안선)』収録の「바다(from trailer2)」だ。
 その題名通り、予告篇で使われただけの曲なんだけど、最初に聞いた時からすごくインパクトがあった。
 ようは、この旋律で脳内イメージがフォーマットされてしまっただけかもしれないのだけど、私にとって、キム・ギドク作品の音楽といえば、この感じなのである。

 『鰐』とか『受取人不明』を収録したOSTが出ないかなぁ…

島.jpg海岸線.jpgサマリア.jpg春夏秋冬.jpg悲夢.jpg
タグ:韓国映画
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ken

そういえば音楽というアプローチでギドク作品を捉えたことがありませんでした。
ただ振り返ると非常に重要な音がそこにあったような気がします。
by ken (2009-02-11 16:07) 

さるすべり

ken様、コメントありがとうございます。
キム・ギドクのオリジナルOSTは、日本だったら出せる可能性があると思うのですが、やはり採算採れないんでしょうか?(権利もぐちゃぐちゃ、マスターも紛失とか、ありえますね)
キム・ギドクの作品に限らず、韓国映画の音楽というものも、もっと取り上げるべきなんじゃないかと、いつも考えています。
by さるすべり (2009-02-11 17:30) 

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