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Vol.284 誰、だーれ?『私は幸福です/나는 행복합니다 』 [韓国俳優]

 2009年、11月26日に韓国で封切られた『私は幸福です/나는 행복합니다 』は、最近の韓国映画を象徴するような、地味で小さな、小さな作品だ。

 この映画は監督のユン・ジョンチャン(윤종찬)が数年前、『青燕』上映に合わせて日本に来た時、二本の新作を企画していると話していたうちの一本だったのかもしれず、物語はイ・チョンスン(이청준)の小説『チョ・マンドク氏/조만득씨』が元になっている…なんてことは極端な話、実はどうでもよかったりする。

 最大の見どころは、壱にも弐にも、主人公マンスを演じたヒョンビン(현빈)の変わりようだろう。
 マンスがヒョンビンだったことが判明した時、ビックリ、呆然とさせられる。

 薄汚く頭ぼさぼさ、ださいジャンパーに身を包み、行き所がなくて悶々としている田舎青年を、ヒョンビンは別人と見違えるばかりに大変身して、好演している。
 体重もかなり増やしたのじゃないだろうか?
 まるで、相撲部屋をやめたばかりの元力士のような風貌だ。

 それはよくある【韓流イケメン】には程遠く、ヒョンビンに向ける世間の期待を、おおいに皮肉るかのような役作りにも見えた。
 
 最近の日本でも、ヒョンビンは韓国ドラマの【韓流イケメン】として認知され、喧伝されているけど、その【無理やりアイドル】なイメージに、私はいつも、違和感がすごーく、ある。

 ヒョンビン自身、アイドルとして見られることに抵抗を感じている、という話を聞いたことがあるが、それが本当なら『私は幸福です』は、彼なりの【俳優】としての主張だったのかもしれない。

 『回し蹴り/돌려차기』では、真面目すぎて融通が利かないミンギュ役(しかもあまりテコンドの才能にも恵まれていない)を、本当に好演していたのだけど、この映画での、ヒョンビンに対する好評価を日本では聞いたことがない(というか、作品自体が無視状態じゃないですか?)。
 でも、この作品は、彼の原点の一つだと思っている。

 TVドラマの大ヒットもあって、あれこれするうちに、いつの間にやら日本でも【若手韓流スター】に仕立てられてしまったヒョンビンではあるけれど、彼の魅力とは、おしきせの【カッコイイ】とは対極的なところにあるのではないかと常々考える。

 『私は幸福です』でのヒョンビンが、日本の偏ったマーケットでどういう評価を受けるかはわからないけれども、彼本来の持ち味や可能性を活かせた、大変よい仕事ぶりだった、といいたい。

 【アイドルキャラ】で外貨を稼ぐのもビジネス一つの方法だが、ヒョンビンにはそれよりもなによりも、あくまでも【俳優】として、枠にはまらない方向性で、もっと活躍してほしいと願うのであった。

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