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Vol.304 江北方面は万年万博会場化 [韓国カルチャー]

 2010年、日本のマスコミは上海万博ばかり取り上げていた感がある。
 しかーし。

 韓国・ソウルも負けていなかった。
 ここ二年くらい、ソウル江北方面は、『万年万博化』に向けて、着々と企てが進行しているのだった。

 清渓川の蓋が開き、復元が始まった頃から、その予兆はあったけど、まさかここまで行くとは…
 イ・ミョンバク政権になってから、「ゼネコンが大躍進するぞ」と考えていた人は多かったけど、市内の再開発が、こうもアミューズメントの方向に進むとは、ちょっと想像できなかった。
 清渓川が流れる江北は、李氏朝鮮時代から今に至るまで、長らくソウルの中心的役割を果たしていた場所で、それゆえ、古い街並みが沢山残る街角でもあった。
 だが、ここ十年ばかりは、老朽化が急激に目立ち始めていたことも否めない。

市庁2.jpg
※この光景を今は見ることができません

 それが最近になって、街のあちこちで工事が始まり、風景は激変、江北でとにかく目立つのが、段々と『エセ万博』会場みたいになって来た、ということだろう。
 もしかしたら、崇礼門放火・焼失事件も、その引き金の一つになったのかもしれない。

 市内の古い建築物は次々と整備が行われ、夜は煌々とライトアップ、李舜臣像が睨みをきかせる世宗通りは、相当な面積で中央分離帯兼イベント広場が作られ、平日から観光客やら家族連れやらで、人がざわめく落ち着かない場所になってしまった。
 この通りは、かつて、無駄に広いだけ、という印象しかなかったけど、その寂寥感がまた、ソウル江北の代表的風景でもあった。
 だが、今は年がら年中、観光客相手のイベントを行う専門の通りみたいだ。

世宗通り.jpg

 李舜臣像の周りには噴水が作られたのはいいとして、異常な雰囲気を醸し出しているのが、その遥か後方に作られた、世宗大王の巨大な像だろう。

 市庁前広場付近は、現代建築の流行りをうわべだけを取り違えて貼り付けたような、ツギハギ感一杯のトンチキな街並みになり、東大門周辺は、より観光客向けの場所として、ソウル・オリンピック時の懐かしい面影は消滅してしまった。

 時代と共に風景が激変するのは、アジアらしい個性ではあるけれど、もう少し、なんとかならなかったの?という気がしなくもない。

 そしてそれは、ソウルという街、いや、韓国という国がいまだ、自らの形を模索して、あがいているようにも見えるのだった…

世宗2.jpg
横から見るとアン・ソンギに似てなくもないような


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