Vol.318 辛ラーメンをもらったけど、なんだか納得できないよー『義兄弟(의형제)』 [韓国映画]
かねてから観たいと思っていた『義兄弟』が予想より早く日本で公開されたので観に行く。
この作品はストーリーだけ聞くと、コケるパターンを地でいっているような企画だったが、蓋を開けてみると大ヒット、作品性も高く評価された作品である。
映画の出来はよく、南北問題をテーマにした諜報モノとしては傑出した作品だ。
特に始まりと終わりの緊迫感溢れる展開は素晴らしい。
団地での銃撃戦は韓国で起こった脱北者暗殺事件が下敷きになっているし、韓国に潜伏する諜報員の生活描写にも日本では分からないような説得力があって、スパイごっこ映画『二重スパイ』や爆裂お子様学芸会『アイリス』とは雲泥の差である。
時代背景を考慮して、劇中登場する携帯電話機がみんな古いモデルだったり、暗殺者「影」が北朝鮮製セスカ(Ceska Zbrojovka)のコピーを愛用していたりとディテールも細かい。
ただ、この映画が傑作になれなかったのは、国家情報院をクビになったハンギュ(=ソン・ガンホ)のドラマが生ぬるすぎ、冗長すぎてだれてしまうこと。
『義兄弟』というタイトルも、ヤクザな探偵暮らしの中で芽生えるハンギュと北の諜報員ジウォン(=カン・ドンウォン)の関係を象徴したものであり、それは南北問題の比喩でもあるわけなんだけど、とにかくダラダラダラリ、どうにもこうにも締まりがなく無理もある。
ここは全部切っちゃって、最初と最後だけ繋げたら傑作中編になりそうだ。
そこら辺のバランスは公開から十年以上を経ているのに関わらず、『シュリ』が今でも圧倒的に優れていると感じたのは私だけではないだろう。
もっとも、この映画を観に行った一番の目的はキム・ギドク傘下から離れたチャン・フン監督がどういう作品に仕上げたかということと、カン・ドンウォンが出演しているからに他ならない。
ソン・ガンホの方が日本では遙かに有名だが、今じゃ退屈な俳優になってしまったことは残念である。
昔のソン・ガンホは監督が困るような演技過剰なところがあって、余計な芝居をする俳優だったけど、その一生懸命さもまた、田舎の兄ちゃん丸出しのルックスと相まって、とても魅力的だった。
でも今は手抜きというか、要領良すぎる部分がやたら目立つので観ていて気持ちよくない。
たぶん、誰も彼に厳しく演出することができなくなっちゃったんだろう。
一方、カン・ドンウォンは相変わらず、つかみどころのないミステリアスなやつである。
なまりを無理に隠さないところもいい。
先日とうとう軍隊行き決定、これからどうなるんだろうと心配していたが、公益勤務ということなのでとりあえず一安心。
彼のようなキャラは軍隊から娑婆に戻ると、つまらない俳優になっちゃう可能性が高いからだ。
でも、公益勤務は公益勤務で、韓国男子としては色々複雑だろうな。
ちなみに当日、劇場で私の嫌いな「辛ラーメン」のカップ麺をもらう。
「韓国映画=韓国=辛ラーメン…」?????????????????∞
確かにタイアップとしては堅実だし、コストも掛からずで、ビジネスとして悪い選択ではない。
だけど「もう、そういう時代じゃないだろう」という憤りもまた強く感じてしまう。
結局、韓国映画を巡る日本の一般的イメージなんて十年前から何も変わっていないということなんだろう…
この作品はストーリーだけ聞くと、コケるパターンを地でいっているような企画だったが、蓋を開けてみると大ヒット、作品性も高く評価された作品である。
映画の出来はよく、南北問題をテーマにした諜報モノとしては傑出した作品だ。
特に始まりと終わりの緊迫感溢れる展開は素晴らしい。
団地での銃撃戦は韓国で起こった脱北者暗殺事件が下敷きになっているし、韓国に潜伏する諜報員の生活描写にも日本では分からないような説得力があって、スパイごっこ映画『二重スパイ』や爆裂お子様学芸会『アイリス』とは雲泥の差である。
時代背景を考慮して、劇中登場する携帯電話機がみんな古いモデルだったり、暗殺者「影」が北朝鮮製セスカ(Ceska Zbrojovka)のコピーを愛用していたりとディテールも細かい。
ただ、この映画が傑作になれなかったのは、国家情報院をクビになったハンギュ(=ソン・ガンホ)のドラマが生ぬるすぎ、冗長すぎてだれてしまうこと。
『義兄弟』というタイトルも、ヤクザな探偵暮らしの中で芽生えるハンギュと北の諜報員ジウォン(=カン・ドンウォン)の関係を象徴したものであり、それは南北問題の比喩でもあるわけなんだけど、とにかくダラダラダラリ、どうにもこうにも締まりがなく無理もある。
ここは全部切っちゃって、最初と最後だけ繋げたら傑作中編になりそうだ。
そこら辺のバランスは公開から十年以上を経ているのに関わらず、『シュリ』が今でも圧倒的に優れていると感じたのは私だけではないだろう。
もっとも、この映画を観に行った一番の目的はキム・ギドク傘下から離れたチャン・フン監督がどういう作品に仕上げたかということと、カン・ドンウォンが出演しているからに他ならない。
ソン・ガンホの方が日本では遙かに有名だが、今じゃ退屈な俳優になってしまったことは残念である。
昔のソン・ガンホは監督が困るような演技過剰なところがあって、余計な芝居をする俳優だったけど、その一生懸命さもまた、田舎の兄ちゃん丸出しのルックスと相まって、とても魅力的だった。
でも今は手抜きというか、要領良すぎる部分がやたら目立つので観ていて気持ちよくない。
たぶん、誰も彼に厳しく演出することができなくなっちゃったんだろう。
一方、カン・ドンウォンは相変わらず、つかみどころのないミステリアスなやつである。
なまりを無理に隠さないところもいい。
先日とうとう軍隊行き決定、これからどうなるんだろうと心配していたが、公益勤務ということなのでとりあえず一安心。
彼のようなキャラは軍隊から娑婆に戻ると、つまらない俳優になっちゃう可能性が高いからだ。
でも、公益勤務は公益勤務で、韓国男子としては色々複雑だろうな。
ちなみに当日、劇場で私の嫌いな「辛ラーメン」のカップ麺をもらう。
「韓国映画=韓国=辛ラーメン…」?????????????????∞
確かにタイアップとしては堅実だし、コストも掛からずで、ビジネスとして悪い選択ではない。
だけど「もう、そういう時代じゃないだろう」という憤りもまた強く感じてしまう。
結局、韓国映画を巡る日本の一般的イメージなんて十年前から何も変わっていないということなんだろう…
国家ご奉公前最後の映画、でもタイトルがベタすぎ…
こんにちは。
私も公開2日目に行った川崎の映画館で貰いましたが、辛ラーメンってまだ食べたことがないんです。
義兄弟のカン・ドンウォンが今までで一番良かったと思います。彼も年をとったからなのかな。
ラストはあり得ないと思いましたけど、今この社会が嫌なことばかりで体に悪い状況なので、ハッピーエンドで良かったというのが正直な感想です。
携帯電話とか銃器に目をつけるのはさすがですね。
ところで、この「超能力者」のコスの横顔、初めて見た時ヨンジュン?と思ってしまいました。馬鹿みたいですね。
by ishii (2010-11-19 18:15)
ラソーナ川崎は私もIMAXが目的で時々行きますが、最近は「Sho-Chu AUTHORITY」でレアもん探すのが楽しみになってしまいました(^^!)
by さるすべり (2010-11-23 18:26)