Vol.323 新・マッコルリ(막걸리)の味 [韓国の食]
ここ2年ばかり、日本はマッコルリ(막걸리/マッコリ)ブーム。
ガイドブックが次々と出版され、ネットもその手の情報で溢れかえっている。
韓国の酒造メーカーが、マッコルリで儲けた利益を脱税した疑いで日本の検察からガサ入れがあったニュースを読んだときは笑ってしまったくらいである。
韓国在中のフリーライターの方々も、日本のクライアントから同じようなマッコルリネタの依頼ばかりで、さぞかし、うんざりしているのではないだろうか。
このマッコルリブーム、一体どこから発生したのかよくわからないけど、流行病「韓流」が起こるだいぶ前から日本人旅行者の間では、結構マッコルリが好まれていた記憶がある。
でも実際飲んでいるのは、ほとんどが薄い味の殺菌したマッコルリだったし、日本人が大挙してやってくるような場所では、まともなマッコルリを取り扱っているお店がほとんどなかった。
当の韓国人も、まともなマッコルリなんて関心がないから、どこに行けば飲めるのか皆目分からない状態だった。
それが今では様相が180度変わり、日本のスーパーでも、あのぺらぺらの白いボルトに入った製品が溢れ返り、CFでは商品名が連呼されと、正直ウンザリする。
マスコミが「マッコルリ」と唱えれば、なんでもマッコルリという野放し・無法状態。
かつて、韓国でマッコルリといえば世間から引退した爺さんたちが昼間から公園で酔いつぶれる安酒の定番であり(韓国焼酎と組み合わせれば最悪の酒)、工事現場なんかでオッさんたちが昼休みに花札やりながらたしなむもの、というのが一般的なイメージであり原風景だった(危険な作業場で真っ昼間から酒飲んでいる事の方がオドロキだったけど)。
それ以外はレアな民俗居酒屋で時々飲むとか、マニアックな郷土料理屋で店が独自に仕入れたものを飲むとか、ちょっと特殊な飲み物でもあった。
それがいまじゃ、おしゃれな「お飲み物」。
もっとも地方の個性的なマッコルリは今でも生産量が少ないから日本の地酒と同じで希少で価値があり、どれだけ独自のマッコルリを出せるかが、お店のオーナー腕の見せ所かもしれない。
そのお店はソウルの某所にあった。
ここの売りはその独自のマッコルリである。
聞いた話では、全羅道の個人宅で作られていた自家製酒の種を譲り受け、オーナーが自分のところで生産、店で出しているらしい。
オープンな作りではあるが、一見なんのお店かわからない外観なので入りにくい印象、週末の夜にも関わらず店内はガラガラだ。
でも客層は静かだし、クソうるさいいつものBGMもないので、一杯やりながら話をするには良いお店である。
置いているマッコルリは、発酵タンクからそのまま汲み出した「탁주」と濾過した「당주」があって、全く異なる味だ。
特に「당주」は非常に上品、慶州の校洞法酒(一般に売られている法酒ではありません)に近く、日本食にも合いそうな味わい。
キムチを出さないのもこの店の特徴だが、確かにキムチをつまみに出したら台無し間違いなしの繊細な酒。
Eマートでヒラメの握り詰め合わせでも買って来て飲みたいようなお酒であるが、これってマッコルリなのか?という疑問も無きにしもあらず。
むしろ清酒と呼ぶべきだろう。
一方「탁주」は無濾過で、絵に描いたようなマッコルリ。
炭酸シュワシュワで、粉っぽく、酸味も強くて荒々しく、腹にもたれる。
どちらが美味しいかは好みの問題だが、個人的には、「당주」を勧めたい。
なぜなら、こうした上質の伝統酒を韓国では飲むことが難しいからだ。
この界隈は比較的最近、若いオーナーたちが個性的なお店を出すようになった場所で、ミーハーな観光客にあまり荒らされていない。
このお店のオーナーも、たぶん飲食店経営の経験が浅いのではないだろうか。
食事メニューはイマイチで、お酒の扱いも物足りないし、インテリアも素人くさい。
つまり、いつまで生き残れるか、ちょっと疑問なお店でもあるのだが、お酒の味は確かなので、韓国の不味い焼酎やビール、マッコルリもどきにうんざりしている方々は、一度訪れることをお勧めしたい。
ガイドブックが次々と出版され、ネットもその手の情報で溢れかえっている。
韓国の酒造メーカーが、マッコルリで儲けた利益を脱税した疑いで日本の検察からガサ入れがあったニュースを読んだときは笑ってしまったくらいである。
韓国在中のフリーライターの方々も、日本のクライアントから同じようなマッコルリネタの依頼ばかりで、さぞかし、うんざりしているのではないだろうか。
このマッコルリブーム、一体どこから発生したのかよくわからないけど、流行病「韓流」が起こるだいぶ前から日本人旅行者の間では、結構マッコルリが好まれていた記憶がある。
でも実際飲んでいるのは、ほとんどが薄い味の殺菌したマッコルリだったし、日本人が大挙してやってくるような場所では、まともなマッコルリを取り扱っているお店がほとんどなかった。
当の韓国人も、まともなマッコルリなんて関心がないから、どこに行けば飲めるのか皆目分からない状態だった。
それが今では様相が180度変わり、日本のスーパーでも、あのぺらぺらの白いボルトに入った製品が溢れ返り、CFでは商品名が連呼されと、正直ウンザリする。
マスコミが「マッコルリ」と唱えれば、なんでもマッコルリという野放し・無法状態。
かつて、韓国でマッコルリといえば世間から引退した爺さんたちが昼間から公園で酔いつぶれる安酒の定番であり(韓国焼酎と組み合わせれば最悪の酒)、工事現場なんかでオッさんたちが昼休みに花札やりながらたしなむもの、というのが一般的なイメージであり原風景だった(危険な作業場で真っ昼間から酒飲んでいる事の方がオドロキだったけど)。
それ以外はレアな民俗居酒屋で時々飲むとか、マニアックな郷土料理屋で店が独自に仕入れたものを飲むとか、ちょっと特殊な飲み物でもあった。
それがいまじゃ、おしゃれな「お飲み物」。
もっとも地方の個性的なマッコルリは今でも生産量が少ないから日本の地酒と同じで希少で価値があり、どれだけ独自のマッコルリを出せるかが、お店のオーナー腕の見せ所かもしれない。
そのお店はソウルの某所にあった。
ここの売りはその独自のマッコルリである。
聞いた話では、全羅道の個人宅で作られていた自家製酒の種を譲り受け、オーナーが自分のところで生産、店で出しているらしい。
オープンな作りではあるが、一見なんのお店かわからない外観なので入りにくい印象、週末の夜にも関わらず店内はガラガラだ。
でも客層は静かだし、クソうるさいいつものBGMもないので、一杯やりながら話をするには良いお店である。
置いているマッコルリは、発酵タンクからそのまま汲み出した「탁주」と濾過した「당주」があって、全く異なる味だ。
特に「당주」は非常に上品、慶州の校洞法酒(一般に売られている法酒ではありません)に近く、日本食にも合いそうな味わい。
キムチを出さないのもこの店の特徴だが、確かにキムチをつまみに出したら台無し間違いなしの繊細な酒。
Eマートでヒラメの握り詰め合わせでも買って来て飲みたいようなお酒であるが、これってマッコルリなのか?という疑問も無きにしもあらず。
むしろ清酒と呼ぶべきだろう。
一方「탁주」は無濾過で、絵に描いたようなマッコルリ。
炭酸シュワシュワで、粉っぽく、酸味も強くて荒々しく、腹にもたれる。
どちらが美味しいかは好みの問題だが、個人的には、「당주」を勧めたい。
なぜなら、こうした上質の伝統酒を韓国では飲むことが難しいからだ。
この界隈は比較的最近、若いオーナーたちが個性的なお店を出すようになった場所で、ミーハーな観光客にあまり荒らされていない。
このお店のオーナーも、たぶん飲食店経営の経験が浅いのではないだろうか。
食事メニューはイマイチで、お酒の扱いも物足りないし、インテリアも素人くさい。
つまり、いつまで生き残れるか、ちょっと疑問なお店でもあるのだが、お酒の味は確かなので、韓国の不味い焼酎やビール、マッコルリもどきにうんざりしている方々は、一度訪れることをお勧めしたい。
残念ですが閉店しました…
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