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Vol.463 ありがたいとんかつ [韓国の食]

 円安&ウォン高へのシフトに伴い、ソウルでどう食事代を浮かせるかが課題となっているこの頃だが、意外とお助けになるメニューに「とんかつ」がある。
 もちろん日系店や本格的なレシピを謳っているところは当てはまらないが、昔ながらの韓国式とんかつは今でもそれほど高くなかったりする。

 「韓国式とんかつ」といっても特別なものではなく、日本における昔の大衆食堂や家庭で作られたとんかつに近く、付属するキムチなどの副食や最初からソースがかかっていることを除けば日本人にとってお馴染みの味である。
 お店によっては肉を薄く叩き伸ばす場合もあるが、基本は普通のとんかつだ。
 日本暮らしの経験がある地元民はこの韓国式とんかつを嫌うこともあるが、せっかく韓国で食べる訳だから韓国式のほうを薦めたいし、食べ慣れればB級グルメのような趣もあってそれなりに美味しかったりする。

 江北某所の観光名所にある、そのとんかつ屋は定食の安さどうやら地元で支持されているらしいお店だ。
 日本ではおしゃれな「ショッピングスポット」と紹介されたりしている場所だが、実際は廃れていることが否めない街だ。
 一応オフィス街だが手軽な食堂はあまりなかったりもする。

 お店は古い低層の雑居ビルにあるのだが、分かりにくいにもかかわらず、いつも人で一杯だ。
 客層は家族連れに若者グループ、勤め人と、いわゆる普通の人々が集うお店である。
 ソウルでわざわざとんかつを食べる必然性は全くないが、懐に優しいし、観光客ばかりが押しかける有名店とは違って地元の素顔を見ることができるお店でもあると思う。

 最近少し値上がりしたのでとんかつ定食がW5000-からW5500-になったが、それでも量を考えるとソウルでは安い方だろう。
 大きなロースカツ二枚に握り飯が一個ついており、漬物やスープはお代わり自由。
 見た目よりも量があり、大人が食べるには十分以上、お店側の態度が悪いのも実に韓国の大衆食堂らしい。
 あくまでもコストパフォーマンス優先であり、口が肥えた人には向かないが「特別ではない」というところがいいのである。

 ここ十年あまりソウルでは本格的な日式とんかつ専門店がかなり増えたけど、それゆえ、こうしたショボい昔ながらのとんかつ屋に価値を感じるのは私だけではないだろう。
 物価上昇が著しく、外食産業の均一化と個性劣化が進む今のソウルで、懐かしさ漂う点でも貴重なお店かもしれない。

とんかつ定食.jpg


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