SSブログ

Vol.487 煉獄からの脱出となるか!? [韓国生活]

 以前、本ブログで紹介したA氏が遂に日本へ本格帰国することになった。
 韓国と縁が切れてしまう訳ではないが、ソウルの住居を引き払い東京に家を借りて、今後は日本にある会社で働くことになる。

 筆者はしばらく氏と会っておらず、ソウルで会う機会もこれが最後だろうと思い、久しぶりに彼が務めるオフィスに赴いてみた。

 そこはソウル市の外れ、新興オフィス街のインテリジェントビル内にある。
 ここら辺はかつて工場地帯であり、軍事政権下では労働運動のメッカのような場所だったが、盧武鉉政権時の公約で工場の多くが地方に移転した後は、再開発事業の一端として沢山のインテリジェントビルが建てられた。

 だが、こんな不便な場所にすすんでオフィスを設けるのは経営不安定な零細企業ばかりなので、なかなか住人が定着せず、駅前は賑わっているが街は半ばゴーストタウンのままだ。
 そのためか、食事をする場所も開店・閉店の繰り返しで安定しない。

 それとは反対に、このオフィス街を取り囲む古い市街地の方は、ここ十年、中国人のニューカマーが大激増、今ではインテリジェントビル群が新中華街に包囲された様相になっていて、まるで韓国人のアラモ砦のようだ。

 A氏が韓国で何の仕事に携わっているかは書かないが、クリエイティブ系の仕事である。
 近所には技術系ベンチャー企業が多いので、最近は日本人の出入りもだいぶ増えたらしい。

 A氏がソウルに住んで約十五年になる。
 彼の地での暮らしが合っているらしく、それなりの不愉快な問題はあっても、意外と日本人独身男性にとってソウルの下町生活はそんなに悪くないのかもしれない。
 逆に妻帯者・家族持ちだったら、こんなに長くソウル暮らしは続けられなかったと思う。

 かつて、昔の韓国をよく知る日本人に「昔の汚い地方暮らしに耐えられるなら、韓国でやって行けるよ」というアドバイスを受けたことがあるけれど、A氏くらいの年齢だと、今のソウルはちょうど、ご当人の子供時代や学生時代に近い生活水準かもしれない。

 仕事場は趣味が高じての熱帯魚の水槽や観葉植物が幾つも立ち並んでいて、会社内オアシスと化している。
 玄関のフラワーアレンジメントも担当していて、その見事な空間プロデュースぶりは会社公認となり、経費も出してくれるようになったというから大したものである。
 でも、韓国は今だ娯楽の選択肢が少ないので、それもA氏が内装に熱を上げていた理由の一つなんだろうと思う。

 仕事自体はかなり忙しいはずなのだが、韓国は個人と家族優先の社会なので、A氏が以前仕事をしていた東京に比べれば、そこそこのんびりしている。

 筆者は韓国の暮らしが決して夢のように楽しいとは思わないし、同じような所得レベルなら、小金持ちであっても貧乏であっても、日本の方が便利で遥かに楽しみが多いという認識は今だ変わらない。

 しかし、いつも気が抜けない東京の生活に比べると、皆が自分勝手で、いい加減で、その場主義に見えてしまうソウルの暮らしは、日本人が一度馴染んでしまうとその緩い空気から抜け出し難くなってしまうのかもしれない。

 取り急ぎですが、Aさん、お疲れ様でした!!!

heyaJPG.JPG
筆者もこことお別れ。ちょっと寂しいです…

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。