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Vol.468 雑巾のようなマッコルリ [韓国の食]

 度を超したマッコルリブームはだいぶ前に去ったが、今も日本のマーケットやらなんやらでは、手を変え品を変えで山のように商品が並んでいる。
 缶入りもいつの間にか定番化し、ビール棚に鎮座している始末。

 いくらなんでもここまで来るとは思わなかったが、マッコルリのお手軽さは実は日本の酒類マーケットの中で見逃されていた層に意外にもガッチリ食い込んだのかな、とも思う。

 元々、それほど美味しい酒ではないし、ここまで日本でメジャー化してしまうことに不自然さを感じなくもないが、韓国焼酎が絶賛されるよりは遥かにマシなことかもしれない。

 ソウルでも昔に比べると、普通に置いてある店が明らかに増えて定着した。
 「オシャレ」を自認しているお店だと、そこそこ生産地別に種類を取り揃えていたりする。

 いわば、ワインや日本酒の地酒感覚に近く、マッコルリの「地酒化」だ。
 ただ、それらの大半は値段が高い割りに味の相違が感じられず、やっぱり田舎で密造酒的に作られているものを飲まないと美味しい発見はないんだろうな、とも思う。

 近年における物流の発達のお陰で、ソウルでもかなり珍しいものが出回るようになったが、それまでの手作り品から量産品になってしまうことで、「モドキ」に成りつつある韓国の味の代表がマッコルリであり、テンジャンであり、コチュジャンである気がする。

 そこはソウル・江北某所の裏路地にあるオシャレなカフェだった。
 一時期のマッコルリブームの影響の元、運営されているお店らしく、全国のマッコルリを取り揃えているのが目玉だったが、値段が高いだけ、あんまりありがたみも無かったのが正直なところだった。

 だが、そこには見たこともないマッコルリが一つだけあった。
 それは裸の瓶に詰められ、ラベルも何もなく、灰色にどろんと淀んだ酒の中に螺旋状の成分が渦巻いていることもあってか、水浄場の汚水見本にソックリだった。

 雑巾を連想させるので、私は「雑巾マッコルリ」と呼んでいた。
 ただ、質はよかったと思う。
 栓を抜くと、振ってもいないのに中から激しく液体が吹き出すことから、「生」なんだろう。
 味は仲々繊細でクセもなく上品な甘さがあった。
 その分、物足りなくもあったが、久しぶりに韓国で飲んだ個性的なお酒ではある。

 ただ、問題は価格。
 ビール瓶一本程度の量なのに、3万ウォン近くもする。
 これじゃ、地元の人は誰も注文しないだろう。
 なんだか、バブルなマッコルリなのであった…

zoukinn2.jpg
今はソウルで飲めないかも?

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