Vol.485 済州島の味とは? [韓国の食]
ソウルに済州島式料理を出すお店は幾つかある。
済州島は元々、海産物や黒豚の産地として有名なので、ソウルでは専門の郷土料理店でなくても、魚や豚肉関係はよく、「済州島なんたら」という表記を看板に上げていたりする。
つまり、キャッチコピーとしてはあまり珍しくはない訳だが、済州島の味に近い本格的なお店となると、実はかなり少ないらしい。
風土が異なるのでそれは当たり前だし、ソウルで本式のものを食べる意味も薄いので、基本的に興味はないのだが、最近人気と噂の某店が気に入ったので、どこまで味が本物なのかを確認すべく、済州島出の食にうるさい人物を、その店に連れて行ってみた。
このお店の特徴は、焼き肉やら海鮮系が主体ではない、ということである。
昼間は食堂、夜は居酒屋といった感じで、主にククスやらスユクやらスンデやら、おつまみ系の料理を主体としている。
メニューは全て済州島言葉で書かれており、一見なんだか分からないが、注文すると普通の韓国料理とそれほど変わらなかったりする。
焼酎は、済州島で作られている「한라산=漢拏山」の度数違いが二種類と、高価な地焼酎系の「허벅술」が置いてある。
「한라산=漢拏山」は、かつて原料に使っている水の味が際立っていたので、韓国焼酎としては美味しい方だったが、残念ながらここ二三年、味が大幅に変わってしまい、普通の韓国焼酎に成り下がってしまった。
「허벅술」の方は米を原料にしたお酒だが、お店ではW6万を超える高級品でとても手が出ないので諦めた。
ちょっと飲んでみたい気もするが、味の方は予想がつくし、日本でシングルモルトの中級品が買える価格だから、済州島に里帰りする人が誰かいたら、頼もうかな??
前回来た時は、スユク(돔베고기※1)とスンデ(종순대)の肉肉コンビを注文したが、ここの売りはどうやらククスらしいので、今回は「고기국수」とスープ料理である「몸국(※2)」を注文する。
スユクとスンデはそれなり個性的な味だったが、この二品はもっと郷土料理の色彩が濃い。
(※1)돔베=済州島の言葉でまな板を指す。(※2)몸=ホンダワラの一種。
「고기국수」はかなりの太麺で、スープはベースが豚骨らしく、うどんとラーメンの中間のような感じ、二人くらいで分けて食べると、丁度いい量だ(「ラーメン二郎」の小ラーメンくらいある)。
味自体は悪くないが、やっぱりククスと言えば私の場合、「細麺+イワシ味+醤油系」の方が、やはり好みである。
「몸국」の方も豚骨ベースのスープ、そこに海藻と豚肉がどっさり入っていて、食べごたえは十分だ。
済州島では誕生日に作る代表的な家庭の味、ということらしい。
前回、スユクを注文した時に出てきたイワシの塩辛が美味しかったので、今回も頼んで見たが、なんだかビシャビシャで味が薄い。
どうも、当たり外れが激しいようだが、本来なら酒のつまみとして、とてもいいものだ。
早速、くだんの済州島人に、この店の感想を聞いてみたが、イマイチという答えが返ってきた。
「不味くはないが、心が入っていない」という。
かくいう私も、前に来た時より、料理は手抜きのような気がしたのだが、お店のスタッフは皆若いので、まだまだ発展途上中なんだろう。
結論から言うと、場所柄いつも混んでいるし、店内は狭く、価格も高くで、友人たちとウダウダするにはダメな店だが、つまみにうるさい人には、そこそこ向いているお店かもしれない、という感じである。
ソウルにある済州島料理のお店として信頼できるのは、聞いたことを総合すると광화문駅にある某店と、어린이대공원駅にある某店、건대입구역駅にある某店ということらしいが、광화문以外は場所が場所なので、なかなか行く機会はない。
でも、어린이대공원のお店は本当に済州島の味を再現しているらしいので、今度時間を作って行ってみようかな?と思うのだった。
済州島は元々、海産物や黒豚の産地として有名なので、ソウルでは専門の郷土料理店でなくても、魚や豚肉関係はよく、「済州島なんたら」という表記を看板に上げていたりする。
つまり、キャッチコピーとしてはあまり珍しくはない訳だが、済州島の味に近い本格的なお店となると、実はかなり少ないらしい。
風土が異なるのでそれは当たり前だし、ソウルで本式のものを食べる意味も薄いので、基本的に興味はないのだが、最近人気と噂の某店が気に入ったので、どこまで味が本物なのかを確認すべく、済州島出の食にうるさい人物を、その店に連れて行ってみた。
このお店の特徴は、焼き肉やら海鮮系が主体ではない、ということである。
昼間は食堂、夜は居酒屋といった感じで、主にククスやらスユクやらスンデやら、おつまみ系の料理を主体としている。
メニューは全て済州島言葉で書かれており、一見なんだか分からないが、注文すると普通の韓国料理とそれほど変わらなかったりする。
焼酎は、済州島で作られている「한라산=漢拏山」の度数違いが二種類と、高価な地焼酎系の「허벅술」が置いてある。
「한라산=漢拏山」は、かつて原料に使っている水の味が際立っていたので、韓国焼酎としては美味しい方だったが、残念ながらここ二三年、味が大幅に変わってしまい、普通の韓国焼酎に成り下がってしまった。
「허벅술」の方は米を原料にしたお酒だが、お店ではW6万を超える高級品でとても手が出ないので諦めた。
ちょっと飲んでみたい気もするが、味の方は予想がつくし、日本でシングルモルトの中級品が買える価格だから、済州島に里帰りする人が誰かいたら、頼もうかな??
「한라산」
透明がオリジナル、緑が度数の低い方。
「허벅술」
日本でも買えるみたいです。
前回来た時は、スユク(돔베고기※1)とスンデ(종순대)の肉肉コンビを注文したが、ここの売りはどうやらククスらしいので、今回は「고기국수」とスープ料理である「몸국(※2)」を注文する。
スユクとスンデはそれなり個性的な味だったが、この二品はもっと郷土料理の色彩が濃い。
(※1)돔베=済州島の言葉でまな板を指す。(※2)몸=ホンダワラの一種。
「고기국수」はかなりの太麺で、スープはベースが豚骨らしく、うどんとラーメンの中間のような感じ、二人くらいで分けて食べると、丁度いい量だ(「ラーメン二郎」の小ラーメンくらいある)。
味自体は悪くないが、やっぱりククスと言えば私の場合、「細麺+イワシ味+醤油系」の方が、やはり好みである。
고기국수
「몸국」の方も豚骨ベースのスープ、そこに海藻と豚肉がどっさり入っていて、食べごたえは十分だ。
済州島では誕生日に作る代表的な家庭の味、ということらしい。
몸국
前回、スユクを注文した時に出てきたイワシの塩辛が美味しかったので、今回も頼んで見たが、なんだかビシャビシャで味が薄い。
どうも、当たり外れが激しいようだが、本来なら酒のつまみとして、とてもいいものだ。
早速、くだんの済州島人に、この店の感想を聞いてみたが、イマイチという答えが返ってきた。
「不味くはないが、心が入っていない」という。
かくいう私も、前に来た時より、料理は手抜きのような気がしたのだが、お店のスタッフは皆若いので、まだまだ発展途上中なんだろう。
結論から言うと、場所柄いつも混んでいるし、店内は狭く、価格も高くで、友人たちとウダウダするにはダメな店だが、つまみにうるさい人には、そこそこ向いているお店かもしれない、という感じである。
ソウルにある済州島料理のお店として信頼できるのは、聞いたことを総合すると광화문駅にある某店と、어린이대공원駅にある某店、건대입구역駅にある某店ということらしいが、광화문以外は場所が場所なので、なかなか行く機会はない。
でも、어린이대공원のお店は本当に済州島の味を再現しているらしいので、今度時間を作って行ってみようかな?と思うのだった。
映画『산타바바라』(2013)では、このお店が撮影に使われていました。
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