Vol.177 新林(신림)を行く [韓国生活]
先日、久しぶりに新林駅(신림)周辺を昼間に歩いてみた。
韓国の知人と待ち合わせの約束をしていたのだが、彼らが時間通りに来るわけないと踏んでいたので、ブラブラしてみる。
かつてスンデだとかアグチムの小さなお店が並んでいた駅前十字路のとある一角は、複合商業ビル「ルネッサンス(르네삼스)」がそそり立ち、昔の面影は完全に消滅している。
その裏の方にあったピンク専門の映画館も無くなって久しい。
その中で、新林駅前にあるロッテリア(롯데리아)だけは、今も昔も相変わらず健在だ。
「ルネッサンス」の反対側には高級マンションの建設が続けられているが、一年前からちっともビルの形になっていないことに驚く。
ここにはCGV劇場チェーンが入ることが決まっているが、これでは当分の間、プリモス劇場との正面衝突は心配なさそうだ。
ここ「新林駅」から「新大方(신대방)駅」にかけての地域は、私にとって、最もお馴染みの街であった。
最近、韓国にはコアな日本人リピーターや留学生が激増したためか、それなりに知られて来てはいるが、以前は他の知人連中が「なんで日本人のおまえが、そんな所にいくのだ?」と、真顔で尋ねて来るような界隈だった。
新林駅は、一応「スンデ料理の街」として喧伝されてはいるものの、残念ながら一度も行ったことはない。
なぜなら、韓国の友人たちは誰も行きたがらなかったからだ(^^!)
ちなみに映画「怪物/(괴물)」において、パク・ヘイル演じるナミルが、ユン・ジェムン演じる浮浪者と出会う場所は、新林駅から歩いて7、8分の川原である。
実は新林というところは、昔から日本人がけっこう住んでいた。
日本の下請けをしている会社が幾つもあって、そこに通うために、この界隈に部屋を借りて住んでいた日本人は少なからずいたのだ。
地下鉄2号線新林駅自体は、冠岳山(관악산)への登山口やソウル大学に近いこともあってか、それなりに昔から栄えている場所だったが、どちらかというと低所得者の街でもあって、今でも街には古いレンガ作りの平屋建てが密集し、屋上には黄色い貯水タンクが林立している。
だが、久しぶりに昼間の新林駅周辺を歩いてみると、予想以上に大きく街の再開発が進んでいることに気がつく。
大きなビルがぼこぼこと増え、街の見晴らしがやけに悪くなっている。
新林周辺の特徴のひとつに、物価が安い場所、ということがあって、食費に関していえば、SEOUL中心部の相場よりも¥200~¥300は安かっただろう。
モノによっては¥1000くらい安かった記憶もある。
しかし、最近はあまりそういったメリットを感じることはなくなってしまったようだ。
そして「新林駅」の次に位置する、「新大方駅」。
正確にいうと、ここは「新林界隈」とはいえないのだが、そういっても差し支えないだろう。
ここらも、SEOUL市内他の場所とは異なる、ちょっと不思議な街であった。
この駅から徒歩で10分程度にある、南部循環路と交差する南谷四差路(난국사거리)にあった小さな雑貨屋(俗にいう「マート」)は昔、珍品の宝庫だった。
たとえば「プッシャ・プッシャ(뿌셔뿌셔)」というラーメン菓子。
通常、「プルコギ味」だとか「トッポギ味」、「ピザ味」はあっても、「イチゴ味」とか「チョコレート味」とか「メロン味」となると(注:これらの味は現在ありません)、大きなお店でも、なかなか置いていなかった。
しかし、このマートでは全てが常備されており、私の記憶では、そんなお店はここだけだった。
その他にも、地方だけで流通しているような伝統茶であるとか、伝統酒であるとか、伝統菓子であるとか、他では観たこともない清涼飲料水とか、デパートでも並んでいないようなマイナーなものが所狭しと並んだ不思議なお店であった。
また、新大方駅周辺は、安い下着の専門店(想像を超える凄まじいガラばかりだった)だとか、金物類が異常に充実した雑貨店だとか、構えは小さいが本格的な日式料理屋がたくさん並んでいたりとか、とにかく店舗のバランスが異様な街であった。
しかし、そんな不思議な街並も、今は通勤に便利な場所として再開発が進み、以前のような鄙びたヘンな場所ではなくなりつつある。
昔を懐かしんでも仕方ないが、街の再開発というものは、目に見えない多くのものを失うことでもある。
有名な悪い例をあげれば、仁寺洞なんか、その典型だろう。
両者を比較しても意味はないが、古き良きお馴染みの風景が様変わりするたびに、そんなことをいつも考えてしまうのだった…
韓国の知人と待ち合わせの約束をしていたのだが、彼らが時間通りに来るわけないと踏んでいたので、ブラブラしてみる。
かつてスンデだとかアグチムの小さなお店が並んでいた駅前十字路のとある一角は、複合商業ビル「ルネッサンス(르네삼스)」がそそり立ち、昔の面影は完全に消滅している。
その裏の方にあったピンク専門の映画館も無くなって久しい。
その中で、新林駅前にあるロッテリア(롯데리아)だけは、今も昔も相変わらず健在だ。
「ルネッサンス」の反対側には高級マンションの建設が続けられているが、一年前からちっともビルの形になっていないことに驚く。
ここにはCGV劇場チェーンが入ることが決まっているが、これでは当分の間、プリモス劇場との正面衝突は心配なさそうだ。
ここ「新林駅」から「新大方(신대방)駅」にかけての地域は、私にとって、最もお馴染みの街であった。
最近、韓国にはコアな日本人リピーターや留学生が激増したためか、それなりに知られて来てはいるが、以前は他の知人連中が「なんで日本人のおまえが、そんな所にいくのだ?」と、真顔で尋ねて来るような界隈だった。
新林駅は、一応「スンデ料理の街」として喧伝されてはいるものの、残念ながら一度も行ったことはない。
なぜなら、韓国の友人たちは誰も行きたがらなかったからだ(^^!)
ちなみに映画「怪物/(괴물)」において、パク・ヘイル演じるナミルが、ユン・ジェムン演じる浮浪者と出会う場所は、新林駅から歩いて7、8分の川原である。
実は新林というところは、昔から日本人がけっこう住んでいた。
日本の下請けをしている会社が幾つもあって、そこに通うために、この界隈に部屋を借りて住んでいた日本人は少なからずいたのだ。
地下鉄2号線新林駅自体は、冠岳山(관악산)への登山口やソウル大学に近いこともあってか、それなりに昔から栄えている場所だったが、どちらかというと低所得者の街でもあって、今でも街には古いレンガ作りの平屋建てが密集し、屋上には黄色い貯水タンクが林立している。
だが、久しぶりに昼間の新林駅周辺を歩いてみると、予想以上に大きく街の再開発が進んでいることに気がつく。
大きなビルがぼこぼこと増え、街の見晴らしがやけに悪くなっている。
新林周辺の特徴のひとつに、物価が安い場所、ということがあって、食費に関していえば、SEOUL中心部の相場よりも¥200~¥300は安かっただろう。
モノによっては¥1000くらい安かった記憶もある。
しかし、最近はあまりそういったメリットを感じることはなくなってしまったようだ。
そして「新林駅」の次に位置する、「新大方駅」。
正確にいうと、ここは「新林界隈」とはいえないのだが、そういっても差し支えないだろう。
ここらも、SEOUL市内他の場所とは異なる、ちょっと不思議な街であった。
この駅から徒歩で10分程度にある、南部循環路と交差する南谷四差路(난국사거리)にあった小さな雑貨屋(俗にいう「マート」)は昔、珍品の宝庫だった。
たとえば「プッシャ・プッシャ(뿌셔뿌셔)」というラーメン菓子。
通常、「プルコギ味」だとか「トッポギ味」、「ピザ味」はあっても、「イチゴ味」とか「チョコレート味」とか「メロン味」となると(注:これらの味は現在ありません)、大きなお店でも、なかなか置いていなかった。
しかし、このマートでは全てが常備されており、私の記憶では、そんなお店はここだけだった。
その他にも、地方だけで流通しているような伝統茶であるとか、伝統酒であるとか、伝統菓子であるとか、他では観たこともない清涼飲料水とか、デパートでも並んでいないようなマイナーなものが所狭しと並んだ不思議なお店であった。
また、新大方駅周辺は、安い下着の専門店(想像を超える凄まじいガラばかりだった)だとか、金物類が異常に充実した雑貨店だとか、構えは小さいが本格的な日式料理屋がたくさん並んでいたりとか、とにかく店舗のバランスが異様な街であった。
しかし、そんな不思議な街並も、今は通勤に便利な場所として再開発が進み、以前のような鄙びたヘンな場所ではなくなりつつある。
昔を懐かしんでも仕方ないが、街の再開発というものは、目に見えない多くのものを失うことでもある。
有名な悪い例をあげれば、仁寺洞なんか、その典型だろう。
両者を比較しても意味はないが、古き良きお馴染みの風景が様変わりするたびに、そんなことをいつも考えてしまうのだった…
↑新林駅、永遠のランドマークとなりえるか?ロッテリア(^^)
タグ:ソウル
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