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Vol.289 カン・ドンウォンはオダジョーに続けるか?『チョン・ウチ』 [韓国俳優]

 日本の俳優、オダギリ・ジョーは、妻夫木 聡、浅野 忠信と並んで、日本文化マニアの間で人気が高い個性派の一人、今では海外でもそれなりに認知されていることは、ご承知の通り。

 オダギリ・ジョーは日本でも特異な存在だが、俳優やタレントに、紋切り型イメージを求める傾向が強い韓国では、なおさら光る。

 かつて、韓国の若い知人と【韓国でオダジョーに該当するのは誰だろう?】という話をしたことがあるが、結局は【ああいうタイプは韓国にいないよ】という結論に至ったことがあった。

 だから、当分の間、オダギリ・ジョーのような形容不詳な個性派が、韓国で出現することは極めて難しいと考えていたのだけど、2009年末に公開された『チョン・ウチ/전우치』でのカン・ドンウォン(강동원)は、その予想をいい意味で、さっさと裏切ってくれたようだ。

 2009年韓国映画のとりを飾るべく登場した大作『チョン・ウチ/전우치』だが、作品の評判は、あまり良くない。
 しかし、現代韓国娯楽映画一つの頂点を極めたかのような作品でもあって、そんなにつまらないわけではなく(長くてだれるけど)、アクションやVFXレベルの技術的高さでは、最近10年間における、韓国映画界の偏った異常進化がよくわかる例かもしれない。

 無意味と思えるほど派手なシーンの連続で、九老デジタル団地で行われた大がかりなカーチェスの撮影は、知り合いの間で結構、話題になったものだ(でも、編集がヘタなので劇中の迫力はイマイチ)。

 でも、そんなことよりも、なによりも、この映画最大の見どころは、やはり、主人公チョン・ウチ演じたカン・ドンウォンの【カッコ良さ+α】の魅力に尽きる。
 今までの彼とはかなり違っていて、韓国人男性らしい、粗野な不貞不貞しさが加わっていて、それが実に格好よくて、その破天荒なキャラクターもまた、見事にカン・ドンウォンの個性にはまっているのだ。

 彼が【ニヤリ】とほくそ笑んで、妖怪たちと激しいバトルを繰り広げる様子は、歌舞伎の十八番を彷彿させ、ばっちりと決まっているけど、韓国映画じゃ、こういうことは珍しい。
 チョンウジが分身を駆使して、魔王と大乱戦するシーンは、ケレン味たっぷり、韓国映画史に残りそうな、素晴らしさだ。

 俳優カン・ドンウォンは、売れる前から注目してはいたのだけど、今までの中性的でフワフワした魅力から、また一つ、予想外の進化を遂げた感じがする。

 日本の偏向した韓流マーケティングでは、カン・ドンウォンの魅力を一般にアピールすることが難しいし(認知度はそこそこあるけど)、人気が出たら出たで、【韓流イケメン】とかいう、いつもの芋判を押されて、オシマイになる可能性が高いことは残念ではある。
 
 しかし、日本を含む、海外のクリエイターたちが、カン・ドンウォンの映画的魅力にもっと気がついて、積極的に起用して欲しいと願うし、カン・ドンウォンを取り巻く関係者もまた、そういった機会に応えて欲しい、と願うのであった(でも、ボッタクリのイベントには出ないでね)。

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