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Vol.377 찜질방はラブホの代わり? [韓国生活]

 韓国にいると、昼寝をするために日本でいえばサウナというか、銭湯というか、街場の찜질방をよく使う。
 これは至極便利な施設なので、よく行く街角ではどこに찜질방があるか、なるべくチェックしている。

 ソウルでは強行スケジュールに陥ることが多いので、できるだけ昼寝の時間を設けて、無理をしないように心がけている。
 韓国には特に昼寝の習慣はないが、ある程度、融通が効く時間を取れるようであれば、普通の勤め人でも寝ていたりする。

 連続して労働するよりも、間に休む時間をきちんと置いた方が作業効率が良くなることは、かなり前から証明されていることだが、日本では無理な連続勤務が美徳であり当然、みたいなところがあるし、東京ではろくに休むこともできない。
 三十分でいいから、熟睡できる施設が街場にあればいいのに、と昔からよく思う。

 そんな訳で、ソウル某所にある찜질방でも、よく昼寝していることを知り合いの俳優氏に話したら、「ギョッ」とされて引かれたことがあった。
 理由を尋ねたら、そこの男湯はゲイ・ピープルの発展場として有名で、痴漢行為も頻繁だから要注意であるという。

 そんなことを今更言われても困るわけだが、男同士が誘い合っているような場に遭遇したことはないし、ごく普通の勤め人たちもたくさん来ている。
 該当するような人がいるのだろうかと、一度観察したことがあるけれど、全くわからなかった。

 一般に、韓国の찜질방には、木炭サウナだとか岩塩サウナだとかが設けてあるのだが、これは一種の個室になっていて、時間帯がうまく合えば、ほとんど貸切状態だ。
 みんながゴロ寝する大広間も、概して薄暗い。
 そのためか、「ゲイがどったらこったら」というよりも、以前から若いカップルがお手軽に愛を交わすための、これまた、お手軽施設になっていたりする。

 さすがに堂々と「本番」やっているところを見たことはないが、密室の片隅で、ラブラブの二人を見ることは珍しくない。
 その部屋への闖入者が男の場合、「見ない、気にしない」フリをするのが暗黙の了解だったりするから、若い二人の熱~い愛が交わされる横で、サラリーマンのおっさんがイビキをかいて眠る光景は、まるで今村昌平の映画の1シーンのようで、結構笑えるのだった。

 だが、闖入者がおばさんたちだとこうはいかない。
 彼女たちもとりあえず知らんふりはしているけど、おしゃべりに夢中にみせかけつつ、奥の二人に対して、ビリビリと凄まじい視線を放射する。
 そのエネルギーは、あまりに強力なので、同じ部屋にいると辛いくらいだ。
 結果、カップルはすごすごと退散し、おばちゃんたちは何事もなかったようにおしゃべりを続ける。

 だが、それは要領の悪いカップルの話であって、大体、おばさんたちが入って来たのがわかった途端、彼らは出ていってしまう。
 それを観ていると、「韓国らしくて微笑ましいなぁ~」と思いつつ、どうせなら、街場に乱立しているラブホに行けば?とも思ってしまう。

 だが、今のソウル、ラブホはかなりお高くなっており、小金持ちでなければ、ホイホイと使いにくいのかもしれない。
 それに比べれば、찜질방は安いし、ある程度、周りの人も暗黙の了解でプライバシーを守ってくれたりもするから、お金が無い若い二人にとっては、決して悪い場所ではないのだろう。
 
 そして、そこには、若者の働く場所が年々厳しくなっている韓国社会の姿もまた、透けて見えてくるように思えるのだった。

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