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Vol.424「ブルータスよ、おまえもか」は決して悪いことばかりじゃない [韓国カルチャー]

 新沙駅周辺における最後の映画館ともいえるブロードウェイ劇場が、先ごろロッテシネマへと名前を変えた。
 元々設備が古い劇場だったし特に思い入れもないから、別にどうでもいいのだけど、ソウルでは数少なくなった旧態然とした映画館であり、その前を通ることが多かったので、今回装いが変わったことはちょっと寂しい気もする。

 ここ数年、韓国の映画館は一挙に大手チェーン寡占化が進み、実質CGVとCINES、ロッテシネマ三つ巴の戦いと化している。
 だが、かつて主流だった観客搾取丸出しで設備の悪い映画館がどんどん淘汰されているし、各チェーンとも差別化を図るべくそれなりに独自のプログラムを組むようにもなって来ている。
 かつての二番館の機能を、いまは大手チェーンが補填しているような感すらあるのだ。
 「なんでも大手一色」というのは、いささか気持ち悪いが、観客として実はいいこともある。

 旧ブロードウェイ劇場には、INDY Storiesが運営する「inde+(インディ プラス)」が独立した形で併設されているが、ロッテシネマになった後、こっちまで改装されていたことには驚いた(契約が終了した後、ロッテシネマにそのまま戻ることになっているのかな?)。
 シートは特注と思われる居心地の良いものに交換され、一番の欠点であった「前の人の頭がスクリーンに被る」という問題も、座席の配列を互い違いにすることでいくらかましになり、画像や音響も以前よりクリアになったような気がする。
 この「inde+」は場所柄、催しが多く開かれるから、より好ましい上映環境になったといえるだろう。
 窓口も別扱いになっているので、時間帯によってはお昼で人がいないとか、お釣りがなくてあたふたといったギャグのようなことも起こるが、これもインディーズ作品専門館の個性だと思えば許せる範囲。

 肝心のロッテシネマにしても、近所に謎の「カロス・キル」と称する急造の観光名所が控えていることや、外国人向けと思われるホテルが新沙辺りに急増していることから、外国人専用の字幕付き映画興行やそれに準じたプログラムを組む、ということも今後ありうると思う。
 新沙駅に唯一生き残った映画館という意味では、とりあえず末永く残って欲しい映画館の一つなのだった。

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