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Vol.474 トイレ事情の謎 [韓国生活]

 今だに「韓国のトイレは紙が流せない。使った紙はゴミ箱に捨てるから韓国は汚い」など、日本のブログなどでそれらしく書かれている記事を目にするが、一体これはいつ、韓国のどこでのことなのだろうか?と不思議に思う。

 なぜなら私はそういうトイレを韓国で一度も見たことがないからだ。
 これらの話が二十年前、三十年前のことであるとか、インフラ不備の特定地域の話なら分からないでもないが、そういう情報がいつも書かれていない。

 確かにソウルのど真ん中であっても一部区域は水道事情が今もよろしくなく、「紙を流せないトイレ」が絶対無いとは言わないが、観光客の出入りが多いような場所では、「使った紙をゴミ箱に捨てさせる」トイレの方が逆に希少なのではないだろうか?

 私が初めて韓国を訪れたのは軍事政権の終わり頃、お世辞にもインフラが良いとは言えなかったが、その時ですら、紙が流せない水洗トイレを都市部で見た記憶が無い。
 地方の周辺部はなんとも言えないけど、市庁所在はちゃんと紙が流せる水洗式だったし、そうでなければ汲み取り式だった。
 
 当時、私は京畿道某所にある知人のアパートで世話になったことがあったが(昔はかなりの田舎、今はセレブな住宅街)、風呂は無くてもトイレはちゃんと紙を流すことが出来る水洗式だった。
 そこで何故か「ゴミ箱が便器の横にあるけど、そこに使った紙は捨てないでね」と言われたことがある。
 なぜかと問えば「田舎から来た親戚が泊まった時、ゴミ箱に捨てちゃうので困ったんだよ」

 つまり当時はそういうトイレもあったということなのだが、韓国における「紙を流せない水洗トイレ」絡みの実話は後にも先にもこれっきりである。

 一昔前、韓国におけるトイレ様式は、出入口辺りに大きなロールホルダーが設置され、使用するだけの紙を先に巻き取って、使い残した分は捨てる手順になっており、そのため個室にやたらと大きなゴミ箱があることが多かった。

 韓国のトイレ事情をなじる話は、おそらく古いビルでたまたま、そういったトイレでゴミ箱に誤って捨てられた汚れた紙に遭遇し、「韓国ではケツ拭いたら紙はゴミ箱に捨てるんだぜ、汚ねぇなぁ~」なんて言っているのが元になっているような気がする。

 確かにそういう汚れた紙を目撃することは今も稀にあるが、おそらく年配者か僻地から来た人の勘違いである可能性が高いと思う。

 韓国のトイレ、特に共同で使用するトイレに問題があるとすれば、「汚い」「紙が常備されていない」「洋式が意外と少ない」「男女兼用」などを上げることができるが、いくつかは日本のそれと同じだし、「男女兼用」にしても主に古い施設に見られる現象であって最近はさすがに減っている。

 それよりも韓国で意外と要注意なのは、シャワー式トイレだろう。
 日本製に比べ性能が劣り、あまりメンテナンスをやっていないことがあったりする。
 水漏れを起こしてもほったらかし、壊れていて水もお湯も出ない、なんてまだいい方で、洗浄水が危険なくらい高温だったり、乾燥機をONにすると凄まじい悪臭が吹き出したりと、こっちの方がよほど問題だ。

 ここ十年あまり激増したインテリジェントビルではこうしたシャワートイレに遭遇するが、仕事などで初めて行く方は負傷しないように気をつけて欲しい。

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これは凝り過ぎなトイレの一例。

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