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Vol.503 祝?『ウォーキング・デッド』が再び面白くなって来た…かも? [海外ドラマ]

 2014年10月、『ウォーキング・デッド シーズン5』の放送が日本でも始まった。
 同年12月で一旦中休みになったが、第八話の最後は相変わらず期待を裏切ってくれる結末だった。

 この『ウォーキング・デッド』、前のシーズン4からだいぶ仕切り直しを行ったらしく、製作話数が少なくなった分、展開がスピーディーになり、各話の密度がぐっと増した。
 そして、よりロメロ系ゾンビシリーズのテイストが濃くなったように思う。

 全体的に小粒になったものの、ゾンビの見せ方(=殺し方)はより丁寧で凝ったものになり、話はますます絶望と混迷の度合いを深めている。

 本ブログでも疑問を呈した、シーズン2から3にかけての「この番組は韓国企業が提供しています!」という余計な主張もシーズン4からかなり排除されたようで、「このTVドラマはあくまでもアメリカが舞台で、アメリカで暮らす人々が主人公です」という色合いが大分強調されるようになった。

 強引な韓国色が不自然に濃かったことについて、どの程度、視聴者からクレームが来たのかは分からないが、そのままだったら、偏見のない視聴者であっても離れていっただろうし、なによりも韓国側ファンが「恥ずかしいだろ!」になっていたのではないだろうか?

 シーズン4では刑務所を追われたリックたちのグループは離散し、それぞれが生き残るために放浪する姿が描かれているが、舞台を固定しないことで世界観が拡がった。

 のっけから派手なアクションシーンが連続し、新レギュラーとして元軍人のエイブラハム軍曹らが加わるが、ある理由でワシントンを目指す彼らの真摯な姿は、1970年代の終末系SF映画を彷彿させ、このTVシリーズが原点に戻ろうとしている象徴のようでもあった。
 
 韓国系のスティーブ・ユアンも、俳優として本当に上手くなったものだと思う。
 一時期、劇中で「俺は韓国系だ!!」と無用に強調していた(≒強調させられていた??)けど、それが一番イヤだったのは当人では?

 シーズン4は謎のシェルター「終着駅」に向けて、レギュラーたちが集まり、再び一つになるところが最後のヤマとなるが、この「終着駅」の正体はシーズン5で明かされる。
 これが非常に不愉快なもので、人によっては正視できないかもしれない。

 そして、物語は人の醜さをそれまで以上に描くようになり、「ゾンビVS人間」の戦いは「人間VS人間」が中心となってゆく。
 そこではもう、ゾンビは単なるアクセサリーだ。

 このドラマが始まった当初から、筆者はホラーアクションというよりも「紛争や戦争の暗喩」として観ていたのだけど、シリーズ4辺りから、それが一層濃くなってきている。

 最低限の良心を維持しているはずの主人公たちですら、「良い人」でも「悪い人」でも無くなってしまう。
 「仲間以外は全て敵」であり、「やさしさ」とは相手を冷たく突き放すか殺すことだ。
 何をやろうとも、自分が生き残ることだけが唯一の目的なのである。
 
 シーズン5はまだ完結していないので、現時点ではなんとも言えないが、シーズン4はシーズン1に次いで、面白いシーズンと言えるだろう。

 大体、アメリカのTVドラマは第4シーズンの出来栄えいかんで、凡作になるか、名作になるかの分岐点になる、というイメージが筆者にはあるので、シーズン5でズッコケて欲しくないものだ。
 なによりも、またぞや某国企業スポンサーの要望を過剰に汲んだ展開にならないことを切に願いたい。

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Vol.438 『ウォーキング・デッド』がつまらなくなって来た! [海外ドラマ]

 ここ数年、アメリカで製作されたTVドラマの中でぶっちぎりに面白かったのが『ウォーキング・デッド』だ。
 G.A.ロメロの『ドーン・オブ・ザ・デッド』が好きな人にはたまらない内容で、世紀末のリアルな世界観に手を抜かない残酷描写、複雑でかつ濃い人間ドラマと絶望の乱れ打ちは鬱系エンターティメントとして傑出した面白さを誇っていた。

 だが、今年の春に放送を終えた第三シーズンになった途端、「カクン!」と面白く無くなったと感じたのは私だけではないと思う。
 第一シーズンでF・ダラボンが降板した(というか馘首らしい)後、質の低下は当然予想されていたが、第二シーズンは地味でも緊迫した人間ドラマになっていたので、まあ個人的には許容範囲、ラストにゾンビを引き連れ日本刀を抱えたミショーンが登場した時点で次へと胸をときめかせたものである。

 しかし…
 第三シーズンが始まった途端、そこで目にしたものは安っぽくてスカスカで、ぬる~い家族向けスプラッターだった!
 「ゾンビの頭を潰して脳みそ飛び散ればとりあえずOK」な描写に残酷の美学は影も形も無くなっていた。

 シナリオ自体はそんなに手を抜いているようには思えないのだが、とにかく密度が低くダレダレ。
 そして私の気のせいと信じたいが、今までのシーズンに比べてお偉いスタッフにやたらと韓国名が目立ち始めた気がする。

 このシリーズは韓国・現代自動車がスポンサーなので、同社の車ばかり出てくるのは仕方ないけど(『ヒーローズ』における日産車と同じ)、レギュラーの一人であるグレン(=スティーヴン・ユァン(←ユァンじゃなくて윤≒ユンじゃないのかな?)/Steven Yeun)が事あるごとに「逞しくて頼りになるヒーロー」として不自然なまでに強調され、大活躍し始めたのは、正直言ってウンザリである。
 スティーヴン・ユァン自身は決して悪い俳優ではないし、当初は好感が持てていたのだけど、第三シーズンでは不覚ながら「とっとと死ねよ」と思いながら観るようになってしまった。

 劇中、何かといえば「コリアンだ」と主張するセリフがとにかく嫌。
 だって、 『ウォーキング・デッド』は韓国ドラマじゃないだろう??
 他のキャラが出自について「俺って、ホントはイギリス人なんだ」とか「ウチの親はジンバブエから来たのよ」とか言っていれば別段目くじら立てる事はないのだけど、そんなバカな状況は当然あるわけがない。
 『ヒーローズ』だって同じようなものだ、という意見もあるだろうけど、あれは話の最初から「日本」という記号に重要な役目があった。
  
 グレンは第一シーズンではもっと違ったキャラだった。
 ちょっとギークな小悪党(こそ泥&ピザ配達人)で調子はいいけど、戦闘力はイマイチ、だけどいざという時には役に立つみたいな、ややステレオタイプのアジア系だったが、それなりの役割をドラマの上で担っていたのである。

 第二シーズンからは、ちょっと逞しさが増してアメリカ田舎娘丸出しのアバズレと恋に落ちるという展開になり、キャラの意味が変わってきてはいたけれど、ドラマの展開上はまあ、納得できる範囲だった。
 だが、これが今思えば悪い予兆だったのかもしれない。

 かつて『LOST』においてダニエル・デイ・キム演じるジンスー・クォンが、いつの間にか、それなりに格好いいけど、お安いキャラに成り下がってしまったことと同じではないか?
 クォンの役は当初、色んな意味で韓国社会の「負」を抱え込んだ人物であり、それに対して必死で抗う姿が『LOST』というテーマにマッチしていて感動的であり、応援していたのだけど、いつの間にやらトンチキな人物になってしまう。
 一説によると韓国系住民の横槍が影響したという話も聞くが、本当なら実に哀しいし、あってはならないことだろう。
 それならば「韓国だけで放送しろよ!」と言いたくなる。

 TVだから視聴者の都合に合わせて改変されることは宿命なのかもしれないが、彼の国のナショナリズムと関係ない視聴者からすればトンデモないことだ。
 これからも韓国系の圧力と干渉が高まるのなら、「とっとと韓国へ舞台を移し替えてしまえ!」と言いたくもなる。

 例えば、主要人物たちがアメリカから韓国へ軍用機で移動することになり、グレンが、にわか韓国語&歴史教室を得意になって始めるとか、トヨタ・プリウスが爆発炎上するシーンでも入れれば、一部韓国系アメリカ人は大喜び、韓国のスポンサーも製作費を上げてくれるんじゃないのかな?
 そんな嫌味の一つでも言いたくなるのである。

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第4シーズンは2013年10月20日よりFOX TV JAPANにて放映開始。

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Vol.309 ゆけゆけ!とっつあん坊や/『フラッシュフォワード』 [海外ドラマ]

 遂に今夏、日本でも、『フラッシュフォワード/FlashForward』の放送が始まった。
 アメリカでの放映開始は2009年9月24日からだったが、その前から、SFファンの間ではちょっと話題になっていたTVドラマでもあった。

 それはなぜかというと、原作がカナダのSF作家、ロバート・J・ソウヤー(Robert J. Sawyer)の小説だからだ。
 ここ15年くらいの間に日本で紹介された欧米系のSF作家の中では、おそらくもっとも人気が高い一人だと思う。

 ソウヤー作品の特徴は、ユーモアとヒューマニズムにある。
 どちらかといえばリベラル派であり、ちょっと、フラワーチルドレンの匂いもするし、『スタートレック』ネタがよく出てくるので、そっち系が好きな人なら、かなり笑える。

 ロバート・J・ソウヤーが日本で最初に紹介されたのは、たしか『さよならダイノサウルス/End of an Era』だったと思うが、これがベタに見えながらも、奇想天外な物語だったので、当時はかなり評判を呼んでいた記憶がある。

 幸運なことに、日本では大半の作品が翻訳され、順調に版を重ねているが、残念なことに、『占星師アフサンの遠見鏡/Far-Seer』を最初とする、知性を持った恐竜種族の興亡を描いた三部作(キンタグリオ・シリーズ)が、全部紹介されていないことが個人的には非常に残念であり、ちゃんと出して欲しい。

 今回ドラマの叩き台となった小説『フラッシュフォワード』は、どちらかというと一般小説に近く、地味な内容だが、その分、SF嫌いには受け入れやすい作品かもしれない。

 竹内結子が出演している、ということで日本でも少し話題にされたけれど、原作には日本人女性が出てくるので、いわばソウヤーファンへのサービスみたいなもんであろう(もっとも、昔から欧米のSF小説では、記号として日本人女性がよく出てくる)。

 ドラマを何回か観た感想は、「ドラマとして複数シーズン引っ張るには、かなり苦しいネタ」という印象だ。
 途中で一旦全てを収拾させて、別のトンデモな展開を用意しないと、第二シーズン、第三シーズンへとドラマを続けることは、かなり難しい気がした。

 『スタートレック』出身のブラノン・ブラガ(Brannon Braga)が絡んでいるので、変化球を是非、期待したい。
 どうせなら、ロバート・J・ソウヤー・ワールドってことで、落下式のタイムマシンやら、進化したネアンデルタール人やら、ヘンな形状のエイリアンやらが途中から出てきたら、それこそ、ソウヤーのファンが狂乱して喜びそうだ……などと、色々妄想していたら、案の定、このドラマは不評のため、全25話で終わってしまったのだった…(トホホホ)

 ちなみに、キャストはえらく地味。
 無名というよりも、目立つ俳優やキャラクターがいないので、人間ドラマとしても、ミステリーとしても、パッとしない。
 それが、このドラマが不評だった原因のひとつかも。

 そんな中で、韓国系アメリカ人俳優として、最近、とみに売れ始めているジョン・チョ(John Yohan Cho)が、未来が見えないFBI捜査官ディミトリ・ノ(Demetri Noh)役でレギュラー出演、なかなか光っている。
 彼はどちらかといえば性格が悪いキャラクターを演じているが、非常に生き生きとした魅力ある人物像になっていて、『Star Trek』で演じた、おまぬけスールー役なんかより、遥かにいいし、このドラマでもっとも目立つ存在だろう。

 同じABCの人気ドラマ『LOST』のダニエル・デイ・キム(Daniel Dae Kim)は、その顔立ちから、個性派で片付けられてしまう危うさがあることに比べ、ジョン・チョは「とっつあん坊や」なルックスだけど、「韓国系アメリカ人俳優」という、いままでなかった主張を持つ存在になれそうな感じがする。

 民族性を強調する看板をおおっぴらに掲げることは、決していいことではないにしろ、ハリウッドで活躍する韓国系俳優として、ジョン・チョもまた、今後を注目すべき一人だろう。

 はやく『Star Trak』の続編が公開されないかな…!?

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Vol.193 『スターゲイト SG-1』それは毎日の苦行 [海外ドラマ]

 ここ数ヶ月、毎日観ているTVドラマがある。
 見損なうと録画したモノを1日に2話、3話分と観なければならず、けっこう苦痛だ。

 その名はアメリカのTVドラマシリーズ『スターゲイト SG-1 / Stargate SG-1』。
 エメリッヒの映画『スターゲイト』の一応続編、ということになっているが、全く別物である。

 なにゆえ毎日観る破目になったかといえば、ケーブルTVで第9シーズンまでの連続再放送が始まったから。
 このシリーズ、昔から日本の地上波でも放送していたことは知っていたが、“スターゲイト”というネタに食指が動かなかった上、放映当時、まともな定期的放送がなされていなかったから観ていなかったのだ。
 しかし、2008年秋に、日本で最終シーズンまでの放映が決定したので、いい機会と思って観はじめた次第。

 しかし、このシリーズは、1997年にアメリカで放送が開始されて2007年に終了するまで、なんと10年も製作され続け、全214話にもおよぶ上、オリジナルDVDシリーズが2本、スピンオフのシリーズが2つあって、観ても観ても終わらないのである。

 面白いからいいのだけど、この量は一挙観る本数じゃないだろう(^^!)

 物語は、異星人が古代に残した、複数の銀河にまたがる物質瞬間移動ネットワーク(固定型のどこでもドアのようなもの)を使い、アメリカ人中心のチームが未知の世界を縦横無尽に駆け廻って活躍する、という内容なのだが、安易なSFに陥ることなく、なかなか複雑で深いドラマになっている。

 観る前は「スターゲイトなんて、TVドラマネタになるんかい?」と懐疑的な私ではあったのだが、その狭く、せこく見えるネタの隙間を突いた、多彩な物語の展開は、毎回観ていて色々とうならされることも多い。

 銀河を結ぶ膨大なホワイトホールのネットワーク、面と線で考えれば広大すぎて困ってしまう設定だが、あくまでも場所や人といった「点」だけを結ぶ事で、「設定は壮大だが中身はカラッポ」という隘路をうまく回避している。

 そして、このドラマで重要な事は、主人公側の属する地球が、スターゲイト・ネットワーク世界では圧倒的に非力であり、劣勢の立場にある、ということだろう。

 宿敵ゴアウルドは強すぎるし、シリーズ後半のエイシェントやオーライに至っては、神様同然。
 アスガードのように友好な異星人もいるにはいるが、全然頼りにならなかったりする。
 そして地球は地球で、スターゲイトが生み出すであろう利益を巡って、各自が勝手に暗躍している始末。
 肝心の地球にあるスターゲイトも、えらく電力を消費するので、国会で問題になっていたりする。

 主人公たちの探検装備も、ホントに普通のアメリカ軍基準、「これでどうやって圧倒的な異星人たちに立ち向かったり、ネゴでまるめ込んだりするの?」と傍から観れば「絶対無理だろう」の世界なのだが、この「壮大な設定のせこい物語」が、実は本シリーズを一番面白くした理由なのではないかと思ったりする。

 後に、地球製宇宙戦艦やら、戦闘機やらが出ては来るけど、敵と地球の力の差は決して埋まらず、地球人は狡猾に立ち回ってゲリラ的に立ち向かうしかないのである。

 著名な「スタートレック」シリーズが、現実の世界から遠く飛躍した、最初からガジェットだらけの世界観であることに比べ、この「スターゲイト SG-1」は出てくる人たちはほとんどノーマルにしか見えないし、その世界観も等身大に近い。
 エイリアンが意外と出てこないのも特徴だ。

 「毎回、スターゲイトをくぐって、異世界で暴れたあと、地球に戻ってめでたし、めでたし」というワンパターンでも決してなく、ある時は人間ドラマ、ある時は政治ドラマ、またある時はSFドラマに戦場ドラマと、懐が深い。
 一見、ミリタリーSFっぽく見えるし、事実そういう側面が強いことも確かだが、実際は一言で言い表せない複雑奇怪多種多面的なシリーズなのだ。

 最近のアメリカのTVシリーズは、トリッキーで、どぎついネタの作品が増えてしまっているけど、この『スターゲイト SG-1』シリーズは、ある意味、昔の健全なTVドラマへ原点回帰を図っているようにも見えるのであった。

 なお、このシリーズは第8シーズンでゴアウルドとの戦いに一応決着をつけ、第9シーズンから、新たな敵オーライ篇が始まるが、番組のカリスマだったリチャード・ディーン・アンダーソンが降板し、いきなりコメディ路線になってしまう。
 そして、これがまたえらく退屈で、そのせいか、番組は失速するように終焉を迎える。

 なお、実質の最終回ともいえそうな、第8シーズン“Moebius Part 1&2”はアメリカ人がお好きなタイムトラベルをテーマにした愉快な内輪ウケのエピソードだが、考えてみれば、レギュラーが全員死亡してオシマイ、という風にも解釈できる訳で、製作者側の番組終了へ対するけじめが本当は隠されていたようにも思えるのだった。

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スターゲイト SG-1 シーズン1 DVD ザ・コンプリートボックス

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Vol.135 「HEROS」キムタクじゃあないよ、マシ・オカだ! [海外ドラマ]

「HEROS」1stシーズンの日本放送が始まった。
主人公の一人が日本人という設定だったので、結構注目を浴びていたが、実際見てみると、たしかにヒロ・ナカムラ演じるマシ・オカの存在は光っている。

お話は「XMEN」だとか「FantasticFour」へのオマージュを狙ったような感じ、まだまだ伏線をゆっくり張り巡らしている途中で、モッサリした出来、今のところは、決して面白いとはいい難い。

しかし、こういうペースのドラマは、シーズンを重ねることが出来れば、とんでもなく面白くなることが多いので、ちょっと期待しようと思う。

なぜなら、「LOST」だとか「デスパレードの妻たち」のように最初だけ、ガンガンに飛ばすエキセントリックなシリーズは、2ND、3RDと続くにつれて、息切れして失速するパターンになりやすいからだ。

「HEROS」は他のアメコミ系超能力集団とは違って、今のところ妙なタイツやボンテージコスチュームに身を包んでいないが、先日早々、コスチューム姿の未来から来たヒロが出てきたので、将来どうなるんだろう?なんてところも、楽しみだ。

各キャラが持つ「超能力」というものも、今のところはっきりしない。
本当に凄いのは、ヒロの持つ時間や空間を操る能力なのだけど、他の面々はよくあるテレパシーだとか、ただの多重人格だとか、単体でエピソードを引張るにはかなり役不足だ。

他にも、絶対死なない女子高校生だとか、せっぱつまらないと空を飛ばない下院議員だとか、能力自体は凄くても、あまり役立ちそうもない能力だったりする。

このシリーズではヒロの場面は、基本的に日本語が使われている。
「LOST」でも、韓国のシーンは韓国語が基調になっていたが、「HEROS」で使われる日本語も、けっこう自然で生きた日本語になっている。

ヒロの吹き替えも非常に優れていて、そっくりなのだけど、あえて英語版を見たほうが、初盤のヒロとアンドウの珍道中ぶりは笑える。

ヒロの決まり文句「ヤッター!」が、最初は「バンザイ!」の予定で、台本には「ボンサイ!」と書かれていた、という話があるが、出来すぎているので、プロモーション用のネタかもしれない。

久々におもしろい日本人キャラが活躍するアメリカのTVシリーズといえそうだ。

HEROES / ヒーローズ DVD-BOX 1

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2008/03/20
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  • 発売日: 2008/05/15
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Vol.121 帰って来た宇宙大作戦 [海外ドラマ]

「宇宙大作戦 STAR TREK TOS」のデジタルリマスター版がNHK BSで始まってからしばらくが経つ。

だから観ている人も結構多いのではないかと思うのだが、このリマスター版、過去の名作を改変することなくリニューアルし新たな付加価値を付ける、という点でよい見本になりうる例なのではないだろうか?

映像の美しさは当然だが、当時のミニチュアワーク&光学合成の雰囲気を損なわない高度で凝った新作カットは毎回「やっぱりアメリカって凄」と感心する出来栄えだし、一番嬉しいのは、ほぼ完璧な尺での初日本語版ということだ。

話によるとアメリカ放送版より7分長いらしい。吹き替え原版は昔のものをそのまま使っているから、相当の部分で欠損が生じてはいるのだけど、そこは吹き替えでは高レベルを誇る日本のこと、スポックやマッコイなど、当時担当した声優の方々が既にお亡くなりになられていても、代役でなんの違和感もなく収まっているところが素晴らしい。逆にオリジナルキャストで当てた声の方が加齢で声質が変わってしまい、妙なくらいだ。

そしてこのシリーズもう一つの特徴は、年表に従って放送エピソードを組み替えているということだろう。

だから、今までの唐突なシリーズ展開とは無縁で、観ていてすんなりと受け入れられるところは気が利いているし、こうして見直すと、このシリーズの1STシーズンは、屈指の名エピソードばかりであることに気が付かされる。ロミュランも、ゴーンも、ホルタも、鏡像世界も、時の守護者も、パイク船長も、そしてトリブルも、みんな出てくる。マイケル・オクダ氏大活躍、といったところなのだろう。

そういう訳で、ST.TOSデジタル・リマスター版の全シリーズ放映をぜひ、希望したい。

                 
             TM & © 2006 CBS Studios Inc.


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Vol.68 LOST THE 3RD [海外ドラマ]

2007年6月から日本のAXNで「LOST」の第3シーズンの放送がはじまった。
アメリカでの放映が2006年10月4日から2007年5月23日にかけてまでだから、ほとんどタイムラグなし、といってもいいだろう。
少し前なら海外TVは5年くらい待たないと日本で放送しなかったわけだから、本当にいい時代になったと思う。

アメリカのTVドラマを観ていると基本的に二つのパターンがある。
まず「最初だけ面白いが、後は失速してだらだらやっている」パターンと、「3シーズンくらいまでは方向性が定まらず、散漫だったが、4シーズンくらいから格段に面白くなる」パターンだ。

「LOST」を今まで観ている限りでは、どうやら前者のパターンになりそうなまりそうな雲行きだ。
ちなみに、この第3シーズンはアメリカで最低人気だったらしいが、最初から観ている人なら、別に退屈はしないと思う。

このシリーズに、本当のヒーローがいるとすれば、それは元イラク軍情報将校サイードだろう。
演じているナヴィーン・アンドリュース=Naveen Andrewsがインド系の英国人(国籍は不詳)であることはご愛嬌だが、このサイードというキャラクターが実に格好いい。
その孤高な姿は見ていて感動的ですらある。

「LOST」第3シーズンでさらに存在感が顕著になってきたのは、サンとジンの韓国人夫婦像だ。
シリーズ当初は製作側も、もてあまし気味のキャラであり、お客さん扱いの印象が強かったものの、シリーズが進むにつれて、二人とも存在感を増してゆき、このドラマの隠れたヒロインはキム・ユンジン演じるサンかもしれない、と最近思いながら観ているのだった。
ちなみに第3シーズンではサンのフルネームが明かされる。

夫ジン演じるダニエル・デイ・キムも、劇中英語がだんだんと出来る設定になって、ぐっと人物像に複雑さが増し、ダニエル・デイ・キムの演技にも格段に深みが出てきている。
第51話「ガラスのバレリーナ/The Glass Ballerina」で見せた彼の演技の幾つかは、本シリーズにおいて最高のものだったと思う。

「LOST」は当初、ジャック(=マシュー・フォックス/Matthew Fox)とケイト(=エヴァンジェリン・リリー/Evangeline Lilly)らを中心に進んでいったが、彼らのドラマがあまりに陳腐でわざとらしく、ばかばかしいものに成り下がってしまっていることに比べ、「その他」のはずだったマイノリティー系俳優たちのドラマの方が遥かに面白くなってしまったのが、このドラマの妙にユーモラスなところあり、連続TVドラマの醍醐味だ。

でも、これも、もしかしたら変化球の名人、J.J.エイブラムス(=J.J.Abrams/製作・監督・脚本)の作戦なのかも??? 

早々にきちんとした収拾を望みたいTVシリーズである。


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第21回「STAR TREKと韓国④」 [海外ドラマ]

 「LOST」のレギュラー、ダニエル・デイ・キムは、TVデビューしてから、何回か「STAR TREK」シリーズにゲスト出演している。また「ER」にも何回か出ていたから、どうりで筆者の記憶に残っていた訳だ。
 Sifi物は、基本的に未来を描くことが多いため、必然的にアジア系の出番が多くなるが、欧米での同種の傾向を考えると、SFにおいてアジア的なもの、特に日本的なものは、未来を描く記号として欠かせないものになっている感があり、SF小説の分野では、日本や日本人、そして中国や中国人が出てくるのはもう定番であって、珍しくもなんともないが、韓国や韓国人となると、めったにみかけない。
 しかし、時事を扱った映画やドラマといった現実的なものになると、韓国系はもはや欠かせないものになりつつあり、それはそっくりそのまま、彼らの近年における移民率が大きいということの証明のようでもある。
 「STAR TREK」シリーズの視聴者とは、基本的にはアメリカ人が中心であり、それ以外で人気が高いのはイギリス、ドイツ、といった順番らしいが、アジア諸国の中では、もしかしたら日本(特に関西以南)が一番かもしれない。
 もし、このシリーズに純然たる韓国人レギュラーが登場したらどうなるだろうか?チェ艦長とかパク副長とかである。
 基本的にそれだからといって、韓国で人気が出ることはあり得ないが、話題としては大きく取り上げられはするだろう。人物ではなくても、登場する宇宙船に「U.S.S.イ・スンシン」なんていうのがあっても面白いし、
「STAR TREK」製作スタッフの中枢に韓国系アメリカ人が加われば、その可能性は十分ありえることだ。(そういえば「STAR TREK Deep Space Nine」に出てきたディファイアント級の宇宙船のデザインと特性が、李氏朝鮮時代の亀甲船を連想させるのは偶然だろうか。ただし、そのままな「U.S.S.コプクジョン」なんていうのは、ちょっとNG)
 「STAR TREK」シリーズには「U.S.S.ヤマト」や「U.S.S.コンゴウ」、「U.S.S.キューシュー」が登場したが、これはクリエイティブ・スタッフの中枢に日系人がいたことが大きいと思われる。
 アメリカの韓国系ロビイストが、「STAR TREKにもっと韓国人を出せ!」的な運動を繰り拡げたら面白いと思うのだけど、まだそういったシャレはアメリカ本国ではOKでも、韓国では、まだまだ起こりそうにない。

スタートレック エンサイクロペディア 完全日本語版

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  • 作者: マイケル オクダ, デニス オクダ, デビー ミレック
  • 出版社/メーカー: DAI-X出版
  • 発売日: 2003/04
  • メディア: 単行本


スタートレック オフィシャルガイド〈4〉メカニクス

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  • 作者: 岸川 靖
  • 出版社/メーカー: ぶんか社
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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第20回「STAR TREKと韓国③」 [海外ドラマ]

 「STAR TREK」は、その第一作目から、アジア系地球人がレギュラー出演者にいる、というのがお約束だ。
 最初の「STAR TREK」はヒカル・スールー(日本とフィリピンのハーフ)、
「STAR TREK The Next Generation」はオガワ・アリサ(日系)、
「STAR TREK Deep Space Nine」はケイコ・イシカワ・オブライエン(日系)、
「STAR TREK Voyager」はハリー・キム(出自不詳)、
「Enterprise」ホシ・サトウ(日系)といった具合だ。
 名前だけ見ると圧倒的に日系が多いが、本当の日系アメリカ人俳優は、スールーとオガワを演じた二人の俳優だけで、その他は中国系と韓国系の俳優が演じている。
 最初の頃は時代が時代だったので、あくまでも「宗主アメリカをアシストする、僕アジア」といった構図だったが、冷戦構造が崩壊し、EU創設に向けてヨーロッパが動き出し始めていた頃に放送が始まった
「The Next Generation」では、一転してユーロ系地球人が物語の中心となる。
 この「The Next Generation」当初で描かれていた、ピカード艦長(フランス人。演じた俳優は英国人)とライカー副長(アメリカ人。演じているのもアメリカ人)の間に流れる独特の緊迫感を伴う関係は、こうした時事を大きく反映していた。
 これが「Deep Space Nine」や「Voyager」になると、アメリカ&イスラエルとアラブ圏の対立の構図に変化していき、「Enterprise」では、アメリカvsイスラム原理主義そのまんまになる。
 同TVシリーズは、現在休止状態だが、再び再開されるとすれば、アメリカvs中国もしくは北朝鮮の構図になることは必至であり、純粋な韓国系のキャラクターが登場する可能性も高くなる。

スタートレック ディープ・スペース・ナイン コンパニオン

スタートレック ディープ・スペース・ナイン コンパニオン

  • 作者: テリ-・J・アートマン, ポーラ・M・ブロック
  • 出版社/メーカー: ダイエックス出版
  • 発売日: 2004/11/18
  • メディア: 大型本


暗黒からの衝撃波  (スタートレック  エンタープライズ)

暗黒からの衝撃波 (スタートレック エンタープライズ)

  • 作者: ポール・ルディティス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2004/09/08
  • メディア: 文庫


グリーンベレー

グリーンベレー

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2006/08/04
  • メディア: DVD


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第19回「STAR TREKと韓国②」 [海外ドラマ]

 「STAR TREK」の世界観を支える重要な異星人種族に、バルカンとロミュランがいる。
 両者はもともと同じ種族であったが、思想の対立によって民族は分裂し、ロミュランの始祖となった一派は、他の星系に移住し、独自の帝国を築き上げ、両者は対立している、という設定だ。
 最初の「STAR TREK」では、この裏設定はそれほど大きく取り上げられることはなかったが、「STAR TREK・The Next Generation」の第4シーズンあたりから段々と肉付けされていって、映画「STAR TREK/Nemesis」では、とうとう、お話のテーマになってしまった。
 バルカンは精神文化と自然主義を基調にした高度な精神社会を営んでいて、外部とのコンタクトに積極的だが、ロミュランは専制的共和主義であり、物質主義的であり、思想の自由はなく、外部との接触を嫌う傾向が著しい。
 もとは同じ民族ということで、互いの良心派が、近い将来の融合を目指して非合法の組織活動を行っているが、他種族との同盟関係がほとんどなく、孤立しているロミュラン帝国は、自己存続のために密かにバルカンを武力統一しようと狙ってもいる、という状況が、現実世界に合わせるように、STAR TREKの世界ではシリーズをまたいで、深く描かれてゆく。
 単純にいってしまうと、バルカンとロミュランは、韓国と北朝鮮のメタファーそのものだ。そして、両者が冷戦構造崩壊後、国際社会、特にアメリカにとって、色々な意味で無視できない国になっていった過程が、この「STAR TREK」シリーズ四十年の歴史と共に重なっていることは、決して偶然ではない。
 「STAR TREK」は、原作者のジーン・ロッテンベリーが日本文化にかなり影響された人物であったため、初期のシリーズで描かれるアジア的象徴としての異星人は、日本や中国をイメージしたものが中心であったが、時代は変わり、韓国が国力を増し、アメリカ社会では移民組が活躍をはじめ、北朝鮮は、負の意味での重要度を増してゆく、という情勢の中で、「STAR TREK」のバルカンとロミュランの対立と融合を巡るエピソードはさらに厚みを増し、重要になってゆく。
 「STAR TREK・The Next Generation」以降の「STAR TREK」シリーズというものは、朝鮮半島情勢を、実は昔から先取りして描いていたともいえる。

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