Vol.333 模型業界は海軍も大行進開始?? [韓国カルチャー]
2010年3月、米韓合同演習中に黄海で起こった韓国海軍浦項級コルベット艦「天安」謎の爆沈事件は日本でも大きな話題になった。
それに便乗したのか、たまたま偶然か、同じ年の10月に韓国の老舗模型メーカー「アカデミー科学」から同艦の1/350スケールモデルが発売された。
一応300個限定、レジン成形+金属パーツで構成されたハイブリッド・ガレージキットだが、韓国海軍の艦艇がまともな大スケールキットとして模型メーカーから発売されたのは、おそらく史上初である(亀甲船は含みません)。
それまでヨン工房からスケール不詳の結構大きな「李舜臣級駆逐艦」のキットが発売されていたが、ベニヤ板キットなのであくまでもシルエットモデルにしか過ぎなかった。
その後、同社は1/300ということで「広開土大王級駆逐艦」や「世祖大王級イージス艦」も出しているが、やっぱりペラペラの板キットなので、純粋なスケールモデルとは言い難い。
店頭でもこれらの韓国軍艦艇に限っては、何故かあまり置いていなかったりする。
だが、2010年になって、幾分状況に変化が起こる。
今度は工業デザイン会社「DiEner House」が「Dtoys」ブランドで展開しているガレージキットの一つとして、同年5月に1/700で「広開土大王級駆逐艦」のかなり凝ったキットを発売した。
この製品もレジンと金属のハイブリッド・キットだが、付録で「孫元一級潜水艦」が付いているという豪華な内容。
広開土大王級独特のウィング型煙突が見所になっている。
発売の時期から言えば、今回のアカデミー科学製キットは史上5番目くらいかもしれないが、入手し易さ、作り手へのやさしさという点で、最もマスプロダクツに近い仕様だったのではないだろうか。
挽き物のパーツはスケールオーバーのような気もするし、ゴミのような細かいエッチング・パーツには手こずりそうだし、手摺は妙に幅太でバランスが悪く見える。
でも、日本製だったら、この内容でW55000-なんて価格設定は絶対無理だったはず。
製品最大の特徴というか、欠点でもあるのは、1/350というスケールにも関わらず、ウォーターライン仕様だけになっていることだろう。
艦底をつければ、価格は倍になりそうだが、海外の市場ではその方が受け入れられ易い気もする。
船体下部には、シリコン型の都合によるものか、妙な段差があるので、原型はフルハルモデルを前提に進めていた可能性も考えられるが、ウォーターラインモデルとして底辺の水平を出すのはかなり面倒臭さそうだ。
ガリガリ削るか、段差を埋めちゃうか、艦底が別売されるのを期待するかないだろう。
でも、どうせウォーターラインなら、1/700にして種類を展開する方がモデラーには親切だし受けるような気もするのだが…
この「天安」、想像以上に小型の船で、同じ1/350の旧日本海軍夕雲級駆逐艦と比べるとはるかに全長が短く、同じ時代の海防艦に近いことがわかる。
レジンの抜けは一見悪くなく(でもそれは訂正)、細かい部品もきちんと成形されており、エッチングパーツを無理に使わないで海面ディスプレイ上に配置すればそんなに悪くないキットなんじゃないか。
韓国海軍の特徴である「小型・重武装・バランス悪そう」という特徴がきちんと再現されている(巷の噂では、韓国の軍艦は仮想敵国・日本の自衛隊に対抗するため、こういうデザインになっているとか)。
なぜか説明書その他では「浦項級」が「捕港級」と記されているが、これは七面倒臭い問題を回避するためにメーカー側が意図的に誤表記した可能性がある。
でも、もしかして、ホントはこちらが正しかったりして…
韓国は陸軍大国、海軍や空軍に従事した経験者は私の知人でも多くない。
海軍や空軍は兵役期間が長いので、通常は色々と短くできる余地のある陸軍を選択するという。
韓国の模型市場もそんな部分が製品開発に結構影響していると思う。
元々艦艇モデラーは韓国で少ない上、製品の売り上げを海外にかなり依存しているから、スケールこそ流行りの1/350ではあるけれど、市場を見越してプレミアム感がある限定レジンキットにしたんじゃないだろうか。
通常のインジェクションキットの方がいいに決まっているが、海外で韓国海軍の艦艇が売れるとは到底思えず、空軍のF-15やF-16みたいな訳にもいかない(そういえば、F/A-50が配備された暁には、アカデミー科学は1/48や1/32で出すのかな?)。
ただし、人気はないといっても、今まで韓国海軍艦艇のまともなキットが存在しなかった訳だから、今回の1/350スケール浦項級コルベット艦の発売は、韓国玩具史の中で非常に意味がある。
今後、韓国政府は状況に応じて軍艦建造に力を注ぐ気配もあるようなので、まともな大型キットが存在してもいいんじゃないだろうか。
もっとも「誰が買うの?」「どのくらい売れるの?」という一番の命題を突きつけられたら、困るんだけど…
それに便乗したのか、たまたま偶然か、同じ年の10月に韓国の老舗模型メーカー「アカデミー科学」から同艦の1/350スケールモデルが発売された。
一応300個限定、レジン成形+金属パーツで構成されたハイブリッド・ガレージキットだが、韓国海軍の艦艇がまともな大スケールキットとして模型メーカーから発売されたのは、おそらく史上初である(亀甲船は含みません)。
それまでヨン工房からスケール不詳の結構大きな「李舜臣級駆逐艦」のキットが発売されていたが、ベニヤ板キットなのであくまでもシルエットモデルにしか過ぎなかった。
李舜臣級駆逐艦
その後、同社は1/300ということで「広開土大王級駆逐艦」や「世祖大王級イージス艦」も出しているが、やっぱりペラペラの板キットなので、純粋なスケールモデルとは言い難い。
店頭でもこれらの韓国軍艦艇に限っては、何故かあまり置いていなかったりする。
広開土大王級駆逐艦
世祖大王級イージス艦
だが、2010年になって、幾分状況に変化が起こる。
今度は工業デザイン会社「DiEner House」が「Dtoys」ブランドで展開しているガレージキットの一つとして、同年5月に1/700で「広開土大王級駆逐艦」のかなり凝ったキットを発売した。
この製品もレジンと金属のハイブリッド・キットだが、付録で「孫元一級潜水艦」が付いているという豪華な内容。
広開土大王級独特のウィング型煙突が見所になっている。
発売の時期から言えば、今回のアカデミー科学製キットは史上5番目くらいかもしれないが、入手し易さ、作り手へのやさしさという点で、最もマスプロダクツに近い仕様だったのではないだろうか。
挽き物のパーツはスケールオーバーのような気もするし、ゴミのような細かいエッチング・パーツには手こずりそうだし、手摺は妙に幅太でバランスが悪く見える。
でも、日本製だったら、この内容でW55000-なんて価格設定は絶対無理だったはず。
製品最大の特徴というか、欠点でもあるのは、1/350というスケールにも関わらず、ウォーターライン仕様だけになっていることだろう。
艦底をつければ、価格は倍になりそうだが、海外の市場ではその方が受け入れられ易い気もする。
船体下部には、シリコン型の都合によるものか、妙な段差があるので、原型はフルハルモデルを前提に進めていた可能性も考えられるが、ウォーターラインモデルとして底辺の水平を出すのはかなり面倒臭さそうだ。
ガリガリ削るか、段差を埋めちゃうか、艦底が別売されるのを期待するかないだろう。
問題の段差
船首の鎖はオーバースケール
やけに丁寧な包装を外して見れば…成形不良だったりする
でも、どうせウォーターラインなら、1/700にして種類を展開する方がモデラーには親切だし受けるような気もするのだが…
この「天安」、想像以上に小型の船で、同じ1/350の旧日本海軍夕雲級駆逐艦と比べるとはるかに全長が短く、同じ時代の海防艦に近いことがわかる。
レジンの抜けは一見悪くなく(でもそれは訂正)、細かい部品もきちんと成形されており、エッチングパーツを無理に使わないで海面ディスプレイ上に配置すればそんなに悪くないキットなんじゃないか。
韓国海軍の特徴である「小型・重武装・バランス悪そう」という特徴がきちんと再現されている(巷の噂では、韓国の軍艦は仮想敵国・日本の自衛隊に対抗するため、こういうデザインになっているとか)。
なぜか説明書その他では「浦項級」が「捕港級」と記されているが、これは七面倒臭い問題を回避するためにメーカー側が意図的に誤表記した可能性がある。
でも、もしかして、ホントはこちらが正しかったりして…
韓国は陸軍大国、海軍や空軍に従事した経験者は私の知人でも多くない。
海軍や空軍は兵役期間が長いので、通常は色々と短くできる余地のある陸軍を選択するという。
韓国の模型市場もそんな部分が製品開発に結構影響していると思う。
元々艦艇モデラーは韓国で少ない上、製品の売り上げを海外にかなり依存しているから、スケールこそ流行りの1/350ではあるけれど、市場を見越してプレミアム感がある限定レジンキットにしたんじゃないだろうか。
通常のインジェクションキットの方がいいに決まっているが、海外で韓国海軍の艦艇が売れるとは到底思えず、空軍のF-15やF-16みたいな訳にもいかない(そういえば、F/A-50が配備された暁には、アカデミー科学は1/48や1/32で出すのかな?)。
ただし、人気はないといっても、今まで韓国海軍艦艇のまともなキットが存在しなかった訳だから、今回の1/350スケール浦項級コルベット艦の発売は、韓国玩具史の中で非常に意味がある。
今後、韓国政府は状況に応じて軍艦建造に力を注ぐ気配もあるようなので、まともな大型キットが存在してもいいんじゃないだろうか。
もっとも「誰が買うの?」「どのくらい売れるの?」という一番の命題を突きつけられたら、困るんだけど…
Vol.320 合井洞をゆく [韓国カルチャー]
今のソウルでどこが面白いかと聞かれれば、「知りません」と答えている。
なぜなら本当に知らないから。
かつてのソウルは野蛮かつ素朴な部分がたくさん残っていて、観光ガイドから少し離れただけで愉快な発見があったのだが、ここ5年くらい急速にえせモダンな街になってしまい、現政権下でのおしゃれな街作り推進運動(要はゼネコンと行政が結託した再開発)も「街のつまらない化」に輪をかけている。
一部古い街並みは残されているけどそれらも昔に比べると生彩に欠け、ただの薄汚いスラム街みたいになってしまった。
日本でも、韓国・ソウルの印象は「先進的で格好良い街」に変わりつつある。
もちろん、それに異論と反論を唱える人も多いので相対的には日本人が持つイメージは昔とそれほど変わらないとは思うのだけど、かつての軍事政権下での雰囲気を知っている人と、ここ数年初めて韓国を訪れた人の間では限りなく深い溝がある。
しかし、今も昔もソウルおよびその周辺で「いいな」と感じていたことは、個人経営のお店はとにかく自己主張が非常に強くて、オーナーのセンスがはっきりと出ていることだ。
二十年くらい前の状況を思い出してみれば流行の先端であるはずの東京の渋谷、青山、代官山、六本木辺りは意外に保守的で、ソウルやその郊外に展開するお店の方が良くも悪くも無秩序でぶっ飛んでいて面白かった記憶がある。
バブル経済崩壊後、東京は長引く不況の影響で堅実なチェーンばかりが増えてしまったが、ソウルでもそれは変わらない。
個性豊かなお店はどんどん姿を消し、無難だがつまらないお店ばかりが増殖中だ。
かつて「食の都」と呼ばれた全羅北道・全州でも、地元出身の知人から言わせると平均化してしまい、どこにいってもソウルと変わらなくなったと嘆いている始末(経営者の高年齢化で店終いというパターンもある)。
消えた名店はこぞってソウルに進出してしまったというが、その分ソウルの食レベルが向上したかといえば、とてもそうは思えないのだった。
ネット通販の盛況ぶりも、横行していたボッタクリ価格を是正したが、街からマニアックなお店を淘汰してしまった。
韓国において韓国でしか手に入らないようなレアものを探すことはどんどん難しくなっており(というか絶望的になった)、日本人が集まる場所では日本人の韓国幻想にそった商品ばかりが店頭に並ぶという妙な状況になっている。
そんな「ツマラナイ化」がマキシマム・オーバードライブしている昨今、ちょっとだけ期待しているのが弘大前駅から見て汝矣島方面に位置する合井洞界隈だ。
ここら辺は昔から閑静な住宅街で(映画関係者もここら辺に何人か住んでいる)、ちょっと前までは家しかないような場所だったが、最近個性的な飲食店が集う街に姿を変えつつある。
新村や弘大前あたりの独特なディープさはないが、若作りした観光客の集団がガイドブック片手に凄まじい叫び声を上げて練り歩いている江北&江南某所周辺のイカレた光景にウンザリした方には良い場所かもしれない(日本人が経営する店舗もある)。
仁寺洞界隈なんかよりよっぽど落ち着いていて、どこがお勧めとはちょっといえない押しの弱さはあるものの、隠れ家的なお店が幾つも潜んでいる。
物価が高めなのは仕方ないが、一部の日本人がありがたがって詣でる江南のどこかよりは懐にやさしいし、それなりに庶民的なお店もたくさんある。
そして週末でもバカみたいな人混みにならないのが、ここら辺のいいところだろう(今のところ)。
韓国に憧れてやって来た人には少々イメージがそぐわない場所かもしれないが、独特の折衷感覚が味わえる街角なのであった(ただし、五年後はどうなっていることやら…)
なぜなら本当に知らないから。
かつてのソウルは野蛮かつ素朴な部分がたくさん残っていて、観光ガイドから少し離れただけで愉快な発見があったのだが、ここ5年くらい急速にえせモダンな街になってしまい、現政権下でのおしゃれな街作り推進運動(要はゼネコンと行政が結託した再開発)も「街のつまらない化」に輪をかけている。
一部古い街並みは残されているけどそれらも昔に比べると生彩に欠け、ただの薄汚いスラム街みたいになってしまった。
日本でも、韓国・ソウルの印象は「先進的で格好良い街」に変わりつつある。
もちろん、それに異論と反論を唱える人も多いので相対的には日本人が持つイメージは昔とそれほど変わらないとは思うのだけど、かつての軍事政権下での雰囲気を知っている人と、ここ数年初めて韓国を訪れた人の間では限りなく深い溝がある。
しかし、今も昔もソウルおよびその周辺で「いいな」と感じていたことは、個人経営のお店はとにかく自己主張が非常に強くて、オーナーのセンスがはっきりと出ていることだ。
二十年くらい前の状況を思い出してみれば流行の先端であるはずの東京の渋谷、青山、代官山、六本木辺りは意外に保守的で、ソウルやその郊外に展開するお店の方が良くも悪くも無秩序でぶっ飛んでいて面白かった記憶がある。
バブル経済崩壊後、東京は長引く不況の影響で堅実なチェーンばかりが増えてしまったが、ソウルでもそれは変わらない。
個性豊かなお店はどんどん姿を消し、無難だがつまらないお店ばかりが増殖中だ。
かつて「食の都」と呼ばれた全羅北道・全州でも、地元出身の知人から言わせると平均化してしまい、どこにいってもソウルと変わらなくなったと嘆いている始末(経営者の高年齢化で店終いというパターンもある)。
消えた名店はこぞってソウルに進出してしまったというが、その分ソウルの食レベルが向上したかといえば、とてもそうは思えないのだった。
ネット通販の盛況ぶりも、横行していたボッタクリ価格を是正したが、街からマニアックなお店を淘汰してしまった。
韓国において韓国でしか手に入らないようなレアものを探すことはどんどん難しくなっており(というか絶望的になった)、日本人が集まる場所では日本人の韓国幻想にそった商品ばかりが店頭に並ぶという妙な状況になっている。
そんな「ツマラナイ化」がマキシマム・オーバードライブしている昨今、ちょっとだけ期待しているのが弘大前駅から見て汝矣島方面に位置する合井洞界隈だ。
ここら辺は昔から閑静な住宅街で(映画関係者もここら辺に何人か住んでいる)、ちょっと前までは家しかないような場所だったが、最近個性的な飲食店が集う街に姿を変えつつある。
新村や弘大前あたりの独特なディープさはないが、若作りした観光客の集団がガイドブック片手に凄まじい叫び声を上げて練り歩いている江北&江南某所周辺のイカレた光景にウンザリした方には良い場所かもしれない(日本人が経営する店舗もある)。
仁寺洞界隈なんかよりよっぽど落ち着いていて、どこがお勧めとはちょっといえない押しの弱さはあるものの、隠れ家的なお店が幾つも潜んでいる。
物価が高めなのは仕方ないが、一部の日本人がありがたがって詣でる江南のどこかよりは懐にやさしいし、それなりに庶民的なお店もたくさんある。
そして週末でもバカみたいな人混みにならないのが、ここら辺のいいところだろう(今のところ)。
韓国に憧れてやって来た人には少々イメージがそぐわない場所かもしれないが、独特の折衷感覚が味わえる街角なのであった(ただし、五年後はどうなっていることやら…)
Vol.315 復活の光化門 [韓国カルチャー]
あの光化門がしばらくの修復作業を終えて復活した。
これでソウル市世宗通り遊園地化計画の野望はひと段落を迎えた訳だ。
ドラマ『アイリス』では、ここら辺一帯を交通止めにして撮影された銃撃戦シーンが放送当時かなり話題になったけど、たぶん目指したであろうマイケル・マンの『ヒート』市街戦には到底及ばず、かなりショボイ結果になってしまい、韓国内視聴者から非難の声が上がったことは割と記憶に新しい。
限られた時間の中で、そして撮影に不向きな天候の中で、仕事をやり終えたスタッフには「お疲れ様でした」と率直に慰労の言葉を送りたいが、残念ながらTVドラマの一シーンとしてはかなり無理があったんじゃないだろうか。
昔、日本でも「西部警察」で盗まれた装甲車が銀座の通りを走りまくるという、似たようなコンセプトのシーンを描いてみせたけど、今は伝説になってしまったことと同様に、観光産業へ異常な力を注いでいる今のソウル市でも、都心の真ん中でこの『アイリス』銃撃戦のようなシーンを撮ることは今後しばらくできないことかもしれない。
さて、修復された光化門がどのようなものだろうかと、本当に久しぶりに傍まで寄ってみた。
なによりも驚いたのは人ごみの凄さだ。
ここは昔から観光名所ではあったけど、こんなに人はいなかった。
世相を反映しているのか、中国人観光客ばかりがやけに目立つ。
復活した光化門を見た第一の印象は「なんだか全体のデッサンが随分変った」ということだろう。
以前のものよりもオリジナルに近くなるよう修復したとこのとだが、やけに白っぽく、全体的にペタンとしてスタジオ・セットみたいになった。
その代わり屋根のRがきつく鋭くなり、より大陸風建築様式色が濃くなってもいる。
以前の光化門はもっと丸っこく、肉感的な外観だったような記憶があるんだけど、今の光化門は韓国のヤンモデルが出している木製「光化門」キットの完成品みたいだ。
もしかしたら修復工事の参考に使われたりして…
これでソウル市世宗通り遊園地化計画の野望はひと段落を迎えた訳だ。
なにやら書き割りっぽい印象に。
ドラマ『アイリス』では、ここら辺一帯を交通止めにして撮影された銃撃戦シーンが放送当時かなり話題になったけど、たぶん目指したであろうマイケル・マンの『ヒート』市街戦には到底及ばず、かなりショボイ結果になってしまい、韓国内視聴者から非難の声が上がったことは割と記憶に新しい。
限られた時間の中で、そして撮影に不向きな天候の中で、仕事をやり終えたスタッフには「お疲れ様でした」と率直に慰労の言葉を送りたいが、残念ながらTVドラマの一シーンとしてはかなり無理があったんじゃないだろうか。
昔、日本でも「西部警察」で盗まれた装甲車が銀座の通りを走りまくるという、似たようなコンセプトのシーンを描いてみせたけど、今は伝説になってしまったことと同様に、観光産業へ異常な力を注いでいる今のソウル市でも、都心の真ん中でこの『アイリス』銃撃戦のようなシーンを撮ることは今後しばらくできないことかもしれない。
光化門界隈の隠れたランドマーク。
映画『韓半島』では韓国政府機関自らの手で大爆破。
映画『韓半島』では韓国政府機関自らの手で大爆破。
さて、修復された光化門がどのようなものだろうかと、本当に久しぶりに傍まで寄ってみた。
なによりも驚いたのは人ごみの凄さだ。
ここは昔から観光名所ではあったけど、こんなに人はいなかった。
世相を反映しているのか、中国人観光客ばかりがやけに目立つ。
復活した光化門を見た第一の印象は「なんだか全体のデッサンが随分変った」ということだろう。
以前のものよりもオリジナルに近くなるよう修復したとこのとだが、やけに白っぽく、全体的にペタンとしてスタジオ・セットみたいになった。
その代わり屋根のRがきつく鋭くなり、より大陸風建築様式色が濃くなってもいる。
以前の光化門はもっと丸っこく、肉感的な外観だったような記憶があるんだけど、今の光化門は韓国のヤンモデルが出している木製「光化門」キットの完成品みたいだ。
もしかしたら修復工事の参考に使われたりして…
人混みはほとんど中国からの観光客です。
Vol.304 江北方面は万年万博会場化 [韓国カルチャー]
2010年、日本のマスコミは上海万博ばかり取り上げていた感がある。
しかーし。
韓国・ソウルも負けていなかった。
ここ二年くらい、ソウル江北方面は、『万年万博化』に向けて、着々と企てが進行しているのだった。
清渓川の蓋が開き、復元が始まった頃から、その予兆はあったけど、まさかここまで行くとは…
イ・ミョンバク政権になってから、「ゼネコンが大躍進するぞ」と考えていた人は多かったけど、市内の再開発が、こうもアミューズメントの方向に進むとは、ちょっと想像できなかった。
清渓川が流れる江北は、李氏朝鮮時代から今に至るまで、長らくソウルの中心的役割を果たしていた場所で、それゆえ、古い街並みが沢山残る街角でもあった。
だが、ここ十年ばかりは、老朽化が急激に目立ち始めていたことも否めない。
それが最近になって、街のあちこちで工事が始まり、風景は激変、江北でとにかく目立つのが、段々と『エセ万博』会場みたいになって来た、ということだろう。
もしかしたら、崇礼門放火・焼失事件も、その引き金の一つになったのかもしれない。
市内の古い建築物は次々と整備が行われ、夜は煌々とライトアップ、李舜臣像が睨みをきかせる世宗通りは、相当な面積で中央分離帯兼イベント広場が作られ、平日から観光客やら家族連れやらで、人がざわめく落ち着かない場所になってしまった。
この通りは、かつて、無駄に広いだけ、という印象しかなかったけど、その寂寥感がまた、ソウル江北の代表的風景でもあった。
だが、今は年がら年中、観光客相手のイベントを行う専門の通りみたいだ。
李舜臣像の周りには噴水が作られたのはいいとして、異常な雰囲気を醸し出しているのが、その遥か後方に作られた、世宗大王の巨大な像だろう。
市庁前広場付近は、現代建築の流行りをうわべだけを取り違えて貼り付けたような、ツギハギ感一杯のトンチキな街並みになり、東大門周辺は、より観光客向けの場所として、ソウル・オリンピック時の懐かしい面影は消滅してしまった。
時代と共に風景が激変するのは、アジアらしい個性ではあるけれど、もう少し、なんとかならなかったの?という気がしなくもない。
そしてそれは、ソウルという街、いや、韓国という国がいまだ、自らの形を模索して、あがいているようにも見えるのだった…
しかーし。
韓国・ソウルも負けていなかった。
ここ二年くらい、ソウル江北方面は、『万年万博化』に向けて、着々と企てが進行しているのだった。
清渓川の蓋が開き、復元が始まった頃から、その予兆はあったけど、まさかここまで行くとは…
イ・ミョンバク政権になってから、「ゼネコンが大躍進するぞ」と考えていた人は多かったけど、市内の再開発が、こうもアミューズメントの方向に進むとは、ちょっと想像できなかった。
清渓川が流れる江北は、李氏朝鮮時代から今に至るまで、長らくソウルの中心的役割を果たしていた場所で、それゆえ、古い街並みが沢山残る街角でもあった。
だが、ここ十年ばかりは、老朽化が急激に目立ち始めていたことも否めない。
※この光景を今は見ることができません
それが最近になって、街のあちこちで工事が始まり、風景は激変、江北でとにかく目立つのが、段々と『エセ万博』会場みたいになって来た、ということだろう。
もしかしたら、崇礼門放火・焼失事件も、その引き金の一つになったのかもしれない。
市内の古い建築物は次々と整備が行われ、夜は煌々とライトアップ、李舜臣像が睨みをきかせる世宗通りは、相当な面積で中央分離帯兼イベント広場が作られ、平日から観光客やら家族連れやらで、人がざわめく落ち着かない場所になってしまった。
この通りは、かつて、無駄に広いだけ、という印象しかなかったけど、その寂寥感がまた、ソウル江北の代表的風景でもあった。
だが、今は年がら年中、観光客相手のイベントを行う専門の通りみたいだ。
李舜臣像の周りには噴水が作られたのはいいとして、異常な雰囲気を醸し出しているのが、その遥か後方に作られた、世宗大王の巨大な像だろう。
市庁前広場付近は、現代建築の流行りをうわべだけを取り違えて貼り付けたような、ツギハギ感一杯のトンチキな街並みになり、東大門周辺は、より観光客向けの場所として、ソウル・オリンピック時の懐かしい面影は消滅してしまった。
時代と共に風景が激変するのは、アジアらしい個性ではあるけれど、もう少し、なんとかならなかったの?という気がしなくもない。
そしてそれは、ソウルという街、いや、韓国という国がいまだ、自らの形を模索して、あがいているようにも見えるのだった…
横から見るとアン・ソンギに似てなくもないような
Vol.303 フリントロック・ピストルは “MADE in KOREA” [韓国カルチャー]
日本製のエアガンが、中国(香港)製、台湾製、そして韓国製のものに、最近、国際市場で押されているらしい。
日本製のエアガンは総合的には最高だが、凝り過ぎかつ高価、それゆえ、実戦(遊び)には向かないということで、敬遠される傾向にあるという。
そこら辺はデジタル機器や白色家電で、中国や韓国の追い上げ喰らっている、日本の製品に近づきつつある構図なのかもしれない。
そういう訳だろうか、最近、韓国のエアガン業界が、なにやら熱くなっている。
Toy Starは、数年前から、常識を覆す、リアル志向の自国製火器にこだわったシリーズを発売していたが、遂にガス・ブローバック・ライフルの開発と販売を表明したり、アカデミー科学は、2010年になって大々的にエアガン開発部門の強化を発表、大規模な人材募集を行ったことは記憶に新しい(募集はすでに終了していますが、韓国語が出来る日本の業界経験者ならチャンスがあるかも?)。
これはどういうことなのかと考えてみると「韓国のエアガンは外国で売れるから、販売と開発を強化しましょう」という企業宣言に他ならないのではないか。
そんな訳で、やや面白くなりつつある韓国のエアガンだが、やっぱり日本のものに比べるとイマイチならぬ、イマサンくらいなので、価格競争するくらいしか、日本市場で勝負できないのも事実だ。
だが、企画や設計を日本のメーカーが、その製造を韓国のメーカーが、という分担で成功している例が一つある。
それは、日本の㈲K.T.Wと、韓国のDongsan modelのコラボだ。
㈲K.T.Wはちょっと変わったポリシーを持つメーカーで、岩手県、花巻市に会社を置き、一貫してエアコッキングガン(電動ガンを含む)だけの開発と販売を行っているメーカーだ。
どちらかというと、セミカスタムの高級品が従来の専門分野なのだが、ここ10年ばかり、廉価製品も出していて、マニアの間では評価が高い。
売れ線だと、コストパフォーマンスに優れた、イサカやスパスのショットガンだとか、ウィンチェスターM1873がある。
実は、これらの製品、全て“MADE in KOREA”なのだった。
仕上げはだいぶ粗いが、日本の企画による設計の良さと、韓国製ならではの価格の安さ(M1879はちと高額だが)が、日本では支持されている。
なぜ提携するに至ったかは、業界では有名なエピソード、㈲K.T.Wのサイトでも紹介されているから、ここには記さない。
でも、このお話は、日本社会の特質と、韓国社会の特質がプラスマイナスでうまく組み合わさったという点で、ホビー業界では珍しい話なのではないかと思う(韓国の模型会社と、日本の模型会社の、執拗で陰湿な諍い話とは対象的)。
この両者のコラボ最新作「フリント・ロックピストル」が5月に遂に日本で発売された。
製品告知はかなり前からされていたが、色々と改修を続けていたらしく、だいぶ遅れての発売になった。
でも、韓国では私の記憶にある限り、確か2009年12月末くらいには、店頭に並んでいたのである(模型屋でいじくっていたら、店員に怒られた)。
先日、日本でも発売が始まったのを気に、早速、韓国で購入して持って帰ったのだけど、この製品、最近のエアコッキングの中では傑作といっていいくらい、素晴らしく愉快で、魅力的な製品なのだ。
韓国版と日本版は若干仕様は異なるが、なにせ価格が激安なので、ソウルでこの手の製品を扱っている問屋を知っている人には現地購入をお勧めしたい。
もちろん、定価で購入しても、日本よりかなり安い(日本への持ち込みは申告すれば全く問題ありません/2010年現在)。
グリップはABS製だが、ダサくないし、なによりも全面的に金属を採用した外観が素敵だ。
よく見れば、仕上げにケチのつけようもあるけれど、この手の製品で有名なスペインのデニックス社製古式銃なんかより、遥かにいい。
さらに特筆すべきは、その撃ち味。
あの、トリガーを引くと、間をおいて「ドスン!」という、古式銃独特の感覚が、見事再現されている。
弾道も率直、コッキングも許容範囲の重さなので、中身をチューニングして、バレルを伸ばし、ストックを付ければ、カービン銃の代わりにもなりそうだ。
正直、韓国のメーカーだけだったら、ここまで完成度が高い製品は無理だっただろう。
あのマニアックなToy Starだって、詰の甘さは、やっぱり韓国メーカーの限界を感じさせるし、アカデミー科学も同じだ。
その点、台湾や香港のメーカーは全然、韓国メーカーの遥か先をいっているけど、今のご時世、こういったエアコッキングガンで優れた製品を出せる、ということは、韓国のメーカーにとって、大きな武器になるのではないか?
フリントロック・ピストルをいじるたびに、この製品に関わった日韓両者のコラボ関係は、より円熟してほしいと願うのであった。
今度は、この路線で、火縄銃出さないかな??
海外でも受けると思います。
日本製のエアガンは総合的には最高だが、凝り過ぎかつ高価、それゆえ、実戦(遊び)には向かないということで、敬遠される傾向にあるという。
そこら辺はデジタル機器や白色家電で、中国や韓国の追い上げ喰らっている、日本の製品に近づきつつある構図なのかもしれない。
そういう訳だろうか、最近、韓国のエアガン業界が、なにやら熱くなっている。
Toy Starは、数年前から、常識を覆す、リアル志向の自国製火器にこだわったシリーズを発売していたが、遂にガス・ブローバック・ライフルの開発と販売を表明したり、アカデミー科学は、2010年になって大々的にエアガン開発部門の強化を発表、大規模な人材募集を行ったことは記憶に新しい(募集はすでに終了していますが、韓国語が出来る日本の業界経験者ならチャンスがあるかも?)。
これはどういうことなのかと考えてみると「韓国のエアガンは外国で売れるから、販売と開発を強化しましょう」という企業宣言に他ならないのではないか。
そんな訳で、やや面白くなりつつある韓国のエアガンだが、やっぱり日本のものに比べるとイマイチならぬ、イマサンくらいなので、価格競争するくらいしか、日本市場で勝負できないのも事実だ。
だが、企画や設計を日本のメーカーが、その製造を韓国のメーカーが、という分担で成功している例が一つある。
それは、日本の㈲K.T.Wと、韓国のDongsan modelのコラボだ。
㈲K.T.Wはちょっと変わったポリシーを持つメーカーで、岩手県、花巻市に会社を置き、一貫してエアコッキングガン(電動ガンを含む)だけの開発と販売を行っているメーカーだ。
どちらかというと、セミカスタムの高級品が従来の専門分野なのだが、ここ10年ばかり、廉価製品も出していて、マニアの間では評価が高い。
売れ線だと、コストパフォーマンスに優れた、イサカやスパスのショットガンだとか、ウィンチェスターM1873がある。
実は、これらの製品、全て“MADE in KOREA”なのだった。
仕上げはだいぶ粗いが、日本の企画による設計の良さと、韓国製ならではの価格の安さ(M1879はちと高額だが)が、日本では支持されている。
なぜ提携するに至ったかは、業界では有名なエピソード、㈲K.T.Wのサイトでも紹介されているから、ここには記さない。
でも、このお話は、日本社会の特質と、韓国社会の特質がプラスマイナスでうまく組み合わさったという点で、ホビー業界では珍しい話なのではないかと思う(韓国の模型会社と、日本の模型会社の、執拗で陰湿な諍い話とは対象的)。
この両者のコラボ最新作「フリント・ロックピストル」が5月に遂に日本で発売された。
製品告知はかなり前からされていたが、色々と改修を続けていたらしく、だいぶ遅れての発売になった。
でも、韓国では私の記憶にある限り、確か2009年12月末くらいには、店頭に並んでいたのである(模型屋でいじくっていたら、店員に怒られた)。
先日、日本でも発売が始まったのを気に、早速、韓国で購入して持って帰ったのだけど、この製品、最近のエアコッキングの中では傑作といっていいくらい、素晴らしく愉快で、魅力的な製品なのだ。
韓国版と日本版は若干仕様は異なるが、なにせ価格が激安なので、ソウルでこの手の製品を扱っている問屋を知っている人には現地購入をお勧めしたい。
もちろん、定価で購入しても、日本よりかなり安い(日本への持ち込みは申告すれば全く問題ありません/2010年現在)。
グリップはABS製だが、ダサくないし、なによりも全面的に金属を採用した外観が素敵だ。
よく見れば、仕上げにケチのつけようもあるけれど、この手の製品で有名なスペインのデニックス社製古式銃なんかより、遥かにいい。
さらに特筆すべきは、その撃ち味。
あの、トリガーを引くと、間をおいて「ドスン!」という、古式銃独特の感覚が、見事再現されている。
弾道も率直、コッキングも許容範囲の重さなので、中身をチューニングして、バレルを伸ばし、ストックを付ければ、カービン銃の代わりにもなりそうだ。
正直、韓国のメーカーだけだったら、ここまで完成度が高い製品は無理だっただろう。
あのマニアックなToy Starだって、詰の甘さは、やっぱり韓国メーカーの限界を感じさせるし、アカデミー科学も同じだ。
その点、台湾や香港のメーカーは全然、韓国メーカーの遥か先をいっているけど、今のご時世、こういったエアコッキングガンで優れた製品を出せる、ということは、韓国のメーカーにとって、大きな武器になるのではないか?
フリントロック・ピストルをいじるたびに、この製品に関わった日韓両者のコラボ関係は、より円熟してほしいと願うのであった。
今度は、この路線で、火縄銃出さないかな??
海外でも受けると思います。
Vol.291 大学の敷地内に映画館があった/梨大駅前を行く [韓国カルチャー]
地下鉄2号線『梨大駅』といえば、昔から日本人の間でも、韓国の割には、おしゃれな服が手に入ることで知られた街であった(でも、ご飯を食べるお店がイマイチなんだよね)。
坂だらけで、利便性がいいとはいえないし、古ぼけた薄汚い街なのだけど、かつて知り合いの日本の男子留学生は、わざわざ服を探しに行っていた(少し前の韓国男性ファッション事情をご存知の方は、その意味がよくわかると思います)。
ここら辺も、弘大や新村のように日本語の看板がたくさんあるが、どちらかというと、土地柄、ユーザーの要求で自然発生したような印象を受ける。
駅から数百メートル歩くと、名門『梨花女子大学』の巨大過ぎる敷地がババーンと出現する。
日本の大学も敷地は広いところが多いけど、ここは、まるまる丘陵が大学の敷地になっていて、無駄に広すぎる感じだ。
それだけOBには金持ちが山のようにいて、寄付金がモーレツに集まるということかもしれない。
なんでこの街に最近来るようになったかというと、移転した『フィルム・フォーラム』最寄りの駅であることと、梨大内に映画館がオープンしたからなんである。
ちなみに『フィルム・フォーラム』は、梨大の正門から敷地を突っ切って裏門に出れば、ほぼ直線で行けるけど、大学の敷地自体が広大なので、見た目ほど近くはない(正直、シンドイです)。
梨大の中にある映画館『アートハウス・モモ(漢字で某某と書くのかな?)』は丘陵中腹にある半地下施設『ECC』の中にあった。
日本では見かけないようなヘンな構造の建築物で、どうりでネットでの道案内が、妙な表記になっていたのもうなずける。
最近流行りの【現代建築でーす】といった巨大な風貌は、まるで、ウルトラ警備隊の秘密基地のようだ。
この中には映画館のほかに、フィットネス施設だとかカフェだとか、なにやら色々あるが、地元の人は使うのだろうか??という疑問が浮かぶ。
ちなみに、働いている人たちは、多くが梨大の学生アルバイトなのかな??
『アートハウス・モモ』は最近出来た劇場だけあって、施設は悪くなく、画面も見やすい。
深く掘り下げた構造になっているので、劇場が狭くても、前の人の頭が視野に入りにくい。
場所が、まあまあ、便利なこともあって、趣味のいい二番館的なポジションを映画ファンの間で得られれば、良い劇場になるかもしれない。
『フィルム・フォーラム』への便の悪さが改善されれば、ここら辺はアートフィルム上映メッカの一つになれる可能性がある思うのだけど。
坂だらけで、利便性がいいとはいえないし、古ぼけた薄汚い街なのだけど、かつて知り合いの日本の男子留学生は、わざわざ服を探しに行っていた(少し前の韓国男性ファッション事情をご存知の方は、その意味がよくわかると思います)。
近所にある、むくげ印の洋食店。味はまあまあだけど、値段は高いです。
ここら辺も、弘大や新村のように日本語の看板がたくさんあるが、どちらかというと、土地柄、ユーザーの要求で自然発生したような印象を受ける。
駅から数百メートル歩くと、名門『梨花女子大学』の巨大過ぎる敷地がババーンと出現する。
日本の大学も敷地は広いところが多いけど、ここは、まるまる丘陵が大学の敷地になっていて、無駄に広すぎる感じだ。
それだけOBには金持ちが山のようにいて、寄付金がモーレツに集まるということかもしれない。
なんでこの街に最近来るようになったかというと、移転した『フィルム・フォーラム』最寄りの駅であることと、梨大内に映画館がオープンしたからなんである。
ちなみに『フィルム・フォーラム』は、梨大の正門から敷地を突っ切って裏門に出れば、ほぼ直線で行けるけど、大学の敷地自体が広大なので、見た目ほど近くはない(正直、シンドイです)。
梨大の中にある映画館『アートハウス・モモ(漢字で某某と書くのかな?)』は丘陵中腹にある半地下施設『ECC』の中にあった。
日本では見かけないようなヘンな構造の建築物で、どうりでネットでの道案内が、妙な表記になっていたのもうなずける。
最近流行りの【現代建築でーす】といった巨大な風貌は、まるで、ウルトラ警備隊の秘密基地のようだ。
冬場は足下がコチコチに凍っていて、極めて危険です(^^!)
この中には映画館のほかに、フィットネス施設だとかカフェだとか、なにやら色々あるが、地元の人は使うのだろうか??という疑問が浮かぶ。
ちなみに、働いている人たちは、多くが梨大の学生アルバイトなのかな??
『アートハウス・モモ』は最近出来た劇場だけあって、施設は悪くなく、画面も見やすい。
深く掘り下げた構造になっているので、劇場が狭くても、前の人の頭が視野に入りにくい。
場所が、まあまあ、便利なこともあって、趣味のいい二番館的なポジションを映画ファンの間で得られれば、良い劇場になるかもしれない。
『フィルム・フォーラム』への便の悪さが改善されれば、ここら辺はアートフィルム上映メッカの一つになれる可能性がある思うのだけど。
中は落ち着いています、というかガラガラ…
Vol.282 模型業界は韓国陸軍大行進開始! [韓国カルチャー]
ここ二年ばかり、韓国の模型業界では異変が起こっている。
次々と韓国軍現役装備が商品化されているのだ。
といっても、元々市場が狭いので、アカデミー科学とカンナム模型を中心にした話ではあるが、それは韓国の模型市場も年々ディープになっている、という証しなのかもしれない。
かつて、韓国製模型で韓国軍のものを探しても、ろくなものがなかった。
唯一メジャーだったのが、今でも売られているK1A、K2を模したエアコッキングガンだが、発売当時から、お子様向けオモチャの域を脱することができない製品だった。
韓国は、日本を超える陸軍大国。
当然、K1(K1A1)戦車は以前から模型化されて然るべきなんだけど、まともなインジェクションキットがアカデミー科学から発売されたのは2008年になってからだ(韓国軍装備仕様のM48戦車はあったけど)。
韓国のK1戦車、といえば、日本ではかつて中国のトランペッター社製のものが話題になったことがある。
この製品の評価が、いままでの「怪しいメーカー」という日本におけるトランペッター社のイメージを変える契機になったという説もあるくらい、好印象の製品だったが、後に韓国製ガレージキットが元になっていたという、失笑のオチがついてしまう。
そんなショボイ状況が一転する契機というか、予兆になったのが2007年にカンナム模型から発売が開始されたKライフルシリーズのエアガンだろう。
一応エアコッキング版もあるが、あくまでも電動ガンが最初からメイン製品、いまだに改良が加えられ続け、どんどんリアルになっているばかりか、高価なオプションパーツもどんどん発売されている。
ここまで自国の銃に偏愛して凝りつづけている韓国製エアガンは、たぶん韓国史上初なのではないだろうか。
それに触発されたのか、はたまた法律が変わったのか、次に出たのが韓国アカデミー科学の1/35K1A1戦車のプラモデルだ。
自国戦車決定版は自らの手で、ということなのか、非常に凝った製品であり、発売と同時にサードパーティーからディテールアップパーツが山のように発売されたのもオドロキだった。
ちなみに、初期限定でエッチング・パーツが同梱されたバージョンもあった。
その後アカデミーからは、韓国空軍が運用を始めてから比較的早くF15K(戦闘攻撃機)のゴージャスなキットが発売されたけど、これは想定内。
なにせ海外マーケットで展開しやすいからだ。
しかし、本当にビックリこいたのが、2009年10月22日に店頭に並んだK9自走砲だ。
自走砲は見た目は戦車みたいで強そうだが、要は大砲を積んだ装甲トラクター。
昔から現用の自走砲はなかなかキットにならないジャンルであり、しかも韓国陸軍の自走砲なんて、商売になるの?と心配してしまうくらい、きちんとした内容になっている。
トルコ陸軍で採用されている車両だからヨーロッパ市場をかなり当て込んだのかもしれない。
初回の販売は茶色い箱に入った限定版だったところからマニア市場を最初から狙った製品であることは一目りょう然、やはりディテールアップパーツも同時発売された。
この分だと2011年から運用予定のK2次期主力戦車も、いずれ出そうだ。
これらの製品は少数が輸入されるだけで需要自体がもともとあるとも思えないから、日本のお店ではあまり見かけない(アカデミー科学製品はクレオスが代理店として輸入・販売しているが、あまり流通していない)。
ディテールアップパーツはなおさらそうで、韓国内でも入手しようと思ったらWEB通販を使うしかないので店頭で手にすることはないと思う。
しかもアカデミー科学にしてもカンナム模型にしても、日本の模型業界にとっては凶状持ち。
特にアカデミー科学が日本の某有名メーカーから名指しで弾劾されたのは、模型業界では有名な話である。
日本は市場の縮小化が進み、プラモデルメーカーは新規開発に慎重にならざるをえない。
そこで、すきまを狙い、猛威をふるっているのが中国のメーカーなんだけど、韓国の模型メーカーにとっても日本市場は全面的に参入したいはず。
だけど、今だ韓国製プラモデルは【いかがわしい】というイメージを免れない。
中国の有名メーカーが日本人スタッフや日本企業と、それなりにうまくやっていることと対照的。
しかし、ここ10年、市場的には先細りで苦しい状況でも視点を変えてみれば、韓国の模型市場は多様性の開花という点では活気をていしているようにも見える。
男が大人になっても、ちまちま模型をいじれる時代になった今だからこそ、軍隊時代、つまり青春の思い出を模型としてなぞり懐かしむ市場というものが、韓国では形成されつつあるのかもしれない。
次々と韓国軍現役装備が商品化されているのだ。
といっても、元々市場が狭いので、アカデミー科学とカンナム模型を中心にした話ではあるが、それは韓国の模型市場も年々ディープになっている、という証しなのかもしれない。
かつて、韓国製模型で韓国軍のものを探しても、ろくなものがなかった。
唯一メジャーだったのが、今でも売られているK1A、K2を模したエアコッキングガンだが、発売当時から、お子様向けオモチャの域を脱することができない製品だった。
韓国は、日本を超える陸軍大国。
当然、K1(K1A1)戦車は以前から模型化されて然るべきなんだけど、まともなインジェクションキットがアカデミー科学から発売されたのは2008年になってからだ(韓国軍装備仕様のM48戦車はあったけど)。
韓国のK1戦車、といえば、日本ではかつて中国のトランペッター社製のものが話題になったことがある。
この製品の評価が、いままでの「怪しいメーカー」という日本におけるトランペッター社のイメージを変える契機になったという説もあるくらい、好印象の製品だったが、後に韓国製ガレージキットが元になっていたという、失笑のオチがついてしまう。
そんなショボイ状況が一転する契機というか、予兆になったのが2007年にカンナム模型から発売が開始されたKライフルシリーズのエアガンだろう。
一応エアコッキング版もあるが、あくまでも電動ガンが最初からメイン製品、いまだに改良が加えられ続け、どんどんリアルになっているばかりか、高価なオプションパーツもどんどん発売されている。
ここまで自国の銃に偏愛して凝りつづけている韓国製エアガンは、たぶん韓国史上初なのではないだろうか。
それに触発されたのか、はたまた法律が変わったのか、次に出たのが韓国アカデミー科学の1/35K1A1戦車のプラモデルだ。
ちなみに、これは1/35リモコン版
年少者向け1/48リコモン版もありますが、1/35ディスプレイモデルが基本製品
自国戦車決定版は自らの手で、ということなのか、非常に凝った製品であり、発売と同時にサードパーティーからディテールアップパーツが山のように発売されたのもオドロキだった。
ちなみに、初期限定でエッチング・パーツが同梱されたバージョンもあった。
その後アカデミーからは、韓国空軍が運用を始めてから比較的早くF15K(戦闘攻撃機)のゴージャスなキットが発売されたけど、これは想定内。
なにせ海外マーケットで展開しやすいからだ。
しかし、本当にビックリこいたのが、2009年10月22日に店頭に並んだK9自走砲だ。
自走砲は見た目は戦車みたいで強そうだが、要は大砲を積んだ装甲トラクター。
昔から現用の自走砲はなかなかキットにならないジャンルであり、しかも韓国陸軍の自走砲なんて、商売になるの?と心配してしまうくらい、きちんとした内容になっている。
トルコ陸軍で採用されている車両だからヨーロッパ市場をかなり当て込んだのかもしれない。
限定版ボックスはもっと渋いです。
初回の販売は茶色い箱に入った限定版だったところからマニア市場を最初から狙った製品であることは一目りょう然、やはりディテールアップパーツも同時発売された。
この分だと2011年から運用予定のK2次期主力戦車も、いずれ出そうだ。
これらの製品は少数が輸入されるだけで需要自体がもともとあるとも思えないから、日本のお店ではあまり見かけない(アカデミー科学製品はクレオスが代理店として輸入・販売しているが、あまり流通していない)。
ディテールアップパーツはなおさらそうで、韓国内でも入手しようと思ったらWEB通販を使うしかないので店頭で手にすることはないと思う。
しかもアカデミー科学にしてもカンナム模型にしても、日本の模型業界にとっては凶状持ち。
特にアカデミー科学が日本の某有名メーカーから名指しで弾劾されたのは、模型業界では有名な話である。
日本は市場の縮小化が進み、プラモデルメーカーは新規開発に慎重にならざるをえない。
そこで、すきまを狙い、猛威をふるっているのが中国のメーカーなんだけど、韓国の模型メーカーにとっても日本市場は全面的に参入したいはず。
だけど、今だ韓国製プラモデルは【いかがわしい】というイメージを免れない。
中国の有名メーカーが日本人スタッフや日本企業と、それなりにうまくやっていることと対照的。
しかし、ここ10年、市場的には先細りで苦しい状況でも視点を変えてみれば、韓国の模型市場は多様性の開花という点では活気をていしているようにも見える。
男が大人になっても、ちまちま模型をいじれる時代になった今だからこそ、軍隊時代、つまり青春の思い出を模型としてなぞり懐かしむ市場というものが、韓国では形成されつつあるのかもしれない。
Vol.275 パチ◇▼☆魂?テコンVフィギュア参上!⇒敵メカ発売希望 [韓国カルチャー]
ここ数年、『テコンV=로보트 태권 V』が、いささか、隆盛の兆しを見せている。
10年ほど前、韓国でアニメ投資ブームが起こっていた頃、この『テコンV』リメイクが企画されていたことがあった。
当時、アニメーション関係者に、パンフレットが配られたりした(今思えば、1枚入手しておけばよかった…)
しかし…
待てども待てども、『ニューテコンV』は姿を現さない。
知人に聞いたら、「あれ?権利がまとまらなくて、ペンディングになったよ」
どうやら、『宇宙戦艦ヤマト』だとか、『機動戦士ガンダム 1ST』みたいな状況だったらしい。
それからさらに時を経て、2007年。
今度はオリジナル第1作『テコンV』が復元され、興行も良好、という出来事があった。
だが、残念なことに、2作目『宇宙作戦』と3作目『水中特攻隊』はまだ、公開されていない。
特に1作目と2作目は話が続いているから、重要だ。
3作目も、その悲劇的なラストは印象的であり、『テコンV』の価値を知らしめる上で、これらは是非、復元して公開すべきだろう。
この2作をきちんと公開しない限り、『真・テコンV』というべき作品の本質は、わからないのではないだろうか?と考えている。
噂では、かなり状態のいいプリントが発見されてはいるが、所有者がべらぼうな金額を吹っかけて来たので、商談中とのお話だったが、今はどうなったのだろうか。
でも、十年くらい前まで、これら作品のDVDがあったような、なかったような…
ちなみに、4作目の『テコンVと黄金翼の対決』は微妙な出来映えであり、賛否両論分かれそう。
1980年代、90年代のテコンVは、残念ながら、あえて無視したい。
でも、一番観ることが容易なのは、この時期のシリーズだ。
さて、㈱テコンVという会社が設立されたことが功をなしたのか、2008年から、まともな韓国製キャラクター製品が市場に出回るようになった。
7、8年前にも、無可動だけど、すこぶる雰囲気のいい、大きなソフビ人形が販売されたことがあったが、高くて買えなかったし、再販もされず、何年間も悔んでいた最中だったので、この新たなフィギュア・シリーズのラインアップには、ちょっとワクワクした。
『テコンV復刻版』公開後に出た、第1弾フィギュアは、無可動の小さな製品で、ガレージキットに毛が生えた程度。
可動版の企画進行中だったので、買わなかった。
その次に出たのが、PVC製の可動版フィギュア。
韓国玩具史の中では画期的ともいえそうな製品だったが、海洋堂のリボルテックをかなり参考にしている。
でも、「腰が廻らねぇ~」とか「色がイメージと違う~」とかいった理由のほかに、全金属製の企画進行中だったので、これまた買わなかった。
やがて、無可動ミニ・フィギュアセットが発売。
この製品が素晴らしいのは、あのしょぼい敵メカが、ちゃんと立体化されたことなんだけど、サイズは小さくて、食指が動かず、買わなかった。
ラスボス・メカは無理としても、やっぱり、メリー・ロボットとか、コムド・ロボットなんかは、フル可動版で、出すのがスジでしょう。
2009年7月末、満を期して、遂に全可動・金属製テコンVが発売される。
高額なのは予想していたので仕方ないが、限定1976個という、こまった条件がついている。
コレクターにとってはいいだろうけど、いじって遊ぶユーザーにはいらない付加価値だ。
仕方ないので、友人に頼んで予約を入れてもらい、入手。
出来栄えは想像通りというか、日本製にかなう訳がないのは最初からわかっていたし、WEB上で試作品が公開されていたので「まあ、こんなもんだろう」と、がっかりはしなかった。
それに、韓国玩具の歴史で考えれば、凄いことだ。
だが、いじればいじるほど、製品の甘い部分が見えてくる。
日本の「超合金魂」を相当参考にしているのは、致し方ないが、今の韓国におけるオタク領域の成長を考えると、その企画性の低さが、ちょっと悲しい。
この製品、胸の<V>は別パーツになっていて、色違いで4つ付いている。
だけど、その意味は、なんだか不明だ。
だって、劇中、そんな設定あったのかな?
あるとしても、単なるNGテイクでしかないと思うんだけど(セルの塗り間違いとか)、凝り方のベクトルが誤っている気がする。
ポージングの自由度についても、肩や、足首廻りのデザインが、可動を妨げている設計になっていて、具合がえらくよくない。
アニメの設定に忠実に再現したせいなのかもしれないが、おかげでキックポーズが保持できない。
ここら辺は、もっと割り切って、可動重視にした方が、テコンVというコンセプトに合うんじゃないのかな?と思うんだけど…
手足を支える肝心の関節部は、キツキツとユルユルの差が激しすぎるうえ、磁石で固定する上腕部が、ポロポロとよく抜け落ちる。
また、あくまでも好みの問題ではあるけれど、頭部ハッチを開放したものを、コンバージョンキットで、ぜひ付けて欲しかった。
付属しているカンドン・ロボットの小さなフィギュアは、そのままでは、直立しない。
仕方ないので両面テープで台座に貼り付けるが、それって、ストラップかなんかにつかえ、という意味なのかな???
しかし、この『テコンV』フィギュア、一番の問題は、リニューアルされたデザインのまずさだろう。
色といい、モールドといい、なんだか妙で、デザイン・センスがとにかく悪い。
たぶん、現行の公式設定に基づくものではないかと思うのだけど、改悪にしか見えない。
劇中のテコンVは、意外にグレー味が強く、個人的にはティターンズ・カラーのガンダムMrⅡに近いカラーリング・イメージなんだけど、現行版フィギュアのテコンVは、なぜか、胴体や二の腕、腿の色味が、かなり白い。
いくら韓国人が白黒はっきりさせるのが好きだからいっても、これじゃ、自ら「マジンガーZのパチ」と謳っているみたいなカラーリング(PVC版は生産ロットで色が違うようだが、あくまでも記憶の範囲なのであしからず)。
そして、付け加えられたディテールが、リアリティを増すどころか、逆効果。
追加されたモールドは、傷みたいで、センスの悪さが光る。
カトキハジメ式アレンジを参考にしたのかもしれないが、これだったら、何もディテールを付け加えないほうが、よっぽどましなのでは??
なにせ、テコンVはスーパーロボット。
ディテール無しのツルツルがよく似合うのは、マジンガーと同じだと思うんだけど…
<最近十年間に発売され、確認できた、テコンVフィギュア一覧>
※個人の記憶に基づく、不正確なデータなので、参考にしないでください(^^!)
■ジャンボサイズ・フィギュア(全高60㎝くらい?)
→限定&注文制ソフビ・フィギュア(現時点でもこれが一番劇中イメージに近い)。
■無可動版フィギュア
→復元版DVDのおまけに付いていたものと同一品と思われる。
■ジャンボサイズ・フィギュア限定1000個版
→リニューアル・デザイン版だが、原型が新規かどうかは不明。
■ミニフィギュア詰め合わせ
→たぶん、敵メカ初の立体化。
■PVC製ほぼ全身可動版
→現在、一番入手しやすいのがこれ。
割と売れているみたいだが、内容に比べると高額商品。
■金属製+PVC製ほぼ全身可動版
→今回紹介した製品。
どうせ、Ver.2.0とか、出るんじゃないのかな??
探せば入手可能
↓
※売り切れました
↓
2009年11月現在、ネットではまだ入手可能でした。
ご興味のある方は、韓国のサイトでググッてみてください。
幾つかの製品は、まだまだ入手可能です。
日本製のものとしては、過去にまんだらけが通販限定で発売していた、無可動ガレージ・キットがあります(たぶん、日本製???)。
気になる方は、ご自身でお調べください。
10年ほど前、韓国でアニメ投資ブームが起こっていた頃、この『テコンV』リメイクが企画されていたことがあった。
当時、アニメーション関係者に、パンフレットが配られたりした(今思えば、1枚入手しておけばよかった…)
しかし…
待てども待てども、『ニューテコンV』は姿を現さない。
知人に聞いたら、「あれ?権利がまとまらなくて、ペンディングになったよ」
どうやら、『宇宙戦艦ヤマト』だとか、『機動戦士ガンダム 1ST』みたいな状況だったらしい。
それからさらに時を経て、2007年。
今度はオリジナル第1作『テコンV』が復元され、興行も良好、という出来事があった。
だが、残念なことに、2作目『宇宙作戦』と3作目『水中特攻隊』はまだ、公開されていない。
特に1作目と2作目は話が続いているから、重要だ。
3作目も、その悲劇的なラストは印象的であり、『テコンV』の価値を知らしめる上で、これらは是非、復元して公開すべきだろう。
この2作をきちんと公開しない限り、『真・テコンV』というべき作品の本質は、わからないのではないだろうか?と考えている。
噂では、かなり状態のいいプリントが発見されてはいるが、所有者がべらぼうな金額を吹っかけて来たので、商談中とのお話だったが、今はどうなったのだろうか。
でも、十年くらい前まで、これら作品のDVDがあったような、なかったような…
ちなみに、4作目の『テコンVと黄金翼の対決』は微妙な出来映えであり、賛否両論分かれそう。
1980年代、90年代のテコンVは、残念ながら、あえて無視したい。
でも、一番観ることが容易なのは、この時期のシリーズだ。
さて、㈱テコンVという会社が設立されたことが功をなしたのか、2008年から、まともな韓国製キャラクター製品が市場に出回るようになった。
7、8年前にも、無可動だけど、すこぶる雰囲気のいい、大きなソフビ人形が販売されたことがあったが、高くて買えなかったし、再販もされず、何年間も悔んでいた最中だったので、この新たなフィギュア・シリーズのラインアップには、ちょっとワクワクした。
『テコンV復刻版』公開後に出た、第1弾フィギュアは、無可動の小さな製品で、ガレージキットに毛が生えた程度。
可動版の企画進行中だったので、買わなかった。
その次に出たのが、PVC製の可動版フィギュア。
韓国玩具史の中では画期的ともいえそうな製品だったが、海洋堂のリボルテックをかなり参考にしている。
でも、「腰が廻らねぇ~」とか「色がイメージと違う~」とかいった理由のほかに、全金属製の企画進行中だったので、これまた買わなかった。
やがて、無可動ミニ・フィギュアセットが発売。
この製品が素晴らしいのは、あのしょぼい敵メカが、ちゃんと立体化されたことなんだけど、サイズは小さくて、食指が動かず、買わなかった。
ラスボス・メカは無理としても、やっぱり、メリー・ロボットとか、コムド・ロボットなんかは、フル可動版で、出すのがスジでしょう。
2009年7月末、満を期して、遂に全可動・金属製テコンVが発売される。
高額なのは予想していたので仕方ないが、限定1976個という、こまった条件がついている。
コレクターにとってはいいだろうけど、いじって遊ぶユーザーにはいらない付加価値だ。
仕方ないので、友人に頼んで予約を入れてもらい、入手。
出来栄えは想像通りというか、日本製にかなう訳がないのは最初からわかっていたし、WEB上で試作品が公開されていたので「まあ、こんなもんだろう」と、がっかりはしなかった。
それに、韓国玩具の歴史で考えれば、凄いことだ。
だが、いじればいじるほど、製品の甘い部分が見えてくる。
日本の「超合金魂」を相当参考にしているのは、致し方ないが、今の韓国におけるオタク領域の成長を考えると、その企画性の低さが、ちょっと悲しい。
この製品、胸の<V>は別パーツになっていて、色違いで4つ付いている。
だけど、その意味は、なんだか不明だ。
だって、劇中、そんな設定あったのかな?
あるとしても、単なるNGテイクでしかないと思うんだけど(セルの塗り間違いとか)、凝り方のベクトルが誤っている気がする。
ポージングの自由度についても、肩や、足首廻りのデザインが、可動を妨げている設計になっていて、具合がえらくよくない。
アニメの設定に忠実に再現したせいなのかもしれないが、おかげでキックポーズが保持できない。
ここら辺は、もっと割り切って、可動重視にした方が、テコンVというコンセプトに合うんじゃないのかな?と思うんだけど…
手足を支える肝心の関節部は、キツキツとユルユルの差が激しすぎるうえ、磁石で固定する上腕部が、ポロポロとよく抜け落ちる。
また、あくまでも好みの問題ではあるけれど、頭部ハッチを開放したものを、コンバージョンキットで、ぜひ付けて欲しかった。
付属しているカンドン・ロボットの小さなフィギュアは、そのままでは、直立しない。
仕方ないので両面テープで台座に貼り付けるが、それって、ストラップかなんかにつかえ、という意味なのかな???
しかし、この『テコンV』フィギュア、一番の問題は、リニューアルされたデザインのまずさだろう。
色といい、モールドといい、なんだか妙で、デザイン・センスがとにかく悪い。
たぶん、現行の公式設定に基づくものではないかと思うのだけど、改悪にしか見えない。
劇中のテコンVは、意外にグレー味が強く、個人的にはティターンズ・カラーのガンダムMrⅡに近いカラーリング・イメージなんだけど、現行版フィギュアのテコンVは、なぜか、胴体や二の腕、腿の色味が、かなり白い。
いくら韓国人が白黒はっきりさせるのが好きだからいっても、これじゃ、自ら「マジンガーZのパチ」と謳っているみたいなカラーリング(PVC版は生産ロットで色が違うようだが、あくまでも記憶の範囲なのであしからず)。
そして、付け加えられたディテールが、リアリティを増すどころか、逆効果。
追加されたモールドは、傷みたいで、センスの悪さが光る。
カトキハジメ式アレンジを参考にしたのかもしれないが、これだったら、何もディテールを付け加えないほうが、よっぽどましなのでは??
なにせ、テコンVはスーパーロボット。
ディテール無しのツルツルがよく似合うのは、マジンガーと同じだと思うんだけど…
<最近十年間に発売され、確認できた、テコンVフィギュア一覧>
※個人の記憶に基づく、不正確なデータなので、参考にしないでください(^^!)
■ジャンボサイズ・フィギュア(全高60㎝くらい?)
→限定&注文制ソフビ・フィギュア(現時点でもこれが一番劇中イメージに近い)。
■無可動版フィギュア
→復元版DVDのおまけに付いていたものと同一品と思われる。
■ジャンボサイズ・フィギュア限定1000個版
→リニューアル・デザイン版だが、原型が新規かどうかは不明。
■ミニフィギュア詰め合わせ
→たぶん、敵メカ初の立体化。
■PVC製ほぼ全身可動版
→現在、一番入手しやすいのがこれ。
割と売れているみたいだが、内容に比べると高額商品。
■金属製+PVC製ほぼ全身可動版
→今回紹介した製品。
どうせ、Ver.2.0とか、出るんじゃないのかな??
↓
↓
2009年11月現在、ネットではまだ入手可能でした。
ご興味のある方は、韓国のサイトでググッてみてください。
幾つかの製品は、まだまだ入手可能です。
日本製のものとしては、過去にまんだらけが通販限定で発売していた、無可動ガレージ・キットがあります(たぶん、日本製???)。
気になる方は、ご自身でお調べください。
Vol.266 <演劇情報>ミュージカル「ノートルダムのせむし男 / 노트르담 드 파리」 [韓国カルチャー]
日本でもおなじみ、ミュージカルの定番ネタ、「ノートルダムのせむし男/노트르담 드 파리」が、8月4日から、韓国の国立劇場で始まりました。
今回、Frollo副司教演じる、ソ・テファは、元々はオペラ歌手志望。
声楽を学ぶために、アメリカとイタリーに留学した経験があります。
彼の歌声は、プライベートで参加している聖堂の集会以外はなかなか聞くことができませんが、今回の公演は、彼の原点ともいえる片鱗をのぞかせてくれる舞台になるでしょう。
Wキャスティングなので、彼に興味を持たれた方は、スケジュールを直接劇場にお問い合わせください。
私が問い合わせた時は、ちゃんと、香盤表を送ってくれました(^^)
なお、国立劇場は、海外からでもチケット予約&購入が可能です。
支払方法は、指定のクレジットカード、もしくは指定銀行口座への振り込み。
コンタクトは英語もしくは韓国語のみとなります。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
題名:뮤지컬 <노트르담 드 파리>
公演期間:2009-08-04 ~ 2009-08-27
上演時間:平日PM8時, 土曜日PM3時/PM7時30分, 日曜日PM2時/PM6時30分
料金:VIP席 W120000-/R席 W100000-/S席 80000-/A席 W60000-/B席 W40000-
(少々お高いですが、円高傾向の今、チャンスかも)
※スケジュールや料金その他は、日々変動する可能性があります(なにせ、韓国なもんで…)。
詳細は直接、劇場にお問い合わせください。
今回、Frollo副司教演じる、ソ・テファは、元々はオペラ歌手志望。
声楽を学ぶために、アメリカとイタリーに留学した経験があります。
彼の歌声は、プライベートで参加している聖堂の集会以外はなかなか聞くことができませんが、今回の公演は、彼の原点ともいえる片鱗をのぞかせてくれる舞台になるでしょう。
Wキャスティングなので、彼に興味を持たれた方は、スケジュールを直接劇場にお問い合わせください。
私が問い合わせた時は、ちゃんと、香盤表を送ってくれました(^^)
なお、国立劇場は、海外からでもチケット予約&購入が可能です。
支払方法は、指定のクレジットカード、もしくは指定銀行口座への振り込み。
コンタクトは英語もしくは韓国語のみとなります。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
題名:뮤지컬 <노트르담 드 파리>
公演期間:2009-08-04 ~ 2009-08-27
上演時間:平日PM8時, 土曜日PM3時/PM7時30分, 日曜日PM2時/PM6時30分
料金:VIP席 W120000-/R席 W100000-/S席 80000-/A席 W60000-/B席 W40000-
(少々お高いですが、円高傾向の今、チャンスかも)
※スケジュールや料金その他は、日々変動する可能性があります(なにせ、韓国なもんで…)。
詳細は直接、劇場にお問い合わせください。
Vol.262 仁寺洞を久しぶりに歩いてみた [韓国カルチャー]
たまたま、泊まったホテルの関係で、仁寺洞にしばらく滞在する。
江北方面に宿泊するのは、十年ぶりだが、ここら辺は「安国駅」と「鍾閣駅」と「鍾路三街駅」「鍾路五街駅」に挟まれているので、交通がかなり便利だ。
クソ高い明洞だとか市庁辺りのホテルに泊まるよりもお得感はあるが、江南方面に手軽に出るには狎鴎亭辺りが限界、お馴染みの下町・新林方面も、遠くて不便という場所でもある。
この仁寺洞、かつてソウルでもっとも好きな所だったんだけど、十年くらい前から再開発が進み、風景は激変、安っぽいだけの場所になったので、ムカついて背を向けていた。
これは昔の仁寺洞界隈を知る韓国人も同じらしく、再開発の時にはかなり反対があった記憶がある。
そんなわけで<期待度ゼロ>で滞在することになった訳なんだけど、よい意味で期待を裏切られる。
だが、それとは別に、一番困ったのが、休日の人ごみ。
凄いこと、凄いこと、これじゃ、まるでラッシュ時の新宿駅。
道を急ごうにも、ひといきれがもの凄くて全然先に進めない。
駅に向かうには、裏道を通って、鍾閣の方に回らないと、とても行けない人口密度だ。
逆に、ちょっと感動したのは、いくら表向きは小奇麗・立派にしても、<やっぱり仁寺洞は貧乏臭い>、という事実。
早朝や深夜になると人影は全然なくなって、かつての侘しく、でも情緒ある、素敵な街が姿を現す。
これは予想もしなかったことで、結局、その土地が持つ個性やエネルギーというものは変えようがないということなのかもしれない。
十年ほど前に、立派に舗装されたはずの石畳の道路は、かつて一部仁寺洞愛好者の間で不評を買ったが、交通量が多いせいか、最近は、だいぶ痛んでガタガタ。
それが逆に妙な味を出し始めているのが不思議だった。
この街はもともと、スキモンが集まるような趣味の街角だったけど、今は<ちょっとお洒落でアートな超有名観光地>。
でも、再開発から約十年を経て、街を再び歩いてみれば、それなりに独特の個性が出てきつつもあり、<これはこれでいいのかな?>などと、人気が消えた深夜の仁寺洞を歩きながら想うのであった。
ただし、食堂街に魅力がまったくなくなり、値段も江南並みになってしまったのは参った。
かつて<仁寺洞界隈の食堂>といえば、ハズレナシでリーズナブルだったのだが、マンドゥ・チムが一皿W7000-って、どうゆうこっちゃ?
結局、滞在中、仁寺洞で飲み食いしたのは二回だけだった。
江北方面に宿泊するのは、十年ぶりだが、ここら辺は「安国駅」と「鍾閣駅」と「鍾路三街駅」「鍾路五街駅」に挟まれているので、交通がかなり便利だ。
クソ高い明洞だとか市庁辺りのホテルに泊まるよりもお得感はあるが、江南方面に手軽に出るには狎鴎亭辺りが限界、お馴染みの下町・新林方面も、遠くて不便という場所でもある。
この仁寺洞、かつてソウルでもっとも好きな所だったんだけど、十年くらい前から再開発が進み、風景は激変、安っぽいだけの場所になったので、ムカついて背を向けていた。
これは昔の仁寺洞界隈を知る韓国人も同じらしく、再開発の時にはかなり反対があった記憶がある。
そんなわけで<期待度ゼロ>で滞在することになった訳なんだけど、よい意味で期待を裏切られる。
だが、それとは別に、一番困ったのが、休日の人ごみ。
凄いこと、凄いこと、これじゃ、まるでラッシュ時の新宿駅。
道を急ごうにも、ひといきれがもの凄くて全然先に進めない。
駅に向かうには、裏道を通って、鍾閣の方に回らないと、とても行けない人口密度だ。
逆に、ちょっと感動したのは、いくら表向きは小奇麗・立派にしても、<やっぱり仁寺洞は貧乏臭い>、という事実。
早朝や深夜になると人影は全然なくなって、かつての侘しく、でも情緒ある、素敵な街が姿を現す。
これは予想もしなかったことで、結局、その土地が持つ個性やエネルギーというものは変えようがないということなのかもしれない。
十年ほど前に、立派に舗装されたはずの石畳の道路は、かつて一部仁寺洞愛好者の間で不評を買ったが、交通量が多いせいか、最近は、だいぶ痛んでガタガタ。
それが逆に妙な味を出し始めているのが不思議だった。
この街はもともと、スキモンが集まるような趣味の街角だったけど、今は<ちょっとお洒落でアートな超有名観光地>。
でも、再開発から約十年を経て、街を再び歩いてみれば、それなりに独特の個性が出てきつつもあり、<これはこれでいいのかな?>などと、人気が消えた深夜の仁寺洞を歩きながら想うのであった。
ただし、食堂街に魅力がまったくなくなり、値段も江南並みになってしまったのは参った。
かつて<仁寺洞界隈の食堂>といえば、ハズレナシでリーズナブルだったのだが、マンドゥ・チムが一皿W7000-って、どうゆうこっちゃ?
結局、滞在中、仁寺洞で飲み食いしたのは二回だけだった。
(オム・ジョンファ演じるペ女史は刑務所に入っても化粧が濃いです)