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Vol.491 ガラガラな飲み屋 [韓国生活]

 昔から夜の弘益大付近はお店が混むので、人と待ち合わせると、場所に困ることが多い。
 個性的なお店も多いが、そういうところほど座席を確保するのが難しく、店内がうるさいので、ゆっくり話ができないことが悩みのタネだった。

 ここ五、六年は某店を馴染みの場所として使っていたのだが、いきなり閉店してしまったので、かなり困る事態になる。
 じゃあ、どうしようかと思っていると、人のいない飲み屋が駅のすぐ近くにあるという。
 話が出来てお酒が飲めればいいや、ということでそこに行ってみることにした。

 古ぼけたビルの三階にある普通の飲み屋で、驚くほど駅から近いが、確かに中はガラガラ。
 働いている人も片手間風なので、何か本業があるんだろう。
 つまみ類は、この手のお店によくある物が並んでいるだけだし、お酒も同様。
 つまり、グルメ気取っていると注文に困るお店なのだけど、「勝手にやってね」的な雰囲気が意外と心地よく、本当に誰も来ないので、妙に落ち着いている。

 そんなこんなで4時間近くみんなでダベっていたのだけど、お店の人は嫌な顔一つせず、相変わらず「勝手にやってね」状態。
 最初は「えー」的だった古いビルの様相も、逆に一種の「弘益大前イズム」を感じさせ、案外ここら辺では減ってきているスタイルのお店に見えてきたりする。

 入居しているビルがかなり古いビルなので、無くなるのは時間の問題のような気もするが、一次会は論外としても、二次会、三次会の定番としてはいいお店と言えそうだ。

 料理にこだわらず、ひたすらだべることに集中したい方にはお勧めしたい(といいつつ場所は書きません)。

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こっちの方はまだ、穴場かも。

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Vol.490 韓国の夏Part2、教皇の夏 [韓国生活]

 2014年、8月某日。
 午前中、私は映画を観るべく、光化門駅に地下鉄五号線で向かった。

 定宿から光化門駅は3kmもないから、機嫌が良い日は徒歩で行くのだが、あいにくそうではなかったので、地下鉄で行くことにする。
 鍾路三街駅から5号線を使えば、光化門駅まで五分もかからない。

 列車が来たので乗る。
 次の駅で停車したので確認すると西大門駅だ。
 「ああ、またやっちゃった…」
 ぼうっとしているとあっという間に西大門駅まで行ってしまうくらい、鍾路三街駅から光化門駅は近いから、疲れている時や考え事をしている時は要注意なのだ。

 仕方ないので反対方向の車両に乗り換える。
 だが、地下鉄は光化門駅をすっ飛ばして、鍾路三街駅に到着する。
 「あれれれれれ!」
 そう、その日の午前中は光化門駅に地下鉄が停まらなかったのだ!

 なぜなら、第266代ローマ教皇フランシスコを迎えた謁見式が、「大韓民国が世界に誇る大イベント」として、光化門広場こと「歴史自慢広場」で開催されており、光化門駅は完全封鎖されていたからなのだ。
 地下鉄が停まらないのは市庁駅も同様で、去りゆく同駅構内にいるのはベンチで寝ているホームレスの人だけ。

 仕方ないので普信閣駅に戻り、そこから鍾路に沿って徒歩で光化門駅方向に向かうことにする。
 道路は通行止めになっていて、まるで日曜の銀座か、新宿のよう。
 道幅が広いので清進洞辺りまで人の群れがそれほど気にならなかったが、清進洞辺りから人々が動かなくなり始め、光化門駅十字路手前にくると、遂に先へ進めなくなってしまう。

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ここらまでは大したことないのですが…

 その様子に改めて、韓国におけるカトリックの影響力を思い知らされる。
 日頃、特定宗教と関わりの薄い暮らしをしている私にとって、体験してみないと皮膚感覚では理解できない宗教の存在がそこにはあった。

 現場には教皇を一目見ようと地方から団体で来ている人たちがかなりいて、みんな共通のTシャツだとか紙のサンバイザーを被っている。
 だが、この凄まじい人混みでは多くの人達にとって、「教皇に直接拝謁する」という真摯な願いは叶わなかったのではないだろうか。

 私が広場前に着いた時はすでに謁見式は終わっており、教皇は現場から去っていたが、今度は人々が一斉に帰路に着くのでこれがまた大パニックだ。
 ここでテロでもやられたら大惨事なのだが、警察官の姿はかなり少なく、警備が予想より手薄に見えた。
 そういえば前日も当日もTVニュースで教皇のパレードを中継していたけど、乗っていたのは韓国車を改造したオープントップ、狙われたらイチコロの防備だった。

 光化門十字路の狂ったような人混みをなんとか突破して通りの反対側に出るが、そっち方向には団体さんのバスが停められているらしく、人々の列が延々と流れ続けている。

 映画の上映まで時間があったので、どこかで一休みしようと思ったが、どのカフェも帰りの人たちで満席、仕方ないので、前から気になっていた中国料理屋に入って冷麺を食べる。
 でも、そのお店もまた、帰りの団体さんで一杯だった。

 日本でローマ教皇と言えば、ヨハネ・パウロ2世が来日した際、銀座教会に来たことを覚えているが、大分昔の話である。
 2015年に現教皇が日本に来るとか来ないとか調整しているらしいが、それが実現しても東京ではここまで大騒ぎにならないだろうし、訪日が決まれば、おそらく日本人よりも在日外国人での方が盛り上がるんじゃないだろうか?
 そういう意味では、今回の大騒ぎぶりに遭遇出来たことはいい経験だったのかもしれない。
 もしかして、「お導き」だったのかも?

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宴の後…


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Vol.489 恐怖!ヒステリー発現 [韓国生活]

  「火病」という言葉が韓国人気質を揶揄するネットスラングとして日本で一般的になって久しい。
 これと同じ症状なのかは分からないが、韓国で時折遭遇するものに、病的なヒステリー発現がある。

 時や場所に関係なく目撃するので、おそらく一定の遺伝性気質に基づく症状ではないかと思うのだが、これに触れた具体的な文献を見たことがないので定かではない。
 この現象に共通するのは、発現者が年齢に関係なく皆女性ということであり、韓国人男性の「瞬間湯沸かし器」と異なるのは、症状の時間が長く、収まるまで誰も手がつけられない、ということである。

 かつて韓国の企業で日本語の堪能な韓国人女性スタッフが急務で必要になったことがあり、ちょっと人探しに協力したことがあったのだが、求人する側の経営者は「三十歳未満の女性」であることに拘った。
 女性であることの必然性は、軋轢の調整役として期待を込めたからだと思うが、年齢制限についてなぜかと聞くと「三十過ぎるとキチガイみたいなヒステリーになる女がいるから」とおっしゃる。
 それを語るときの彼は、それはそれは心底嫌そうな顔だった。

 男女関係のもつれだとか、店で身勝手が通じずブチ切れ、といったパターンで始まる女性のヒステリー騒ぎは日本でもたまに見かけるが、発現までのプロセスはおおよそ同じであっても、症状の深刻さは韓国の方が遥かに上で、その凄まじさは、直接遭遇しないとわからないと思う。

 とにかく怒り方が尋常でなく、叫び声は物凄くで、よくもまあ、こんなに怒り狂っていられるものだと感心するくらい、一度始まるとテンションが下がらない。
 韓国の街中で騒ぎが起こり、野次馬が集まっていると、よくその原因になっているのが、この「ヒステリー発現者」だったりする訳だが、第三者にとって一番困るのは、公共の場で平然と発現することである。

 一度、空港の搭乗検査時に、中年女性にこれをやられたことがあるが、現場は大停滞になってしまい、皆迷惑を被った。
 他の韓国人からすれば、「あのオバさん、しょーがないなぁ」で済むが、事情を知らない外国人からすればトンデモない迷惑行為にしか過ぎず、本当なら警備関係者がとっ捕まえて別室に連れて行くべきものだろう。

 狎鴎亭のおしゃれな界隈でも遭遇したことがあるけど、その時の発現者は若い女性で、どうやら原因は男女関係のもつれらしかったが、日本人基準で見れば「異常」な騒ぎようだ。
 諍いが起こった袋小路には、通りの向こうからも野次馬がドヤドヤと駆けつける始末で、一時は辺りが騒然となった。

 この現象が住宅街で発現すると、辺りが閑静な分だけ余計目立つことになる。
 常軌を逸したヒステリー声が長時間響き渡るので、家の前はニヤニヤ笑いの野次馬が集まり、発現レベルが上昇すると「アイゴー!」という叫び声とともに、「ガラガラ、ドッシャーン」と、家財を破壊する音も聞こえてきたりする。
 
 あくまでも個人的な経験上の話限定ではあるけれど、韓国において初対面の印象がやたらと明るくフレンドリーなタイプの人は、情緒不安定で躁鬱が激しい傾向を感じるので、ちょっと要注意かもしれない。
 「知り合った韓国人は朗らかな性格」だなんて喜んでいると、いつの間にやら、とんでもない修羅場に巻き込まれるかも?

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Vol.487 煉獄からの脱出となるか!? [韓国生活]

 以前、本ブログで紹介したA氏が遂に日本へ本格帰国することになった。
 韓国と縁が切れてしまう訳ではないが、ソウルの住居を引き払い東京に家を借りて、今後は日本にある会社で働くことになる。

 筆者はしばらく氏と会っておらず、ソウルで会う機会もこれが最後だろうと思い、久しぶりに彼が務めるオフィスに赴いてみた。

 そこはソウル市の外れ、新興オフィス街のインテリジェントビル内にある。
 ここら辺はかつて工場地帯であり、軍事政権下では労働運動のメッカのような場所だったが、盧武鉉政権時の公約で工場の多くが地方に移転した後は、再開発事業の一端として沢山のインテリジェントビルが建てられた。

 だが、こんな不便な場所にすすんでオフィスを設けるのは経営不安定な零細企業ばかりなので、なかなか住人が定着せず、駅前は賑わっているが街は半ばゴーストタウンのままだ。
 そのためか、食事をする場所も開店・閉店の繰り返しで安定しない。

 それとは反対に、このオフィス街を取り囲む古い市街地の方は、ここ十年、中国人のニューカマーが大激増、今ではインテリジェントビル群が新中華街に包囲された様相になっていて、まるで韓国人のアラモ砦のようだ。

 A氏が韓国で何の仕事に携わっているかは書かないが、クリエイティブ系の仕事である。
 近所には技術系ベンチャー企業が多いので、最近は日本人の出入りもだいぶ増えたらしい。

 A氏がソウルに住んで約十五年になる。
 彼の地での暮らしが合っているらしく、それなりの不愉快な問題はあっても、意外と日本人独身男性にとってソウルの下町生活はそんなに悪くないのかもしれない。
 逆に妻帯者・家族持ちだったら、こんなに長くソウル暮らしは続けられなかったと思う。

 かつて、昔の韓国をよく知る日本人に「昔の汚い地方暮らしに耐えられるなら、韓国でやって行けるよ」というアドバイスを受けたことがあるけれど、A氏くらいの年齢だと、今のソウルはちょうど、ご当人の子供時代や学生時代に近い生活水準かもしれない。

 仕事場は趣味が高じての熱帯魚の水槽や観葉植物が幾つも立ち並んでいて、会社内オアシスと化している。
 玄関のフラワーアレンジメントも担当していて、その見事な空間プロデュースぶりは会社公認となり、経費も出してくれるようになったというから大したものである。
 でも、韓国は今だ娯楽の選択肢が少ないので、それもA氏が内装に熱を上げていた理由の一つなんだろうと思う。

 仕事自体はかなり忙しいはずなのだが、韓国は個人と家族優先の社会なので、A氏が以前仕事をしていた東京に比べれば、そこそこのんびりしている。

 筆者は韓国の暮らしが決して夢のように楽しいとは思わないし、同じような所得レベルなら、小金持ちであっても貧乏であっても、日本の方が便利で遥かに楽しみが多いという認識は今だ変わらない。

 しかし、いつも気が抜けない東京の生活に比べると、皆が自分勝手で、いい加減で、その場主義に見えてしまうソウルの暮らしは、日本人が一度馴染んでしまうとその緩い空気から抜け出し難くなってしまうのかもしれない。

 取り急ぎですが、Aさん、お疲れ様でした!!!

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筆者もこことお別れ。ちょっと寂しいです…

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Vol.483 ホットスポットが乱立中 [韓国生活]

 今、ソウルの街中はWi-Fiのホットスポットだらけだ。
 中にはアクセス権購入が必要なものもあるが、地下鉄にお店、ファストフードやカフェ、映画館などに入るとフリーのアクセスポイントが一つや二つはあったりする…いや、乱立していたりする。

 自由に使えるホットスポットの存在自体は無いよりあった方がいいし、こうしたインフラが遅れ気味な日本と比較して、韓国のよい面の一つかもしれないが、逆にこれだけ「野良スポット」がゴロゴロしていると、セキュリティの問題以外に、「皆、活用出来ているのか?」という疑問をどうしても感じてしまう。
 本来の狙いは、市民の為というよりも、政府や企業主導の内需促進政策の一環なんじゃないのだろうか?

 私も韓国ではスマートフォンを使っているが、基本的にネットは接続しない。
 カフェで休憩している時にメールをチェックしたりする程度で、自分から情報発信したりしないし、なにか検索することもあまりない。
 なぜかというと、やはりPCより操作が面倒だからだ。

 スマートフォンやパッドは画面が小さく見づらいこともあるが、入力はどうもキーボードでないとやりにくくて仕方ないし、かといってモバイルPCを持ち歩くのも趣味じゃない。
 交通や映画の情報なども同様で、スマートフォンなどでの検索は情報全体の把握しにくさから、あまり役に立たない。
 そして、これらモバイル機器には「急いでいる時は繋がらない」という法則があったりする。

 それでは、他の人達がワイアレスで何を夢中にやっているのか覗いて見ると、ほとんどがチャットだとかゲームだとか、動画や音楽だったりする訳だが、これじゃ、情報検索のツールとしてあまり役に立っていないのでは?という気もする。

 先日、試しにFACE BOOKへの画像投稿をスマートフォンでやってみたけど、かなりやりにくく、文書や画像を大量にスマートフォンだけでUPしている人は凄いな、などと感心した。
 きっと、これからも私はモバイル機器で情報発信をやらないだろうな。

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Vol.482 金浦空港からバスに乗って [韓国生活]

 いつも金浦空港から市内バスを使ってソウル江北にある宿まで行くのだけど、これは何故かというと、目的地に近い地下鉄駅は長い階段ばかりで、重い荷物を持って地上に上がるのがかなり大変だからだ。
 ただ、この江北方面行の市内バスが曲者で、同じ番号でも行く先が全く違っていたりする。
 一応、電光掲示板にはそのことが書かれてはいるけど、事情を知らないと非常に分かりにくい。

 その日もいつものようにバスを待っていた。
 乗り慣れていた路線であり、疲れていたこともあって、迷わずやって来たバスに乗ってしまったのだが、それが間違いの始まりだった。
 走るルートが微妙に違う。
 でもバスの番号は同じだし、間違えたら途中で降りて乗り換えればいいや、という訳で連れて行かれた終着地は、金浦空港に隣接する地下鉄九号線の始発「회하역」だった…

 仕方ないので金浦空港まで地下鉄で戻り、五号線に乗り換えて宿に向ったのだが、考えてみれば「회하역」から九号線なんて、こんなことでも無い限り乗らない訳で、これもまた何かの必然だったのかもしれない。

 「회하역」駅構内で九号線の路線図を見ると、金浦から江南方面にまっすぐ伸びていることが分かるが、これって、それだけ江南方面に通勤する人が増えた、ってことなんだろう。
 片田舎然としている「회하역」周辺ではあるけれど、今後、その様子は大きく変わるのかもしれない。

 金浦辺りは昔からソウル都心のベッドタウンではあったが、鉄道インフラが限られており、公共機関は基本的にバス、自家用車が無いと不便な場所でもあった。
 知人の映画監督が地下鉄もバスもろくに無い金浦の団地に家族と住んでいた頃、江南にある会社へは、いつも車で来ていたことを思い出す。

 そんな金浦空港の周辺が相変わらず閑散としているのは変わりないが、最近、大規模な高層住宅街建設が始まっているので、その形相を変えつつある。
 都心部からの距離を考えれば、ここら辺はもっと発展していてもおかしくないから、遅すぎるくらいだ。

 空港鉄道線が金浦空港からソウル駅まで開通した今、紛らわしくて混雑する市内バスはあまり使わなくなりそうな気もするのだけど、便利になった分だけ、地下鉄があんまり混んでほしくないよな、と願うと共に、昔より廃れたとは言え、鍾路界隈はまだまだ人の乗り降りが多いので、もっとバリアフリー化を進めて欲しいのだった…

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駅は閑散としていました。


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Vol.481 인천방향(仁川方向)? [韓国生活]

 ソウル市内ばかりに目を据えていると分かりにくいのだが、仁川方面にある映画館はちょっと独自の色を出しつつある。
 なぜなら、ここ最近、韓国で映画を見損なった時、落穂拾いとして機能するのが、実は首都圏電鉄1号線その他の仁川方面にある劇場だったりするからだ。

 ソウルの中心部から決して近くは無いが、江北から一本で行けるし、沿線で映画館のハシゴが出来ることもあって、予定が合えば効率もいい。
 仁川市自体は、昔から大きな行政区域で工場も多く、ここ十年くらい、ソウルのベッドタウンとして増々の発展を遂げており、聞いたことが無いような駅でも降りてみると、かなり栄えていたりして、逆にソウル都心部の方が寂れていたりするくらいだ。
 オシャレ感や高級感はないが、一昔前の風情も色濃く残っている。

 「富平(부평)」駅もそんな街の一つで、地下には巨大な商店街が拡がり、地上に出ると商業施設が多く立ち並んでいて、日本でいえば、ちょっとした県庁所在地並みだが、十年前のソウルの如き田舎臭さも漂っている。
 そして、ここには最近どんどん姿を消しているタイプの映画館が1軒ある。

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「富平」駅ビル。すぐ横が日系ホテルの建設予定地になっていました。

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地下商店街はかなり広いです。

 そこはソウルの筆洞にある悪名高き老舗映画館と同じ名前なのだけど、「富平」にある劇場は外観もショボいが、中もショボい。
 ほとんど無人の資材置き場状態で、おばちゃんが一人いるだけだが、上映設備自体はまあまあで、オーナーはケチでも、映画館として最低限のアメニティは守ろうとしているかのようだ。
 ここでは単発的に数ヶ月前に評判になったようなブロックバスター系作品を掛けてくれるのだが、メジャー作品の二番館が実質消滅しつつある今、貴重な映画館といえる。
 ただ、「いつ」「何を上映するか」はネット上では直前でないと分からないので、それが難点かもしれない。

 この「富平」駅から仁川方面に4つほど下ると「朱安(주안)」駅がある。

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「주안」駅の北側

 閑静な住宅街が拡がり、ベットタウンとしての仁川周辺がよく分かる場所だが、ここにはバリバリのアート系専門館がある。
 それは「朱安」駅から少し離れた雑居ビルの中にあるが、箱の外観とは違って、映画館自体はおしゃれな作りになっている。
 どう考えても客が来そうもないプログラムが組まれていて、立地場所も合わせると「やってゆけるのか?」という疑問を感じなくもないが、その分、ソウルでの上映が終了したインディーズ系作品の落穂拾いとしての機能を持ち合わせている。

 ソウルから、これらの劇場まで来るのは少々シンドイが、同じ沿線沿いの「富川(부천)」駅にあるシネコンも、二番館的なプログラムを組んでくれたりするので、使いようによっては役に立つと思う。
 また、路線が繋がっていないので移動は面倒なのだが、他にも仁川市内の映画館は独自路線を打ち出す企画を行っているので、要注目だ。

(※)これらの映画館がいつまで現況維持できるか分からないので、劇場名は記載しません。

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Vol.479 深夜バスでGO! [韓国生活]

 2013年9月半ばから、ソウル市内で主要な場所を結ぶ深夜バス、通称「ふくろうバス(서울 올빼미 버스)」が走り始めた。
 朝4時頃まで走っているが、宿のスタッフに「ふくろうバス」と言ったら通じず、「深夜バス(심야 버스)」と言ったら通じたので、通称自体はあまり浸透していないのかもしれない。

 ソウル主要部の地下鉄終電は遅くてもぜいぜい12時半~1時手前くらいまでだから、飲んでいると場所によっては帰りの電車がすぐ無くなってしまう。
 その後は当たり外れの大きなタクシーの売り手市場と化すので、お手軽な深夜バスの登場は非常にありがたいのだけど、ちと本末転倒のような気がしないでもない。
 疑問なのは、「どうして今まで深夜バスがなかったの?」ということと、最近の住宅事情を考えれば地下鉄を深夜運行にした方が便利なのに、ということである。

 深夜バスの登場でタクシー側としては客を取られることになるが、それに同情できないのはタクシー業界自ら招いた結果みたいな部分があるからだ。
 韓国でタクシーといえば「=ボッタクリ」というイメージがあるけれど、それに加えて乗車拒否は日常茶飯事。
 ここ数年走り始めたオレンジ色のタクシーはソウル市が直接指導しているということで乗車拒否率が低いらしいが「0」ではないし、なりふり構わない韓流ブームのおかげで日本人は露骨なボッタクリ対象になってしまった。
 そうでなくても人間性の低い運転手に当たると、対日世論が芳しくない時(≒韓国内情勢が悪い時)は余計、嫌な目にも遭う。

 一昔前は真夜中に、普通の場所から独りでタクシーに乗る日本人はあまりいなかったらしく、逆に親切にされることが多かったし、運転手には色々な事情を抱えた人がいるので、話して得るものも多かったけど、体力と気力が落ちると、韓国のタクシーはストレス以外の何物でもない。
 だから、深夜バスの登場は大変ありがたいのである。

 だが、残念なことに地下鉄の方はサービス面であまりよろしくない方向を進んでいるようだ。
 表示など見た目の点ではかなり良くなったが運用は相変わらずで、昔も今もイライラさせられるし、路線が増えて複雑になった分だけ、効率が悪くなっているようにも感じる。
 韓国の地下鉄は運賃が非常に安いが(それでも大分高くなったが)、そのツケがかなり前から客側に回ってきているように思う。
 本当ならば、現行運賃の2倍、3倍に設定されても仕方ないのでは?

 …という訳で、早速、弘益大前からの地下鉄が終電になってしまったので、友人の勧めに従い深夜バスを使って見たのだが、本数が少ないことを除けば思った以上に便利で驚いた。
 場所にもよるがルートに無駄がなく、目的地への到着時間が地下鉄や通常運行のバスよりも遥かに早い。
 予め乗り場とルートを把握しておく必要はあるが、使いようによってはかなり便利そうだ。

 でも、基本はだらだら飲んでいないで、終電でとっとと帰るのが一番であることは言うまでもない。

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どの路線もかなり長いのでソウル市内深夜観光にも使えそう。

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Vol.478 中国は「ない」? [韓国生活]

 先日、ネットで新聞記事を眺めていたら、「韓国の某シンクタンクが国内アンケートを行ったところ、中国を経済的、軍事的な脅威と感じている人は6割を超えた」という一文に突き当たる。

 「へぇー、ホントかな?」

 韓国における世論調査が、どこまで事実を聞き出せているか、という疑問はさておいて(これ自体情報操作であることは否めないし、韓国はかなりのWスタンダード社会)、これはある意味、驚きだ。
 なぜなら、以前から韓国の人々にとって「都合の悪い中国」はないのであり、その中国の存在自体をあくまでもスルーするよう、心理操作を受けているのでは?と真剣に疑っていたからだ。

 ここ十年あまり、パッと見では、韓国が中国に期待する温度が大きく上昇している。
 地下鉄で中国語を勉強している人たちをよく見かけるようになったし、かつては日本語学院や日本留学仲介業者がひしめいていた鍾路の街も、一時期中国留学の看板ばかりになったこともあった。

 ソウルの下町ではニューカマーの中国人による新中華街がますます広がり、観光名所はどこにいっても中国人客ばかり、大学も中国人留学生がひしめき合い、韓国企業は労働力や下請け先の多くを中国側に依存している。
 
 だが、マスコミが声高に騒ぐほど、一般の人たちは中国に対して特別な関心があるように見えず、「自分たちがヘゲモニーを握っている」という幻想に浮かれているだけだったりする。
 そして国力差を指摘されれば、「韓国は中国と違って先進国だから大丈夫」とか「中国より10年進んでいるから勝てる」など、目をキラキラさせて優位性を自慢する。

 日本人からすれば「中国のほうが実際問題として色んな意味で脅威になりうるだろう」なのだが、韓国ではどうやら、そう考えてはいけないらしい。
 それゆえ、今回のシンクタンクの手による(ということになっている)調査結果は、ちょっと意外ではあったのだけど、記事をよく読んでみれば中国に対する諸々の期待もまた同じような数値(5割超)というオチだったりする。
 まあ、市井の人々は普通の日本人と同じく、「日々の問題で手一杯」という現実があるから、本音では戦争でも起こらない限り、どうでもいいことなのかもしれない。

 だが、こういう動向を見ていると、韓国の大衆が求める志向とは、実はアメリカに憧れたグローバリズムではなくて、大陸との従属的柵封関係にあった封建時代の方なのでは?などと考えてしまうし、怖いのは「中国を利用して」のはずが逆手に取られて、「まさか、そんな…バカな!」になってしまう結末だ。
 
 近頃の韓国における中国依りの姿勢と反日的言動を見ていると、IMF体制前後のソウルを思い出して仕方ない。
 これは当時の民主政権移行に対する期待感と、今の親中体制への期待感が、どこか根っ子で「よ~く」似ているからだ。
 政治体制に大きな変化が見込めるから、「明るい未来だけがやって来る」という理屈なのだろうか。

 「これからは日本が沈み、私達が昇る時代が来るんです」

 軍事政権が終焉し、民主政権へ移行しつつあった当時、地元の女子大学生に自信満々でこう言われたことがあった。
 その頃の韓国はバブル景気、みんな明るい未来を信じていたが、それから数年後に私が見たものは、IMF介入で打ちひしがれた人々と、街のビル灯りが消えた無残な光景だった。

 「反日」「親中」をいくらやろうとも、結局それは韓国自身の問題であり、彼らがどうすべきかを決めることだが、知らない間に誰かの甘い言葉に踊らされ、気が付いたら自分たちが望まない方向へと足を踏み外していた、なんてならないよう祈りたい。

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ここら辺はかつて、日本語学院、日本留学事務所が密集していましたが、今は面影なし。













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Vol.477 モンスターチルドレンの行く末は [韓国生活]

 以前ソウル行の飛行機に乗った時、斜め後ろの席に困った韓国人母娘が座ったことがあった。
 小学校低学年と思われる女の子二人が、四六時中ムズムズと動きまわり大声を上げ、意味なく前の座席を蹴り続ける。
 当然、私のところにも「どっかん、どっかん」と蹴り上げる衝撃が伝わって来たが、一番迷惑を被ったのは彼らの前に座った気の弱そうなアメリカ人青年だ。
 話を聞けば今回初めて韓国を訪れるといい、ちょっと不安げな様子。

 やがて飛行機が離陸を開始し女の子たちは少しおとなしくなるが、水平飛行に入った途端、また「どっかん、どっかん」が始まった。
 もしかしたら二人とも注意欠陥多動性障害なのかもしれないが、いくらなんでもひどいので、母親が気づいて注意するだろうと日本式に考えた私が甘かった。
 子どもたちは何かあるたびに大声で騒ぎ立て、前の座席を蹴り続けるが、母親は呆けた顔であらぬ方を見ているだけだ。

 やがてアメリカ人青年は我慢できなくなり後ろを向いて何かを囁いた。
 「やめなさい」とでもいったんだろう。
 だが、彼が前を向くと再び「どっかん、どっかん」が始まる。

 仕方ないので私はアテンダントを呼び注意してもらったが、こっそりその様子を覗いてみれば、母娘は呆けたようにポカーンと口を開け、なぜ自分たちが注意を受けているか全く理解できていないようだった。
 くだんのアメリカ人青年は梨泰院に泊まると言っていたが、初めからこれでは気の毒としかいいようがない(いや、韓国的現実の予行練習としては良かったのかな?)。
  
 残念なことに、こういう困った親子の光景は韓国の交通機関や公共の場でよく遭遇する。
 とにかく子どもたちが常軌を逸して自分勝手で、わがまま放題、どんなに周りに迷惑をかけても親は知らんぷり。
 日本でもそういうことが無いとは言わないが、放りっぱなし度や子供の横暴さは遥かに上を行く。
 子供も子供で、大人の前でゴネれば自分の思い通りになると確信しているフシがあったりするからタチが悪い。

 韓国における子育ての考え方には「子供時代はのびのびと自由に」というのがあるらしく、就学前の子供の無作法に対しては周囲も割りと寛大だ。
 だが、これはあくまでも就学後に厳しい躾が始まる、という前提あってこそ成り立つ考え方であり、それが壊れてしまえば単なる「困った大人の素」でしかないだろう。

 ここ十年ばかり、韓国における市井の子どもたちや若者たちを見ていると、その唯我独尊ぶりがますますひどくなっているように見えるので、かつては厳しく行われていたと思われる家庭の躾が、「自由」だとか「民主主義」だとか「グローバル化」といった枕詞の下で、日本以上に崩壊しているんじゃないのだろうか、とよく考えてしまう。
 そして、隘路で厳しい学歴社会がもたらす受験競争も、こうした甘やかしの免罪符になっている可能性がある。
 結果、「就学前のクソガキOK」期間は自動延長され、「高校や大学、男子は軍隊を出てもクソガキ」という状態にまで及びつつあるのなら恐ろしいことだ。

 一方、軍事政権時くらいに幼少期を過ごした世代だと、他人に対して礼儀正しく、気配りが出来る人を多く見受けるし、偏屈な反日派でも、日本人個人にはそこら辺をわきまえて接してくれたりする。
 そんな韓国の紳士淑女たちに共通することは、皆家庭での伝統的な躾がきちんとしていたらしい、ということだ。

 日本でも「キチママ」「キチパパ」といったネットスラングが象徴するように、家庭での躾が壊れて久しいから、あまり他人のことは言えないかもしれないけど、もし、韓国人に対して恋人なり伴侶なりの関係を切望したいのなら、早いうちに相手の育った家庭や両親がどうであるかを、よく見知っておくことをお勧めしたい。

 親と家族の言動や品性が怪しい相手は、本人がいい人でも日本以上にひどいババを引く可能性が高いのではないだろうか?

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