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Vol.503 祝?『ウォーキング・デッド』が再び面白くなって来た…かも? [海外ドラマ]

 2014年10月、『ウォーキング・デッド シーズン5』の放送が日本でも始まった。
 同年12月で一旦中休みになったが、第八話の最後は相変わらず期待を裏切ってくれる結末だった。

 この『ウォーキング・デッド』、前のシーズン4からだいぶ仕切り直しを行ったらしく、製作話数が少なくなった分、展開がスピーディーになり、各話の密度がぐっと増した。
 そして、よりロメロ系ゾンビシリーズのテイストが濃くなったように思う。

 全体的に小粒になったものの、ゾンビの見せ方(=殺し方)はより丁寧で凝ったものになり、話はますます絶望と混迷の度合いを深めている。

 本ブログでも疑問を呈した、シーズン2から3にかけての「この番組は韓国企業が提供しています!」という余計な主張もシーズン4からかなり排除されたようで、「このTVドラマはあくまでもアメリカが舞台で、アメリカで暮らす人々が主人公です」という色合いが大分強調されるようになった。

 強引な韓国色が不自然に濃かったことについて、どの程度、視聴者からクレームが来たのかは分からないが、そのままだったら、偏見のない視聴者であっても離れていっただろうし、なによりも韓国側ファンが「恥ずかしいだろ!」になっていたのではないだろうか?

 シーズン4では刑務所を追われたリックたちのグループは離散し、それぞれが生き残るために放浪する姿が描かれているが、舞台を固定しないことで世界観が拡がった。

 のっけから派手なアクションシーンが連続し、新レギュラーとして元軍人のエイブラハム軍曹らが加わるが、ある理由でワシントンを目指す彼らの真摯な姿は、1970年代の終末系SF映画を彷彿させ、このTVシリーズが原点に戻ろうとしている象徴のようでもあった。
 
 韓国系のスティーブ・ユアンも、俳優として本当に上手くなったものだと思う。
 一時期、劇中で「俺は韓国系だ!!」と無用に強調していた(≒強調させられていた??)けど、それが一番イヤだったのは当人では?

 シーズン4は謎のシェルター「終着駅」に向けて、レギュラーたちが集まり、再び一つになるところが最後のヤマとなるが、この「終着駅」の正体はシーズン5で明かされる。
 これが非常に不愉快なもので、人によっては正視できないかもしれない。

 そして、物語は人の醜さをそれまで以上に描くようになり、「ゾンビVS人間」の戦いは「人間VS人間」が中心となってゆく。
 そこではもう、ゾンビは単なるアクセサリーだ。

 このドラマが始まった当初から、筆者はホラーアクションというよりも「紛争や戦争の暗喩」として観ていたのだけど、シリーズ4辺りから、それが一層濃くなってきている。

 最低限の良心を維持しているはずの主人公たちですら、「良い人」でも「悪い人」でも無くなってしまう。
 「仲間以外は全て敵」であり、「やさしさ」とは相手を冷たく突き放すか殺すことだ。
 何をやろうとも、自分が生き残ることだけが唯一の目的なのである。
 
 シーズン5はまだ完結していないので、現時点ではなんとも言えないが、シーズン4はシーズン1に次いで、面白いシーズンと言えるだろう。

 大体、アメリカのTVドラマは第4シーズンの出来栄えいかんで、凡作になるか、名作になるかの分岐点になる、というイメージが筆者にはあるので、シーズン5でズッコケて欲しくないものだ。
 なによりも、またぞや某国企業スポンサーの要望を過剰に汲んだ展開にならないことを切に願いたい。

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Vol.502 2015年 謹賀新年 [韓国映画]

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 明けましておめでとうございます。
 読んでいただいている皆様全てに大きな福が届きますように。
 現在、資金難によりブログ運営の危機に陥っていますが、なんとか頑張ってゆくつもりです。
 今年もよろしくお願い申し上げます。
                                         
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Vol.501 『오뚜기』の味(カレー編) [韓国の食]

 『오뚜기』は昔からカレー類に力を入れており、種類もそれなりに豊富だ。
 韓国にあるインスタントカレーひとつの原点であり、オリジナルの味と言えるかもしれない。

<백세카레>
おすすめ度…結構いけるかも

百歳カレー2.JPG

値段が高い分、具がゴロゴロ。
味はやや甘めだが、辛さはしっかりしている。
ボンカレーゴールドの韓国版といった趣。


<쇠고기카레>
おすすめ度…興味があればどうぞ

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値段は安いが意外にまともで、昔のククレカレーかボンカレーをすっきりさせたような味。
牛肉はほとんど入っていないが、ジャガイモがゴロゴロ、でもなぜか人参が入っていない。


<카레 순한맛>
おすすめ度…興味があればどうぞ

カレー甘口2.JPG

直訳そのままの「穏やかな味」。
しかし、個性もない。
基本は旧ボンカレー系の味。


<카레 약간매운맛>
おすすめ度…興味があればどうぞ

カレー中辛2.JPG

甘くも辛くもないがバランスのとれた味。
これも基本は昔のボンカレー。


<카레 매운맛>
おすすめ度…興味があればどうぞ

カレー辛口2.JPG

ベースがかなり甘く、後味だけ辛めといった感じの味。
やっぱり基本はボンカレー系以外の何者でもない。


<레틸커레>
おすすめ度…興味があればどうぞ

レンズ豆カレー2.JPG

レンズ豆を使っているが、イマイチ引き立たず。
脱ボンカレー系を目指したのか??

 今回、ちょっと驚いたのは、カレーの味がかなり良くなっていることだ。
 「二十年前の日本の製品」と言われても、分からないと思う。
 ただし、日本のように「レンジでチンできる」レトルト製品は今のところ、見かけない。

 『오뚜기』製品は価格が基本的に安く、どこでも入手可能という大きな長所を持つが、一部商品は特定の店舗しか置いていないものもあるので、全種類制覇したい方は通販での入手が一番確実だと思われる。

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Vol.500 名盤まで行かないけど…『방은진 우리 영화 음악을 만나다』 [韓国映画音楽(OST)]

 韓国映画のOST盤には以前からコンピレーション・アルバムがあまり存在しない。
 決して無いわけではないが種類はかなり少なく、韓国における音楽CD市場が瓦解し、OST盤自体がますます発売されなくなって来ている今、新たな製品を期待することは一層絶望的かもしれない。

 そんな中で今回紹介する『방은진 우리 영화 음악을 만나다』は、2010年に発売された韓国映画OSTのコンピレーション・アルバムである。
 ここ最近十数年、韓国で製作・公開された名作・珍作・怪作の中から代表的な曲をピックアップ、構成した内容で、韓国映画OST入門盤としてもお薦めできる、ありそうで無かった内容だ。

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 セレクトされた作品に目新しさは無いものの、それらのOSTの多くが既に稀少盤になっていることを思えば、かなりお得である。

 日本でもよく知られている作品だと、『八月のクリスマス(8월 크리스마스)』や『春の日は過ぎゆく(봄날은 간다)』、『ラスト・プレゼント(선물)』などがあり、レア物では、『NOWHERE ノーウェアー(인정사정 볼 것 없다)』とか『少女たちの遺言 メメント・モリ(여고괴담2)』、『吠える犬は噛まない(플란다스의 개)』などの曲が収録されている。
 ただ、CD枚数が4枚もあって、ここまで分ける必要があったのか?という気がしなくもない。

 曲のセレクトを行った(ということになっている)のは、今では映画監督としてすっかり認知された방은진だ。
 元々は個性派女優で、日本でも『301,302』だとか김기덕の『受取人不明 』なんかで知られた人であり、必然性があれば脱ぐことをいとわない、この世代には希少なタイプの女優でもあった(美人かどうかはメイクでだいぶ変わる人なので、気になる方は韓国のサイトで調べて下さい)。

 彼女も韓国芸能界の通例通り、三十過ぎると出番が減り、あまり見かけなくなってしまったが、以前から演出畑志望だったらしく、映画監督へ転身を図り、2005年に公開された『오로라 공주』で本格的なデビューを果たし、『容疑者X』の成功で注目されるようになった。
 2013年末に公開された『マルティニークからの祈り(집으로 가는 길)』は興行がイマイチだったものの、細やかな演出が光る好編だった。
 光復節以降の韓国映画史を綴ったドキュメンタリー『映画板(영화판)』にもちょっとだけ出演しているが、ほとんどすっぴん、日焼け顔で小じわがやたら目立つという、すっかり映画屋らしい顔になっていたので、ちょっと驚いた。

 たぶん、『방은진 우리 영화 음악을 만나다』は女優ではなく、「映画監督방은진」としてのセレクトという企画なんだろう。
 あえて音楽CD形式での販売だったのも、一種のこだわりだったんじゃないのだろうか?

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Vol.499 もしかしたら、漢気あふれる一本だったのかも? 『情愛中毒』 [韓国映画]

 『情愛中毒』こと『인간중독』は、2015年五月十四日に韓国で公開された作品である。
 日本では同年11月22日に、こっそりと地味に公開された。

 原題はまるでゾンビが闊歩するホラー映画のようだが、おそらく韓国内WEBマーケティング対策として妙なタイトルを付けたのではないだろうか。
 内容的には日本語タイトルの方が近いが、これだと凡庸過ぎて、今の韓国では埋もれてしまいそうだ。

 個人的には興味の無い作品、主演が송승헌なのも観に行くことを躊躇させたが、

 1.知人の俳優氏が송승헌の演技を褒めていた

 2.1960-1970年にかけての韓国陸軍上層部を描いている

 3.映画の日が空いていた

 主にこれらの理由で観ることにした。
 
 김대우監督の新作としては残念ながら「下」の出来栄えで、김진평演じた송승헌はともかく、相手役종가흔演じた임지연の演技があまりにもひどいので呆れてしまった。
 いくら新人とはいえ、これでは本来なら「完全OUT!」だろう。
 彼女は後に、悪評高い韓国内某映画賞で新人女優賞をもらったが、今も「忠武路事情」(※)は相変わらずのようだ。
(※)ここ十年は江南・狎鴎亭・新沙洞事情と言った方が正確かも?

 しかし、最大の驚きだったのはそんなことよりも、この作品が軍事政権時代の陸軍将校を主人公にして、その暮らしぶりや主張を表立って描いていたことだろう。
 なぜこれが「驚き」なのかと言えば、この階層に属していた人々は今の若い人たちから【自分たちを苦しめている諸悪の根源】として、政治的な吊し上げの対象になっているからだ。
 
 それは言わば、「ポスト日帝時代批判」のようなものであり、「反日」の別バージョンかもしれず、下手を打てば『青燕(청연)』だとか『マイ・ウェイ(마이웨이)』の二の舞いになりかねない因子を抱えたお話なのである。
 
 もちろん、過去における幾つかのヒット作のように朴正煕元大統領を決して英雄として扱わず(かといって悪としても扱わず)、全斗煥元大統領だけをこき下ろすか、暗黙で軍事政権を批判しているように見せかければ、それほど問題にはならないのだけど、この『인간중독』にはそういう偽装が感じられず、真面目に積極的に正直に、昔のコアな軍人たちを悩み多き不完全な「人間」として公平に描こうとしている。
 その姿勢は映画の出来とは全く別に高く評価したいのだが、同時に「こりゃあ、最近の韓国ではマーケティング的にヤバイだろう」な映画だったのである。

 そして、さらにびっくりしたのは主人公김진평がベトナムに派遣された「猛虎部隊」の幹部という設定であり、劇中「韓国兵が残虐行為をしたのはベトコンがそれを先にやったからだ」といった主旨のセリフを吐いたことだ。

 これを今風に言い換えると彼は「軍事政権下で利権を貪った階層」に属する憎むべき人間であり、「朴正煕元大統領&全斗煥元大統領、直接の手下」という悪者であり、「ベトナムで虐殺を行った」恥ずべき当事者、ということでもあって、自称・他称の左派系愛国者が嬉々として罵詈雑言を浴びせそうな「韓国黒歴史」の象徴みたいなキャラなのだ。

 だから、この映画を観ている最中はずっと「もしかしてこの映画は、軍人会系右派閥が従北系左派閥を牽制するためのカウンターアタック作戦だったのではないか?」などと考えていたのである。
 なぜなら、ここ最近の韓国映画は軍事政権を槍玉に上げて批判し、悪へと祀り上げる「社会派」ネタが定番になっているからだ。

 そう考えると、これまで韓国映画では叩かれっ放しだった韓国内右派系の人々(=お金持ち)の中から、『인간중독』のような作品に出資を行い、やり返そうという動きが出たとしても、なんら不自然ではない。
 だが、仮にそうであったとしても、それは映画を観に行かない裕福な高齢者層の発想かもしれず、映画をよく観る世代の支持を得ることは当然ながら難しい。

 実際、『인간중독』の韓国における興行収益は累計約144万人程度(※1)なので、「ああ、やっぱりね」的な数字だ。
 作品を支持している人たちもWEB上の統計によれば40代の女性が中心(※2)で、「右派」とか「左派」といったことにあまり影響されない人々だろうと思われる。
(※1)毎度おなじみKOFICの統計では1,442,014人(総スクリーン数1,635)
(※2)NAVER영화の統計に依る

 韓国の若者が軍事政権を否定し嫌うことが流行りの現在、累計動員数約144万人という韓国内での数字は意外と健闘した方かもしれないが、一味違った人間ドラマで高く評価されているヒットメーカー・김대우監督&脚本の最新作としては、かなりショボイ結果と言われても仕方ないだろう。

 そして、政治に関心が薄い人から言わせれば、「軍事政権下を舞台に主人公は陸軍エリート将校、それを송승헌が演じるんじゃ、そりゃ、みんな行かないわ」だったのでは?

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Vol.498 『오뚜기』の味(惣菜編) [韓国の食]

 ハンバーグなど、屑肉原料と思われる製品を中心とした惣菜類を紹介する。
 価格が安く手軽なので、味はチープでも、お酒のツマミとしても十分と思われるが、素性は怪しいので神経質な人は食べない方がいいだろう。
 昔懐かしき味なので、年寄り向けかも。
<미트볼>
おすすめ度…興味があればどうぞ

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缶詰風の匂いがきつく、ケチャップとも甘酢とも言い難い独特の味付け。
でも、値段を思えばそこそこ美味しい。


<햄버그 스테이크>
おすすめ度…興味があればどうぞ

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ソースがとても甘く、お菓子のようだ。
しかも、化粧品のような変な臭いがする。


<데리야끼치킨>
おすすめ度…興味があればどうぞ

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“照り焼き”と書いてあるが、小分けしたハンバーグを甘く韓国風に煮付けた感じ。
薄味なので悪くはない。


 補足としてインスタントスープも紹介する。
 今回の製品は非常に不味い。
 日本製のインスタントスープも韓国では広く出回っているが、高価である。
<컵스프 콘크림>
おすすめ度…やめた方がいい

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コーン粒は跡形も無く、粉っぽいだけ。


<컵스프 쇠고기크림>
おすすめ度…飲みたければお好きにどうぞ

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薄めに作ると粉薬の味がする。
一応パセリと肉のようなものが入っているが、コンソメの味しかしない。


(カレー編に続く…)

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Vol.497 集う [韓国生活]

 最近、ソウルを訪れるたびに知り合いに呼びかけて、「某監督の集い」というのを開いている。
 と言っても別に大したことをやっている訳ではなく、某映画監督を囲んで皆グダグタと酒を飲みながら最近観た映画の話だとか業界の噂だとか、その他どうでもいいネタを話しているだけだ。
 集まる人々は様々なのでお気軽な「異業種交流会」の側面もある。

 こうしたグダグダな集まりの一番よいところは韓国側のナマ声を聞けることだろう。
 時々日韓問題を振ってみたりするけど、余計なフィルターを通さない意見を交わせることはいいことだし、何よりもこの集いを通して韓国人同士が新しいチャンスを見出してくれれば幸いだと思っている。

 韓国で難しいことの一つに複数の友人・知人を作ることがある。
 一人、二人はまあいいとして、それ以上の人脈を拡げるには想像以上にコネが重要かつ必要だったりするし、自分が外国人であることを積極的に利用しなければいけない場面も多い。
 これは日本人にとって結構シンドい。

 あくまでも筆者の見解だが、韓国はいつでもどこでも、そして子供から老人まで順列づけ(マウンティング)を求めてくるし、どの勢力に属しているかを非常に重要視する社会なので、一見お気楽な友達関係に見えても、その裏側ではヒエラルキーを巡る争いが絶えずドロドロと渦巻いていたりする。

 だから、年齢、性別、肩書、学歴、出身地、縁故などの条件が恒常的に個々人の交流を妨げているし、友人・知人関係も「似たもの同士、都合の良いもの同士」で完結してしまい隘路に陥りやすい。
 日本人が韓国人側の発言に個性やオリジナリティを感じにくいのは、そういったことが大きく関係しているのではないだろうか。

 もちろん、そういう韓国的な「枠=呪縛」から逃れて自由で多様な生き方を目指している人達もいるが、そういう人たちと「韓流好き日本人」が知り合う機会はあまりないと思う。
 共通のスポーツや趣味の分野で知人・友人を作るのも良い方法だが、これはこれで他グループとの敵対関係に巻き込まれる可能性がある。

 だから、韓国において付き合う先が特定の属性や階層に限られてしまうのは仕方ないとは思うのだけど、そんな状況で知人・友人の輪を拡げる有効な方法とは、おそらく「誰かに誰かを紹介してもらう」というやり方なのである。
 実際、他の日本人を見ていても「紹介、紹介、紹介、これまた紹介」で韓国内における友達の輪を広げている。

 ただ、この「紹介作戦」の難しいところは、「韓国のTVドラマが大好き!」だとか「韓国人の恋人が欲しい!」と言った、ありがちな枠を自発的に超える努力をしないと輪の展開が容易ではないことだ。
 そして、それをやらないとタチの良い韓国の知人・友人を得ることは難しいと思うのである。

 また、韓国の人々は往々にして飽きっぽく薄情と言えるくらい現実主義なところがあるから、相手との関係が利益(=お金)にならないと見るや、すぐに離れてしまう事は珍しくない。
 しかし、これもまた自虐的歴史観を植え付けられた日本人にとっては理解し難いことなのかもしれず、いつまでも相手との関係を「友情」と勘違いし続けていたりする。

 歳を重ねるたびに韓国というものがシンドく疲れる場所へと変わってゆく理由は、そんなところにあるのかもしれない。

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ソーシャル・ネットワークに勤しむ某監督氏

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Vol.496 コンククス(콩국수)の味、と言いたいが… [韓国の食]

 時間とお金がちょっとだけあったので、定宿近所のククス屋に昼食を食べに行く。

 筆者は基本的に韓国の麺類を高く評価していないが、ここは例外的に美味しいお店の一つである。
 製麺は全て店内で行っていて、「ラーメン二郎」を思わせる太くて固い麺だ。

 少々お高く、営業時間も短くと、条件が合わないとなかなか食べることができない。
 店内に日本語表示は一切なく、平均年齢高めのスタッフも日本語を話さないという、良い店なのだが、先日久しぶりに訪れた際、「カチン!」と引っかかることがあった。

 お店に入り、「ひとり」といって席に着く。
 だが、注文をしていないのに、店の親父が厨房に「コンククス、一つ」と勝手に発注をかける。
 「おい、おい、まさか…」とは思ったが、案の定、注文していないコンククスが運ばれて来た。

 その時はコンククスが目的だったので別に問題はなかったが、ここは売りである海鮮ククスの他に、イワシのククスなんかも置いていて、客の注文は様々だ。
 以前はスタッフが勝手に注文することなどなかったので、遂にここも「例の病にやられてしまったか」と、ちょっと不愉快になる。

 「例の病」とは、「日本人だから、これを出しておけばいいや」という理屈で、頼みもしない品を出す「身勝手病」のことだ。
 日本人観光客が激増したお店では、この「身勝手病」が発症し、韓国語を解す日本人と揉めることが時折起こっているようだが、ここもまた、そうなってしまったのだろうか?

 店の場所は江北の古い一角だが、徒歩10分程度で仁寺洞やら北村洞などに行けるためか、ここ数年、外国人向けの安宿が急増した。
 だから、このお店も日本人観光客が一時的に増えてしまい、スタッフによっては「日本人だから、コンククス出しておけばいいや」になってしまった可能性は十分考えられるのである。

 食堂は如何に客を回転させるかが、商売上重要だから、「バカのくせに、お金は持っている小うるさい日本人観光客」から銭を落とさせ、とっとと出て行ってもらうには、「日本人だから、これを出しておけばいいや」というやり方が、「韓国の理」にはかなっているのかもしれない。
 だが、日本人観光客が韓国から激減した裏には、こうした「身勝手病」があることも否めないと思うのである。

 このお店は「日本人だからボッタクれ!」ということを露骨にやらない分、まだ良心的だけど、今回の「日本人だから、これを出しておけばいいや」も、一部日本人が憑かれ大騒ぎした「韓流」が残した「負の遺産」なのかもしれず、少し悲しかった。

 ちなみに、勝手に出されたコンククスは不味くはないが、特筆するほど美味しくもなかった。

 店の態度に気分が削がれていたこともあるけど、麺がダマダマになって食べにくい。
 あまり、冷やし系には向いていないようだ。
 黒大豆を使ったスープは香ばしく、スッキリした味だが、日頃、化学調味料に味覚中枢が侵されている人には、あまり美味しくないかもしれない。

 でも、次は季節限定のマンドゥククを食べに来ようかな…

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Vol.495 はたまた大学の中の映画館 [韓国映画]

 現在、ソウル市内には「KUシネマ」と称する、主にインディーズもしくはアート系作品を上映する映画館が二軒ある。
 ひとつは建国大学芸術学部棟内にある「KU시네마데크」であり、もうひとつが高麗大学マルチメディアセンター内の「KU시네마트랩」だ。

 両方とも大学名をそのまま冠した劇場なのでズッコケそうになるが、上映する作品や劇場施設共にコダワリが感じられ、最近のソウルの映画館では個人的にお気に入りでもある。
 ソウル市内の、やや亜流の繁華街方面にあるが、漢北辺りなら交通の便もいい。
 ただ、あまり派手な宣伝を行っていないので場所が分かりにくい、という欠点がある(アルバイトスタッフの質が凸凹しているのは韓国のミニシアターだから我慢しましょう)。

 ソウルのアート系ミニシアターは概して妙な場所にあり、時として非常に分かりにくいのだが、「KU시네마트랩」もそうだった。
 事前に場所を調べて地図を出力し赴いたのだけど、意外なところでつまずいてしまい全く見つからず、困ったことになってしまった。
 仕方ないので大学構内の警備員に尋ねるが、どうも説明に納得出来ない。
 逆に「そっちの方向にある訳ないだろう」と勝手に思い込んでしまい更にドツボに嵌り、安岩キャンパス内をしばし彷徨うことになってしまった。

 だが、これはみんな筆者が悪いのである。
 学内略図に劇場案内が無かったことも大きいが、勝手に「高麗大学の安岩キャンパスはひとつの敷地にまとまって…」と頭から思い込んでいたからだ。
 ところが実際は違っていた。

 高麗大学に通っていたことがある方にとっては失笑ものだが、同大学の主な施設は地下鉄六号線「安岩駅」から「高麗大学駅」の間にかけて、大体三つほどの敷地に別れて点在しており、この大学敷地内に初めて侵入した筆者はそのことに全然気が付かなかったのであった。

 なぜなら、それまでソウル市内の名門大学と言えば、【巨大な敷地で辺りを占有し】、【これみよがしに丘の上から街を睥睨し、大威張り】という偏見が頭にガッチリ刷り込まれていたからであって、後になって考えてみれば警備員の方の説明は間違っていないのであった(疑ってすみません…)。

 「KU시네마트랩」はメインキャンパスから結構離れた「高麗大学駅」方面の同大学付属施設内にあるが、どこにも看板が出ていないので外からはサッパリ分からない。
 だが、その素っ気なさとは逆に、ロビーがしょぼいが上映設備は中々であり、非常に観やすい。
 シートは建国大の方が好みだが、快適な映画空間がちゃんと確立されており、「また来よう」と思わせてくれる映画館になっている。

 ここら辺に関しては、老舗のスポンジやインディが全くダメなことは至極残念だが、アート系シアターの分野においても、ソウルに限ればここ五、六年にかけて、東京より恵まれた環境が整った印象すら受ける。
 お金の流れがどうなっているかは知らないけれど、だいぶ前からミニシアターに関してもソウルの劇場インフラは東京のそれを超えているのは否定出来ず、同じ立地条件ならば同様の施設を東京で開設して運用することは、おそらく無理かもしれない。

 かつて、韓国の映画関係者が渋谷のミニシアターを今後自分たちの参考にしようと見学に来ていたけど、渋谷系ミニシアターが壊滅した今、そのマインドを引き継いでいるのが、実はソウル及び近辺の独立系ミニシアターかもしれない。

 今回、映画館の良し悪しとは別に驚いたのが、名門と謳われる高麗大の施設が想像以上にボロボロで、敷地も意外と狭いことだ。
 だけど、それは庶民的でもあって、逆に好感を抱いた。

 韓国も出身大学によって、OB・OGたちの気質が異なる印象をよく受けるのだけど、高麗大は筆者が考えるより庶民的な大学なのかも?

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Vol.494 テコンV再び!にならなかったけど [韓国カルチャー]

 2011年末、『ロボット テコンV』の大型フィギュアがリペイント、リニューアル版として再販売された。
 筆者が記憶する限り、大型ソフビ版の発売は、これが三回目である。

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実際の量産品はポスターとは違い、仕上げが雑です

 最初に販売されたバージョンは、模型屋だとかキャラクターショップの店頭にわりと普通に並んでいたが、かなり高額で手が出せなかった(日本¥のレートも低かった)。
 色は暗めのブルーが主体で、ポスターなどのイメージに近い。

 二回目に発売された限定版は予約通販のみであったため、その存在すら知らず、たまたま韓国のコレクター氏が持っているのを偶然見て知ったレア製品であった。
 特徴としてはキム・チョンギ監督のサインが箱に入っており、『テコンV』本体の色が明るいグレー中心にペイントされていて、劇中の設定に近い。

 最初に販売されたものと、今回の製品は原型が同一であるかどうか不明だが、リニューアル版には肩と腕にラチェット式ジョイントが内蔵されて動くようになっている。

 このリペイントされたバージョンはかなり早くから模型店などで予約が始まっていたが、既に『テコンV』ブームが過ぎて久しく、あまり話題になっていなかったような気がする。

 私もすっかり物欲が失せていて、購入の機会を逃していたのだが、発売から半年以上経っても普通に通販で購入できる状態、かなり割引された価格だったので買ってみた次第。
 想像するに、あまり売れなかったのではないか?(この製品の紹介が遅れたのは単なる筆者の怠慢です)。

 映画『ロボット テコンV』第一作の復元版が話題になった当時を振り返って見れば、確かにこのシリーズとキャラクターは今だに韓国内で知名度があり、固定ファンもいるが、強力なフランチャイズネタとして多角的展開させるには、色々と運が悪いコンテンツだったとも思う。

 復元版が韓国でスマッシュヒット、「次は『テコンV』を世界に売り込め!」状態だった頃ならいざ知らず、ソル・ギョング主演の実写版も頓挫した今(日本で報道されるかなり前から頓挫状態だった)、まだまだ、高級おもちゃが大人の趣味として浸透していない韓国で、こんなにデカくて高額な自国産キャラのフィギュアが発売されても、「時すでに遅し」といった感は免れず、韓国のマニアからすれば、ガンダムのパーフェクト・グレードでも買った方がマシかもしれない。

 フィギュアを手にしてまず目を引くのが、韓国の製品らしく、外箱がとにかくデカイということだろう。

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左の定規は40センチ

 開けてみると人形自体は全高40センチなので、もっとシンプルな包装でもよかったと思う。
 なぜなら、韓国の住宅事情は日本と大して変わらないからだ。

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左がソフビ版、右が合金版


 『テコンV』本体の造形は、元がアニメーションキャラなので賛否両論別れるだろうけど、前に販売された合金製よりも個人的にはアニメーションのイメージに近いと思うし、ソフビ成形ゆえ、モールドや仕上げが荒くてもそれが味になっている、という点では得をしている。

 全身に施されたディテールは、おそらく現在オフィシャルになっている設定に準じたものらしく、合金製のものとよく似ているが、スーパーロボットとしては、解釈の方向が違っているような気もする。

 腹部はハッチのモールドがそれらしく彫られているが無可動、頭のドームも開かない。
 ここら辺は『テコンV』におけるメカニック設定の肝でもあったと思うので、何かひと工夫欲しかった。
 こういった点、日本のキャラクター製品は芸が秀でている。
 
 肩から腕にかけてはそこそこ動くが(関節はユルユル)、手首は外れず、形状も拳のみでオプションは無い。 

 下半身については無垢・無可動だ。
 このサイズで「ネリチャギ」などの蹴りを自由に取ることが出来る仕様は現実問題として、おそらく無理だったと思われる。

 『テコンV』の合金版も下半身は無可動になっており、「蹴り」の姿勢はとれず、その少し前に出たフル可動のフィギュアだけが「蹴り」のポーズを取れる唯一の製品であったが、これは材質が軽く、サイズも小型だったからだ。

 だから、大型ソフビ版が「でくのぼう」同然に成らざるをえないのは仕方ないのだけど、せめて手首くらいは外れるようにして、他にチョップなどのオプションを付けて欲しかった。
 「ロケット手首!(※)」遊びが出来ないのは、至極残念である。
(※)『ロボット テコンV』では作品時期により、「ロケット手首」「ロケットパンチ」と異なった呼び方をします。

 顔の造形については、否定的な意見もあるだろうけど、これはこれでいいと思う。
 『テコンV』の頭部も鉄腕アトムの頭同様、矛盾に満ちたデザインであり、面取りがよく分からない構成になっているから、こんなものだろう。

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 ちなみにオマケとして「ヤカン・ロボット(깡통로봇)」の立像が付いてくる。
 このヤカン・ロボットは『テコンV』シリーズにおける、もう一つのアイコンなので、フル可動仕様の製品化を、敵メカ「コムド・ロボット」などと並んで、切望したいキャラである。

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これだけなら単品でも入手可能(右は合金版付属のもの)

 『テコンV』を日本のアニメキャラに負けない国際的なフランチャイズに育てるという、いかにも韓国らしい野望が挫折した現在、『テコンV』関係の高品質製品が新たに発売される可能性はそうそう無いとは思うけど、どうせなら日本のメーカーで一から十まで開発できれば(※)、韓国のファンも嬉しいのではないかと、この無駄にデカイ『テコンV』を箱から出すたびに、いつも思うのだった。
(※)1/42スケールのポリストーン製(樹脂石膏製)胸像の開発は日本となっています

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